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いろいろ

背中が冷たい?

作者: 檸檬 絵郎

黒井羊太さまの主催の万物擬人化企画「ヤオヨロズ企画」参加作品です。

「***」以降、人間ではないあるものが喋ります。




 どん。


 レンくんの手が、壁を突いた。大きくて、ゴツゴツとした手。レンくん、こんな手をしてたんだ……



「こっちを見て」


 そうだった、手なんか見てたってしょうがない。恥ずかしくたって、顔を見ないと。

 でも私は、いつもの自信なさげな、はにかんだような表情が好きなのに……目の前にあるのはきっと、いつになく真剣なレンくんの顔なんだろう……


「こっちを見て、カエデ」


 ああ、その静かな声。熱のこもった声。バリトンの声……

 私はようやく、彼の顔を見た。やっぱり恥ずかしい……。



 そこで私は、ちょっとだけひねくれてみた。


「ちょっと、どいてよ」

「え……」


「背中、冷たいんだから……」



 レンくんは、バツが悪そうにはにかんで壁ドンをやめると、私の背中に腕を回してくれた。







***



 さてと。

 あの人たち、もう行ったかしら……?



 まったくもう、なんなのよ、あの男。

 毎日毎日、思わせぶりなそぶりをして、本当はあの女が好きだったのね。

 いっつも私に寄り添ってくれていたのに、本当はあの女が好きだったのね。



 これ見よがしに、壁ドンだなんて……



 もう、なんなのよ。いっつも私に寄りかかって、スマホを見てたくせに。

 本当はあの女が好きだったのね、それがわかって私……





 思いっきり、冷たくしてやったわ。


 ……逆効果だったけど、フン。






ということで、壁さんでした〜




「なんなのよ、その軽〜い紹介、フン」

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― 新着の感想 ―
[一言] 壁ドン! 女子の憧れ、壁ドン。 でも壁嬢から見れば、「ダシに使われただけ」気分なのね。そりゃ、冷たくあしらってやりたくもなりましょう。恋のアシストだけじゃなく、次の恋は実るといいですね。 (…
[一言] 軽く5回は読み直したのに、謎かけが解けませんでした……。 皆様の感想を読んで、膝をぽん!と叩いた香月です。 すみません、鈍くて……ていうか、読解力なさ過ぎですよね(泣) でも、理解して読んだ…
[一言] ラストでニヤニヤしてしまいました。 壁ドンの壁も大変なのですね…
2017/12/05 20:20 退会済み
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