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いつの間にか皆はコースケのペースに。いや、最初からずっとコースケのペースだったかもしれない。
リョウさんもコースケに従う。誰もがコースケに従わない理由が見つからない。
それぞれパソコンを開き、相場のチェックやえっちゃんの写真や動画をアップしていく。
皆が各々の仕事に没頭していくのが分かる。互いの連携も取れ始めた。
えっちゃんはコースケの袖を引っ張りその場を離れる。
[私ってなんなの?アケミさんもコースケが?ミヤビ達も?どこまでがコースケが仕組んだの?ユダはどう関係あるの?]
矢継ぎ早の質問。
[エクスコを探してる時にエクスカリバーコインを知った。そこから手かがりをと。でも見つけたのは偶然だった。たまたま電車で見つけたんだ]
[いつ?]
[いつだったかな?皆で電車に乗ってたよ]
水族館に行った時だ。えっちゃんは思った。気づかなかった。
[なら、アケミさんやミヤビ達と会わせたのは偶然ね。マーロンは?]
コースケは首を振った。俺じゃない。
[ユダは?]
[ユダは難しいな。ユダが情報屋なのは知ってた。エクスコ探しでたどり着いただけだ]
[私は誰に怒ればいい?今のところコースケだけど]
[それもまた難しいな。記憶を戻せないエクスコが悪いになっちまう]
[何で私なのよ?]
[記憶があればミヤビ達とは決して暮らさないからさ]
[どうやったら記憶が戻るの?]
[分からんから苦労してる]
[戻らないとどうなるの?]
[帰れなくなる]
[どこに?]
[これ以上は言えない。ただでさえ言い過ぎてるんだ。干渉し過ぎてるんだ]
[言わないとカズの所に行かない。って言ったら?]
[行くしかないんだ。でないとリョウ達が困る。見捨てる?無理だろ?]
えっちゃんはコースケを睨む。
[本来ならえっちゃんが仕切るはずだったんだ。俺はえっちゃんのサポートなんだよ]
怪訝な顔をするえっちゃんに、言い過ぎた。とコースケは言った。
[とにかく、カズから電話が来る。それに従って向こうに行き、全員を倒す。それでハッピーエンドさ]
[殺すの?]
えっちゃんは言い、自分の言った言葉に驚いた。殺すなんて出来るわけない。したくない。




