.39
ユダの話す番。
あの宝石は盗んだ物だった。盗んでから事の恐ろしさを感じ、慌てた男がユダの元へ相談しに来た。盗んだのはボスの嫁の弟だった。
盗んだ時点で弟の命はない。たとえ嫁の弟だったとしても。ボスの直近に絶えず見張られて弟に会う事が出来ない。誰かに渡して戻し、逃がさす事くらい。
そこに、たまたまえっちゃんが来たという事だった。
[なんで、ユダさんが弟の為に?]
その答えは、弟はゲイ。弟の恋人がユダと懇意にしてる人。その恋人に頼まれたのだ。
ユダはそう答えた。
[なんで私に教えてくれたの?]
えっちゃんの問いには、
[君に興味があるからだ]
ユダの返事。別れ際に
[記憶が戻ったら全て教えてくれ]
とユダは言った。
後からキャサに聞いて分かったのだが、ユダはゲイの世界では有名な人みたいだった。ゲイの世界。少なくとも東京では独特のコミニケーションを形成している。
一般人はもちろん。ヤクザ、マフィアなどや地下社会から警察、政治家、芸能関係の表社会まで。ありとあらゆる世界にゲイはいる。
その違う世界の点と点を結んだ線がユダという。
それぞれの世界の大物、有名人のゲイは社会的立場から公にできない。でも誰もサガには逆らえない。昔に比べてゲイの認知は認められているがそれでも社会的立場は圧倒的に低い。
ユダはうまく立ち回りゲイの頂点に立ち、ますますそのカリスマ性を光らせている。
ヤクザと警察官のカップルもいる。敵対してるマフィア同士のカップルも。大企業の会長とその一般社員との恋愛もある。
愛が一番強いのだ。と。愛の本質を一番知ってるのがユダだと。その本質を利用してるのがユダだと。
情報は至るところから知る事が出来る。どんな世界でもゲイは居る。誰もが救いを求めてる。自分は人と違う。と独り悩み苦しんでいる。
そんな話を後からキャサはえっちゃんに教えてくれた。




