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わずか数日後に夏の中の夏。と言い切れる暑い日になった。まっとうな子供達は夏休み。
えっちゃんが起きた時には部屋に誰もいなく全員が廊下に居た。
扇風機はえっちゃんに向けて静かに回ってる。皆の優しさだ。
安い扇風機を探してはいるのだがなかなか見つからなかった。普通の値段で買ってもいいのだがあの値段以下の扇風機は無く。何故か悔しくて買えないままだった。
もう値段は気にせずに買おうと決める。
コンクリートむき出しの廊下は部屋よりも少しは涼しい。コースケはあれから一度も見かていない。他の四人は会ってるらしい。
えっちゃんがいつも見るのはガリだけ。
ガリは暑苦しそうに目をつぶって廊下の隅で寝転んでいる。
四人はそれぞれ本を読んでいた。
[皆で扇風機買いに行こうか]
皆、喜ぶ。扇風機よりも退屈しなくて済む事に喜んでいる。
退屈な時間を過ごすのは疲れるのだ。
朝方パン屋さんから貰ったパンを食べる。最近貰うのは揚げパンやカレーパン。夏はクドいパンが売れ残る。が、ミヤビやケンを筆頭に誰もが喜ぶ。
子供には夏バテという言葉は無い。
ケイナが化粧台の前で髪の毛をポニーテールにしてるのだが気に入らないらしく、出るまでに時間がかかった。えっちゃんは肩までのパーカーを羽織る。帽子だと店内では意外と目立つ。でもこのパーカーは後ろにバイク乗りが着るようなドクロマークのある絵柄。えっちゃんはあまり好きではなかった。
ミヤビとケン、リンは普段の服装。男は当然オシャレは無縁。リンもほとんど気にしてない。
リンは外によく出るようになった。
なんだかんだと昼過ぎになる。
コースケに出会う。
扇風機を買うんだ。と嬉しそうに言ったケンの言葉に、一緒に付き合おうか。とコースケは言った。皆は賛成したが、えっちゃんは丁寧に断った。
少し不満げなケンに、コースケさんの都合があるし。仕事で疲れてるから無理させないで。と諭す。
コースケは何か言いたがってたが、えっちゃんは皆に、もう二時になるから。と遮り、話をさせなかった。
コースケが、そんな事ない。と言い出すのが丸分かりだった。
えっちゃんは、ケイナがまたなんか言うと思い、先にケイナを見つめる。
ケイナは言った。
[なによ。まだ何も言ってないし、何も言わないわよ]
[ちゃんとアンテナ張っといてね]
えっちゃんはケイナの言葉に答えずそう言った。
ケイナの思ってる事は分かってる。でも何故かコースケには敵意ではないけど、身構えてしまう。危険はないのだが、これ以上皆を楽しませて欲しくない。
誰かに頼るようになると、危機感が減る。コースケはいつまでも居ない。いつかは居なくなる。赤の他人。その時の皆の悲しい顔は見たくない。
なら私は?私はずっとこの子達と一緒にいるの?いつまで一緒に居られるの?
答えは出なかった。




