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リョウさんが黙る。他の皆は成り行きを見守るだけ。唇を噛んでたリョウさんは口を開いた。
[ヨースケとは元恋人だったの]
リョウさんは再び唇を噛む。
ヨースケ…エクスカリバーコイン運営の代表。
[それで?]
コースケは詰問する。だがリョウさんは唇を噛んだまま。
[自分が愛した人が成功しないと自分が間違ってた事になるからか?]
コースケは指摘する。リョウさんは自分の本物を見抜く目が偽りになる事が許せない。自分が認め、ましてや愛した人の失敗は自分の失敗でもある。と。だが、リョウさんは首を振って言った。
[あの人は本物よ]
[ならなんで?]
コースケの言葉にリョウさんはコースケを強く見つめて言った。
[分からないの?貴方を好きになったからよ。いつも私の何歩も何歩も先を行って。私よりもっと上の案を出して。私の事をなんでも知りたがって。でも貴方の事はなんにも話してくれなくて]
リョウさんはうずくまり最後は涙声に。
[エクスカリバーに拘ってるのは彼への罪滅ぼしよ]
リョウさんがコースケを好きになり、代表から去った。その罪悪感を拭うためにエクスカリバーコインに異様な肩入れをしていた。
今度はコースケが口を開かない番。開けなかった。リョウさんがすすり泣きながら口を開く。
[えっちゃんばかり気にして。でも私はコースケが必要だったし、コースケと居たかった。ずっとえっちゃんと一緒に居れば貴方とも居られると思って]
全てが、誰かの思惑と策略。駆け引き。主役は誰?ユダも絡んでるのか?結末は誰のゴール?
えっちゃんは頭をフル回転させる。
その誰かの描いたゴールの為にミヤビ達を危険に巻き込んだ。許せない。
コースケがえっちゃんの怒意に気付く。
[エクスコが怒るのは無理もない。皆を巻き添えにしてしまったんだからな。でも最後はミヤビ達もマトンさん達も全員幸せにする。約束する]
えっちゃんはコースケを睨む。
[全て終わったら話す。全てをだ。きっとエクスコも分かる。納得する]
[私がなんとかするわ]
[無理だ]
コースケが即答する。
[正解には記憶が戻らない限りエクスコには無理だ]
[どうやったら戻るの?]
[分かってるならとっくに戻してるさ]
コースケとえっちゃんの言い合いになる。




