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探求冒険家エクスコ!(仮)  作者: じゃむ(sadojam)
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とある朝、出稼ぎに行ってくるわ。と笑顔でアケミさんが言ったのを最後にアケミさんはアパートに戻って来る事はなかった。

一週間後に、小包みが届いた。アケミさんの通帳とカード。印鑑。そして50万円が入っていた。

通帳はアパートや電気代の支払い用。


えっちゃんは働き先を見つけた。

ラブホテルのルーム清掃。中国人しか来ない料理店の皿洗い。

どちらの店長も同情より、安く使えるから雇った感じで冷たかった。だが人との関わりが最小限なので、ありがたかった。


最初はアケミさんのお金を使わざるおえなかったが、2ヶ月後にはなんとかアケミさんのお金を使わなくても済むようになった。それでもこの先どうなるか分からない。


警察に頼る事は、リンが両親の元へ戻る事にもなる。なによりも五人離れ離れになるのが辛かった。三ヶ月も経たないうちに兄弟よりも深い関係になった。


皿洗いしてる間、耳さえ傾けばいくらでも情報は入ってきた。

通勤路も警察の巡回や路上カメラの位置が分かり、いつの間にか同じ道の往路になった。そうなると街は面白い程よく見えてきて、よく出会う顔なじみも増える。

ゴミ収集のお爺さんもその中の一人。

えっちゃん達と似たような境遇の子供が居る事にも気付く。

朝方帰るホストのお兄さんから、忘れ物の女性の服を貰ったり、パン屋さんから売れ残ったパンを貰ったりもした。

反対に嫌な人にも出逢う。たいがいは酔っ払いだ。こんな時間に何をしてるんだ。と説教や、いくら?と援交をもちかけてくるサラリーマンもいた。


えっちゃんの服はほとんどフードの付いたパーカー。または帽子をかぶるようになった。

どうしても小麦色の髪は目立つ。ただでさえ目が緑がかった青なのだ。


ケイナのカンは鋭く、えっちゃんが嫌な目にあった時は必ず声をかけてくる。

えっちゃんが、なんでもない。と言い張っても無駄だった。しまいには、

私も働く。と言い出す。えっちゃんは仕方なく話す。それを聞いたミヤビがソイツどこにいる。と怒り出す。

えっちゃんはありがたいけど、なんとかなってるし、なんとかしてるから。とミヤビをなだめる。


えっちゃんは分かってる。誰もがえっちゃんに頼らざるおえない現実にやきもきしている。一番年下のケンですらも。





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