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アパート。たくさんのお菓子やジュースに喜ぶ皆。その下から百万円の札束が五個。歓声が止まる。ケイナが、本物?と疑う。ミヤビが、何をやらされるんだ?と目つきが鋭くなる。嬉しさと不安と半信半疑。皆どう表現していいか分からない。思考が追いついてこない。
[派手に使うとバレるから]
えっちゃんの言葉に皆うなづく。えっちゃんはニコリと笑って、
[とりあえず今夜は好きな物を食べましょう。そしてパソコンでも買おうかしら]
ミヤビがガッツポーズをして喜ぶ。ケイナは洋服を欲しがった。リンは私もパソコンが欲しいと言い、ケンはマンガ。と口にした。
えっちゃんはそれぞれに何度もうなづく。
スーパーに買い物。誰もがステーキを選ぶ。それなら。と業務用スーパーに出向き、牛肉の塊を買った。
今夜は好きなだけステーキ。
幸せはお金で買える。ミヤビが口の中に肉を詰め込みながら言った。
部屋の中は焼けた肉の匂い。幸福の匂い。ミヤビが、勿体無いな。と笑いながら窓を開けた。幸せが部屋から溢れ出る。
食べ終わり、ミヤビとリンはパソコンのカタログを見始める。ケイナは洋服雑誌。ケンはもう買ってもらったマンガを読んでる。
お金で幸せは買える。でもお金が無くなったら元の生活に戻る。この生活が当たり前になってしまうのは避けたかった。
違う。この生活を当たり前にしたい。
マッタリと幸せの余韻に浸ってる皆を見てえっちゃんは思った。
[ねぇねも欲しいの買えば?]
リンが言った。えっちゃんは、そうね。考えようかしら。とだけ答えた。
えっちゃんが欲しい物は、皆の戸籍。いくらかかるのか。そもそも買えるのかも分からない。




