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キャサにお礼を言い、仕事場へ。いつもと同じ職場と仕事。変わらない。仕事中は仕事の事だけを考える。余計な雑念は沸かない。ある意味、無な時間。楽しさはないが悩みや嫌な事も考えずに済む。
気がつけばホテルの仕事が終わり、気がつけば皿洗いをしていて、気がつけばもう朝だ。
何を考えてた?と言われても、何も考えてない。と答えるしかない。仕事の事。風呂を洗う。ベットメイク。床掃除。そして皿洗い。大小様々な皿を洗剤で洗い水やお湯ですすぐ。ひたすら繰り返すだけ。
外に出て朝の空気を感じてようやく、あの男達の事やミヤビ達の事、コースケ、キャサの事が思い浮かぶ。
ゴミ収集車のおじいさん。
[えっちゃんの事探してるヤツがおったぞ。大丈夫か]
心の底から心配してくれてる。
[俺ん家教えようか。隠れてもいいよ]
金髪の若者が言ってくれる。
えっちゃんは嬉しかった。同じ人間なのにこうも違う。
[大丈夫です。ありがとうございます]
えっちゃんは心を込めて言った。本当にありがたかった。
アパートに着く前に既に嫌な予感と雰囲気は感じていた。アパートの反対側から
近づく。あの男達の車がアパート前に。
エンジンは消している。誰かが出てくるまで居るつもりなのだろう。
中には四人か五人。偵察ではない。車内は暑いと思う。暑さは苛立ちを誘い、苛立ちは怒りを。怒りのはけ口は。
えっちゃんは覚悟を決めた。姿を現わすと同時に車のドアが次々と開く。
向こうも敏感な神経を持ってるという事だ。
リーダーの男が、
[観念したか。中へ入ろうぜ]
と真面目な顔で言った。もて遊ぶつもりは無さそうだ。駆け引きは無し。私達の事はほとんど調べて分かってる。という事。
[まだ皆寝てるわ]
[俺達は起きてるぜ]
口を開くのはリーダーの男のだけ。他は無口。余計な表情も出さない。しっかりと統率が取れてる証拠。
[こっちへ]
とえっちゃんは返事を待たずにアパートの裏側へ引き返す。
[待てや。てめぇに指図される覚えはねぇぞ]
[どうせ部屋も知ってるんでしょ]
えっちゃんは答えながらも足を止めない。舌打ちが聞こえるも付いてくる足音。
えっちゃんは少しでも自分のペースにしたかった。
カモられる側は暴力で怖いから言いなりに。な面もあるが、カモる側からしてみればリスクなく速やかにお金を取りたい面がある。




