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やらなけらばならない事が一気に増えた。脳内整理が追いつかない。
コースケの顔は見られていないから、コースケは大丈夫。それでも問題は山積み。
間違いなく、えっちゃんの住処はバレる。ケイナやリンの事も全てバレる。
住処を奪われ、えっちゃんは売春させられる。下手したらケイナにケンやリンも。需要はあるのだ。
考えたくはないが、頭に浮かぶ。吐きたくなる。唾を飲み込む。嫌な感情が湧いてくる。
コースケが近づく。
[大丈夫?というかエクスコ。何してるんだよ]
唐突な話に頭がこんがらがる。
[エクスコって何よ。何してるかですって。見たら分かるでしょ]
考えなければならない事があり過ぎて気が荒くなる。
[ごめん。落ち着けって]
コースケのタメ口。物腰の柔らかな口調ではなく、親しい相手への言葉。違和感を感じる。えっちゃんは大きく深呼吸をした。
[私は誰なの?]
そう。きっと記憶のない時の私をコースケは知ってるのだ。
[信じられないだろうか君はこの世界の住民じゃないんだ]
コースケはえっちゃんの両肩を掴もうとした。が、えっちゃんは身を引く。コースケの手は空を掴む。
[信じられるわけないでしょ]
思考はあの男達をどうするか。家族同等の仲間をどうするか。
コースケが不意にえっちゃんの顔に向けて殴りかかった。えっちゃんは顔を斜め後ろに下げて交わす。
[何するのよ]
思考はコースケのみぞおちを殴る事になっていた。無意識のうちに。手が動く寸前思いとどまる。
[ほら、普通の人間なら避けられないし、すぐに相手を倒そうと考えないだろ]
コースケが言う。
[そんなの知らないわよ]
何故避ける事が出来たのか、殴る事を考えたのか分からない。思考はあの男達の事。なんとかしないと。
えっちゃんは自分の事はどうでも良かった。
[エクスコなら簡単に倒せるさ]
コースケが言う。
[倒しても復讐されたら?]
[殺せば復讐されない]
[どうやって殺すのよ。その後は?]
二人とも声が必要以上に大きくなる。話が噛み合ってるようで噛み合ってない。コースケがため息をついて言った。
[君はいつまであの子の面倒を見るのかい?五年?十年?無理なのはエクスコも分かってるだろう]
えっちゃんは黙る。その問題はずっと気付かないフリをしていた。せめて今日を。せめて明日を何事もなく暮らせればいい。と。
えっちゃんはうつむく。何も言い返せない。
コースケは空を見上げ、ため息をつく。
[分かった。とりあえずあの男達をなんとかしよう]
[どうやって?]
えっちゃんは俯いたまま言う。再び沈黙。
[俺なら皆を守れる。ガリも居る。絶対に傷つけさせない]
えっちゃんは顔をあげた。
[何が狙いなの?どうして跡をつけるの?いつから?]
コースケはえっちゃんの反応に面食らったが、信じてくれないのは当然だと思い直す。全てを話しても信じてくれないだろう。それでも知ってもらいたかった。
[君の名前はエクスコ。ここの世界に住む人ではないんだ。冒険…]
[もういい。信じられるわけないじゃない]
えっちゃんはコースケの言葉を遮る。
[助けてくれてありがとう。私がなんとかするわ]
えっちゃんはそう言って、コースケから離れた。




