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カズからも連絡がないまま翌日。皆すでに起きていて心配してる顔。
[えっちゃんを生贄にしてるようで、なんと言っていいか…]
マトンさんは最後まで言えなかった。えっちゃんは、大丈夫です。と答える。
[警察に連絡しようよ。やっぱこんなのあり得ないよ]
カラクリさんが引き止めるのに首を振る。
[私が貴方達を見込んだから大丈夫]
目を赤くしたリョウさんは言った。眠れてないのと泣いたせいで。かなり苦しんだのだろう。それでも励ましの言葉だった。えっちゃんはゆっくり笑ってうなづいた。
ニルさんやユーナさんはコースケに大丈夫か?の心配の声をかけてる。
コースケもえっちゃんも、大丈夫。の言葉しか出てこない。
えっちゃん達が囲まれた時に警察に通報してみる?
カラクリさんの案。
コースケは無意味だと答える。
拘束されても長くて三年後には釈放される。そこからまた脅しと恐喝が始まる。
ニルさんがカバンを開けて見せる。使うなら。と。中は催涙スプレーやスタンガン、警棒などの防犯グッズが入ってた。
えっちゃんはありがとう。と言ったが受け取らなかった。
皆がえっちゃんに好きなご飯を聞く。珍しくえっちゃんが、はにかみながらもリクエストした。
[ハンバーグ]
ハンバーグを頼み皆で食べた。ハンバーグは美味しかったが、誰も何も言わず静かな食事だった。
コースケの電話が鳴りコースケは出る。が、すぐに切れる。
迎えが来たから行ってくる。
コースケは皆に言った。
コースケはネクタイをしてないスーツ姿。
えっちゃんはスパッツに八分丈のカーキ色のズボン。赤いパーカー。帽子。
二人とも普段と変わらない格好。
[じゃあ行ってきます]
えっちゃんはニコッと笑ってコースケと部屋から出た。




