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台風が来て去るたびに夏の終わりも近づく。
マーロン達の姿は全く見かける事がなく、キャサはあの事件はなかったかのようにえっちゃんに接してる。
世間は、えっちゃん達が警察に捕まろうが、病気しようがおかまいなしに進んでる。
下の住民達でさえ、無関心。無干渉。
気にしてくれるのは、ゴミ収集車のお爺さんと金髪の若者。パン屋さん。呼び込みのおじさん数人。ホスト。そしてコースケ。
誰にも頼るつもりは毛頭ない。がコースケだけは違った。えっちゃんがコースケに、お願いします。という言葉をもう何回も言っている。全てミヤビやケイナ達の事で。
ミヤビ達もコースケに甘えてるのは分かる。えっちゃんが見てないところでホカ弁やカップ麺、お菓子をご馳走になっている。
えっちゃんは見て見ぬフリをする。コースケとの付き合いを辞めさせる事はミヤビたちを悲しませる事になる。なによりもその楽しみを取り上げる代わりの楽しみを与える事が、えっちゃんには出来ない。
ミヤビやケンの身体的成長は著しく、冬服も必要に。少なくとも靴と靴下はすぐにでも買い替える必要がある。
コースケが部屋にインターネット回線を引いた。ミヤビとケンが凄く喜ぶ。
コースケが一世代前のスマフォを四台も持って来てくれた。皆ゲームをやり込む。楽しいからではない。とあるアプリゲームのアイテムが現金になる。リアルマネートレーディング。RMT。
えっちゃんは費用や電気代がかかるのを心配したがコースケは気にしなかった。
コースケは何で稼いでいるのか。肉体労働とは思えない。かといってバイトやサラリーマンとも思えない。薬や女を売る。そんな怪しい空気も感じない。
一ヶ月も経たないうちに、通帳に数万円が振り込まれた。ミヤビ達がRMTで稼いだお金。四人で18650円。時給換算だと雀の涙。だが初めて自分達で稼いだお金。
これが決め手になる。えっちゃん達にはコースケが欠かせない存在となった。




