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死と走馬灯  作者: 園田 敬
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死後の体験

     ―――死―――

 それはすべての生き物がたどり着く場所。万物の霊長ですらそこに向かって歩んでいる。

 その歩みを止めることはできない。どんなに賢くても、どんなに強くても行き着く先はみんな同じだ。

 そして、誰にもその先を知るすべはない。


 ある冬の日。一人の青年は高層マンションの十四階から外を眺めていた。空はすがすがしいくらいに雲がなく、水色の絵の具を塗った絵のようだった。比べて町の景色はびっしりと家が敷き詰められ、パズルのように形作っている。冬という季節を実感させる風がびゅうっとふき、青年は部屋へともどった。

 人以外の生き物を見るといつも思う。彼らは死というものを考えたことがあるのかと。表面一面は緑と青に覆われてたこの地球で彼らは人間という哺乳類に支配されてきた。あるものは人間の食用とされ、あるものは人間の娯楽の道具とされ、またあるものは人間のためにただただ殺されきた。まぁ、人間の僕がいうことじゃないんだが...

 薄いセーターを羽織り、外出する準備をする。携帯、財布、この二つがあれば大抵は大丈夫だ。真黒なバッグを肩にかけてエレベーターに入る。地上フロアにつく間に携帯をおき、最近のニュースを見る。大企業のビルの完成、芸能人のゴシップ、政府の法律案の改善...どれも僕には興味をひかないものばかりだ。この大きな星を支配してる種族にしては陳腐なことばかりだ。こんな種族が地球を支配し、壊し、生き物の生死を左右させていると思うとどうも気がめいる。

 エレベーターを降り、フロントを抜け道路に出る。イヤホンを通し音楽を流し周りの音を遮断する。僕は手をポケットに入れ黙々と歩いていく。

 目的地はゲームセンター。友達に呼ばれ正直悩んだが、暇だから行くことにした。時間に間に合いそうになかったから少し駆け足で行く。

 現地に着くとすでに友達はいた。三人で固まってしゃべっている。内容は...わからない。世間話かな。

「お、瞬来たぞ」

一人が僕に気づきみんな振り向く。

「今日何人呼んだの?」

「俺合わせて四人」

「んじゃ俺が最後か。行こうぜ」

最後に来たのは僕だが、時間通りに来てるから問題ない。四人でエスカレーターに乗っていきゲームセンターを目指す。

「瞬はさ、彼女いるの?」

ぼーとしてると、玲奈れなが不意に質問してきた。

「いないよ。玲奈は?」

「あたしもいないんだよねぇ。誰か彼氏になってくれないかな」

僕は別にそこまで彼女が欲しいわけではない。

「お、じゃあ俺がなってやろうか?」

たけるが割り込んできた。それに対し玲奈がいや、いいよとばっさり言い放った。みんな冗談だとわかっているから落ち込まないだろう。

「あっはっは。猛、ふられたね」

梨花りんかが笑いながら言う。うっせと苦笑いをしながら、猛は返した。僕の友達は大体みんな男女仲がいい。そのせいか、こういう冗談も普通にある。

「ていうか、みんな今まで彼氏彼女いたことあんの?」

と笑いながら聞いてみる。大体答えの予想はついているが。

「いたら、こんなところにいないけどねえ」

玲奈がニヤニヤしながらいう。確かにそうか。

「じゃあ、好きな人は?」

と僕が質問をすると何人かピクリと反応した。玲奈と猛だ。二人とも言葉を濁していたがいるのだろう。

誰のことを好きなのかとかは正直僕にはわからない。自分で言うのもなんだがその辺に関しては疎いのだ。

「あたし、玲奈の好きな人知ってるよー」

「梨花..言ったら絶交ね」

「大丈夫大丈夫。言わないよ」

梨花はニヤニヤしながらこっちを見て言う。なんで僕に言うんだろう。彼女はどうやらそういうのは詳しい様だ。女子は恋愛模様に詳しいというイメージが僕の中にある。猛は知っているのだろうか。顔を見てみる。ニヤニヤしてる。うん。知ってる顔だな。バレバレじゃないか。

「あ、ついたよ」

玲奈が話を終わらせようとしている。が梨花がそれを許さない。

「玲奈は一途なんだよね!昔から」

「もういいじゃん。てか、いつから知ってたの!?」

「いつだろうね。相手は気づいてないらしいけど。」

 昔から..そう。僕たちは小学校のころから仲が良かった。小学校の頃はグループができてて、男女が普通に仲よく遊べた。中学校にもなると、思春期の時期だから、みんなからからかわれたりして少し敬遠した。高校になるとそういうのは特になく、また仲よく遊んでいる。別に他に友達がいないわけでもないが、男女で楽しく遊ぶ友達となるとこのメンツになってくる。

 ゲームセンターに着き、クレーンゲームのコーナーへ向かう。この手のゲームは得意ではない。下手すぎてクレーンに細工がしてあるのではないと思うほどだ。

「なんかいいのあるかな♪」

 機嫌よさげにいう女子たち。得意なのか。猛も僕と同じであまりクレーンゲームは得意ではない。

「なんかほしいのある?」

 玲奈にきかれ、あたりを見渡す。僕はぬいぐるみとかフィギュアとかあまり興味がないので、お菓子を選んだ。板の端っこに置かれ少しでも当たれば落ちそうだ。でも実際はそう簡単ではない。と思ってると一発でとっていた。はいと渡され、少し複雑な気持ちである。こういうのは男子がとって女子にプレゼントするのではないか?

「ありがとう。」

 とりあえず礼を言う。もう一方では梨花と猛がフィギュアをとっていた。というか梨花が取っていた。どうやったらそんな簡単に取れるんだ。テストで点数取る方が簡単な気がする。

「今度は男子が女子にプレゼントする番だな」

 と猛はいうが二人とも実力は残念である。でもまあ、やれるだけやってみよう。とりあえず玲奈に欲しい物を聞いた。タタッと走りぬいぐるみの商品の前で止まった。

「これ」

 最近話題になってるぬいぐるみらしい。かわいいのか、かっこいいのかよくわからないけど人気になっている。僕はお金を入れ、クレーンを操作する。今回は何回でとれるのだろうか。一回目は位置をずらす程度に狙ってクレーンを横に動かす。ピタッと止まりクレーンが下りていく。ガコッという音とともに商品が落ちていた。

「マジで?」

と自分でも驚いてる。

「瞬...一生分の運を使い果たしたね。」

 玲奈が驚きながらも言う。失礼な。でも否定はできない。僕はいつもそれほどひどいのだ。はい。とさっき渡された時と同じように玲奈にぬいぐるみを渡す。ありがとと僕でもわかるほどうれしそうに言う。後ろで梨花と猛が不敵な笑みを浮かべている。そんなにこのぬいぐるみは人気なのか...

「じゃあ瞬に続いて俺も一発でとるか!」

 そして、猛は四百円を消費してぬいぐるみをとった。二回目が惜しかったがぎりぎり落ちなかった。梨花は玲奈とは別のぬいぐるみをもらい、礼を言う。

 その後、メダルなどで遊び、ゲームセンターを出た。玲奈と梨花が服を買いたいらしいので、僕たちは二人についていった。たぶん男子の意見を聞くつもりなんだろうけど、僕はファッションセンスが皆無とみんな知っているはずだ。別にひどいわけではないけど、よくもない。それを知っての上で玲奈が色んな服をもってきて聞いてきた。

「俺より猛に聞いた方がいいと思うよ」

 自分で言ってて悲しくなるアドバイスをした。いいの、と玲奈は言っていたが、絶対よくない。

「どうなっても知らないよ。」

 と念を押しておく。

「うん。似合うと思ったら言ってね。」

 結局僕は玲奈が持ってきた中から一着選んでおいた。玲奈自身は似合うと思っているのかわからないが、僕が選んだ服を買っていた。梨花と猛の床に向かうとファッションショーをしている。店内で...

「あ、瞬と玲奈きた。ねえねえどれがいいかな?あ、瞬はいいや。」

と外されたので、僕はほかの服を見てきた。服は寒さを守ったりできればいいかなとパーカーをみながら思う。

結局この後、猛が腹が減ったといい、近場のファーストフード店によりみんなと談笑した。店内はクーラーがよくきいていて、ジャズの音楽が流れている。時間帯もあってか人もそこそこいて、僕等はなんとか席を確保した。

「俺らさ、いつまでこうやって仲よく遊べると思う?」

 不意に猛がしみじみとした声で言う。

「正直言って、高校までだろうな」

 僕は思ったことを言った。そう、おそらく大学になればみんな同じ大学というわけにもいかないだろう。

確かに大学になれば遊ぶ時間も増えるだろうけど、将来のために勉強する時期でもある。専門学校に行く人もいれば、塾や習い事に打ち込む人、サークルなどに多く時間を割くことになる。おそらく猛、いや、みんな薄々気づいているだろう。

「やっぱそうかあ」

「じゃあさ、高校卒業する前に何か記念に残ることやろうよ!」

「いいね。どっか行くのでもいいよね」

 梨花に続き、玲奈も同意した。僕もそうだね、と賛同しておいた。今までのことを少し振り返ると本当に仲よくやっていたなあとは思うし、これからもそうでありたいと願っている。そのこれからのことを思うとやはり、高校で別れた方が適切なのかもしれないと考えてしまう。

「え、やば。もうこんな時間!?」

「俺塾行かないと!」

 梨花が時間に気づくと猛がいった。玲奈は携帯で時間の確認をとっていて、僕も腕時計をみて時間の確認をした。みんな帰る支度をし、僕も氷が解けて水と混ざり合ったコーラを飲み干し、帰る支度をする。

「瞬、玲奈送ってあげなよ。最近暗くなるの早いし、女の子一人で帰るのは危ないからね」

 半ばにやついている梨花がわかれる直前に僕に告げ、走ってい帰っていった。暗い夜の道を男女二人っきりで帰るのが果たして安全と言えるのだろうか。文字にしたら相当やばいんだけど...

「そういえば、玲奈の家って場所変わってないの?なんか引っ越すって言ってなかったっけ?」

「ああ、あれなくなった。引っ越しってやっぱり手間かかるしさ」

 他愛もない会話をしているのだが、基本的に僕が話しかけて玲奈が答えるといった感じだ。玲奈がきまずそうにしてるせいで、なぜか僕も気まずくなる。そういえば、最近は二人で帰ることがなくなっていたな。

小学校の頃はよく帰っていたけど、中学以降に二人で帰るのは初めてだったかな。と昔のことを考えていると目の前の人影が急に動くのが目に入った。走っているようだが..何かに追われているのだろうか。暗くてよく見えなかったが、月光であるものに目に留まった。銀色にひかる鋭利な形をした、小型の...ナイフだ。これは確実に玲奈の方向に向けて走っている。玲奈は緊張しているのであろう、下を向いていて気づいていない。こういう時の対処の仕方はわからない!でも何かしなければ。

 僕は左手で玲奈をひっぱり、僕の後ろに寄せ右手でナイフの対処を試みた。が、やはり素人なのだろう、対処に失敗しナイフは僕の心臓近くに刺さった。通り魔はそのまま走り去っていき、玲奈はおそらく何が起きたのはわかっていないのだろう。当然だ、僕もわからない。でも、胸のあたりに異物が食い込んでいるのはわかるし、激痛が走ったのもわかる。ああ..これ...俺大丈夫かな...

 意識がもうろうとする中玲奈の叫び声と僕の胸から血が出る音が鮮明に聞こえ、僕は目を閉じた。


 人は死ぬとどうなるのだろうか。この疑問に対し僕はあらゆる答えを考えていた。世間一般の意見の天国や地獄、輪廻を転生していく、無になり意識もなくなる、異次元..いわゆるパラレルワールドに放り込まれる、幽霊になる...など、答えの見つからない疑問をただただ考え、想像していた。その想像がもしかしたら役に立つかもしれない、現実になるかもしれないと幻想をいだきながら。

 視界に光がさしこまれる。これは助かったのだろうなと安心しつつ、玲奈や周りのみんなの心境も気になった。ここは病院かなと起き上がる。

 しかし、病院でよく見かける機械、点滴、白いベッド、カーテンなどなく見慣れたものが周囲にはおかれていた。ここは僕の部屋だ。どういった意図で僕の部屋に連れてかれたのだろう。起きた時にパニックをさけるためだろうか。僕は再度ベッドに寝て、刺された場所を確認する。

 映画とかではよくあるのであろう、超能力、驚異的な回復力などを用いてみかける傷跡が一切残らないという演出。僕はその一種を会得したのだろうか、どういうわけか傷がない。ただ、そこまでパニックにはならなかった。おそらく映画や漫画などをみていて感覚がマヒしているのだろう。

 しかし、やはり納得いかない。誰かに説明をしてもらわないと二度寝ができない。ベッドから跳ね起き、部屋を出て人を探した。誰でもいい、この現状を説明できる人!

 家を駆け足で走り回っていたら、聞きなれた声が聞こえた。生まれた時からずっと一緒にいる、母親の声だ。

「瞬、どうしたの?こんな朝早くから。」

 朝早いといわれ無意識に時間を確認している。朝の六時か...って違う違う。

「どうしたも何もこれどういうこと?どうして病院じゃなくて、部屋にいたの?ていうか、傷もなくなって

るんだけど...」

「...寝ぼけて頭でも打ったのかしら。今から病院行って来れば?朝ごはん食べて、学校行く準備しなさい」

 何を言ってるんだ?小説とかでよく見るパラレルワールドに迷い込んだのか?話が一致していない。学校って刺された次の日にいくはずがないだろう。ていうか明日は日曜だろ。

 僕はカレンダーをみた。しかし、僕が思っていた数字と違う数字が書かれていた。五..月...?カレンダーを使っていないのか。急いで部屋に戻り、携帯で日付を確認した。携帯ならば電波を受け取り表示されているから間違いはないはず。

 携帯の表記、五月二十三日火曜日。僕はこれを見た後数十秒は固まって、いろんなことを考えていた。第一に考えられるのはドッキリのたぐいだ。カレンダーをめくり、携帯は設定すればおそらく変えられるだろ

うし、親もそれに乗っかっているということだ。にしても、刺された人間が目を覚ましてからやることじゃないだろうし、親がそれに乗っかるというのも考えにくい。

 第二に、これはもう妄想に近いことだが時間が逆行した状態、タイムスリップだ。いや、時間というより僕が過去に戻ったから、タイムトラベルかな。ファンタジーの世界でしかないことだからこの考えは自分でも半信半疑だった。それに考えたっておそらく答えは見つからない。とにかく現状を知るには動くことだ。

 僕はいつものバッグをもち、外に出た。とにかく何かしなければ...ドッキリのたぐいということを考慮して猛や玲奈や梨花への連絡は回避した。親しい友達ではおそらくだめだろう。もっと僕とかかわりのない人だ。いや、あるじゃないか一つ、これならおそらく嘘は書かれていないはずだ。僕は近くのコンビニに行き新聞を手に取った。ドッキリと言ってもやはり限度があり、たった一人の青年のために国全体が動くはずがない。

 しかし、そこにあったのは五月二十三日火曜日という表記で僕は一瞬動揺を隠せなかった。どういうことだ?やっぱり、タイムトラベルというやつなのか。動揺はほんの何秒かで、その後は自分で考察するほど冷静になっていた。とりあえず、公園とかにいこう。座ってかんがえたい。コンビニをでて、近くの公園まで重い足取りでむかった。

 公園には人一人いなかったのでベンチに腰を掛け頭を抱えて考える。今までの自分なら小説を読んでいて、タイムトラベルとか面白そうだなあ、とか思っていたけど実際にその状況下に置かれると違った。自分でいうのもなんだが、発想力豊かな僕にはこれはかなり堪える...

 まずこれは現実であって、漫画じゃない。結果は誰にも分らないし、ハッピーエンドとも限らない。謎の救世主キャラとかもでてこない。僕が生きてるのか死んでるのかすらわからないのだ。確認のしようもない。アフリカのサバンナの野原に一人、何も持たずに来たようなものだ。そういえば、今日は何年なんだ?

 重い腰を上げ、公園をあとにして再度コンビニにむかった。新聞を手に取り年月を確認する。二〇〇五年、僕が...中学二年のころだ。中学二年の五月だと、クラス替えがあり新学期が始まったころかな。なにかしらの行事があったのかもしれないけど、覚えていないな。さて、これからどうするか......。なにも案が浮かばない...。普段通り学校に行った方がいいのだろうか。親と会話したわけだし姿が見えるから幽霊ではないんだろうな。となると本当に意識だけタイムスリップしたのだろか。僕は二回目の人生を始められ

ることになるな。とりあえず学校に行くか。

 そう思い時間を確認したところ時計の針が八時を向いていた。学校は七時四十分から始まる。僕は走って家に戻り、親に何も言わずに荷物を持って家を出た。学校まで走っていったが間に合わなかった。

「あっ瞬きた」

「すみません。寝坊しました!」

 ちょうど出席を取っているところで僕は教室に着いた。先生が遅刻といいながら、出席簿に何かを書いていた。僕の席はどこだったかな。クラスを見渡し一つ誰も座っていない窓際の席を見つけ、そこに着席した。ふぅと取り乱した息を整え走りっぱなして疲れ切っている体を休める。

「珍しいな。瞬が遅刻って」

 目の前の奴が振り返って話しかけてきた。何人かの中学の奴の名前を覚えていない僕は内心かなり焦りを感じていた。

「目覚ましかけ忘れててさ」

 定番の遅刻台詞を言い、その場を乗り切った。まずはクラスの奴全員を思い出すのが先決だな。僕の学校では椅子の後ろ側に名前が書かれたシールが貼ってあるそれを見てけば大丈夫だろう。

 出席を取り終わり、朝の連絡事項を言い終えた先生が授業の準備に取り掛かった。その間、生徒は休憩時間をもらう。そのすきにクラスを歩き回りクラスメイトの名前を思い出していく。

「瞬、どうした?」

 不意に誰かに呼び止められる。猛が自分の席から声をかけてきた。高校生の猛と中学生の猛では髪型や身長など、主に外観の違いが目立つ。この期間でどれだけ猛が変わったのか実感した時だった。

 いや、別に...と流し授業の準備をした。この日は授業どころではなかった。僕にはまだ整理しきれていないのだろう。結局何も頭に入ってこないまま学校が終わった。僕は家に帰らずまた公園に直行した。ベンチにすわり今後について考える。

 僕はこれから四年間、前と同じく過ごしていくのだろうか。そもそもなぜこの日に飛ばされたんだ?別にこれといったことはない平凡な一日のはずだが...でもやっぱり何かしらの意図があるかもしれない。もしかしたら、僕が刺されたことと関係があり、それを回避する手立てになるかも。僕はこのまま過ごしていき、四年後のあの日にまた刺されるのだろうか。待てよ、そもそも明日は来るのか?寝て起きたら天国か地獄

にいるとかも......。うーん...。

 僕が長考していると、砂利が踏まれる音が聞こえた。この時間帯は子持ちの家族とかは来ないと思うが。

「瞬...なにしてんの?」

 昔から聞いている声をきいて、僕は少し安堵していた。

「玲奈こそ塾じゃないの?」

 中学の頃、玲奈は毎日のように塾に行っていたと高校になってから玲奈から聞いた。

「今日は塾が休みだから。家帰って勉強する気にもならないし、ちょっとぶらついてるだけ」

「そっか」

 玲奈はごく当たり前のように隣に座り携帯をいじっている。えっと、このころは確かあまり遊ばなくなってたんだっけ。それを思い出すとどうも気まずくなる。最近の話題とかも僕からしたら昔の話題であり、全然覚えていない。何が流行っていたんだっけな。

 僕の思考がショートしかけているところに玲奈が先に話しかけてきた。

「瞬、最近どう?」

「どう...とは?」

「ほら、勉強とか友達とか色々あるじゃん」

 あ~と納得している反面、内心は焦りまくっていた。今の僕に対して最近の話題ほど聞かれるとつらいものはない。

「ま、まあまあかな...」

 かなり適当な返事をして、玲奈も少しあきれていた。

「玲奈はどうなの?」

「ん~なんていうかさ、小学校のころほど面白くないんだよね」

 僕はその後、愚痴を聞かされていた。女子の表面上での付き合い、言葉にはしないものの内心ではみんな誰かをけなしていること、毎日塾に通っていて全然遊んでいないこと、それらは中学生特有の悩みでもある。僕も当時はそういうことを感じていたからわかる。

 玲奈が帰ったのは夕暮れになったころだった。二人でこんなに話したのは久しぶりだったな、と感慨深いものがあった。ん?待てよ?こんな出来事僕が中学の頃はなかったぞ。もしこれがタイムスリップなら、俗にいうバタフライ効果が生まれるわけだが、仮に未来が変わったとして僕が刺されなくなったとしたら僕はこうやってタイムトラベルしないはずだ。僕がまだこうしてタイムトラベル中ということは、刺される未来は変わっていないことになる。つまり僕がやるべきことは、あの事件の日までに何か前の人生と違うことを

やりタイムトラベルを終わらせればいいわけだな。バタフライ効果により些細なことでも大きな変化が訪れるはずだし、いろいろ試すべきなんだろう。

 やるべきことがわかりすっきりしたところで僕はいったん家に帰ることにした。時間帯的に夕食の時間だし、夜に出歩いたりして危険を冒すべきではないと考えた。

 家で夕食を食べ、宿題をやりベッドに入った。明日のプランを練っておかないと。いろいろ考えている内に僕な瞼はいつの間にか閉じて、眠りに入っていた。

 目覚ましの音が鳴り、僕は目が覚めた。さてと、とりあえず学校行くかと荷物を探したが、昨日置いた場所に荷物がなかった。親が動かしたのか?まあいいや、とりあえず遅刻しないうちに行こう。

 荷物を持ち、朝食を食べたらすぐ行けるようにリビングに持って行った。

「瞬寝ぼけてるの?今日は土曜だよ?」

「寝ぼけてるのは母さんでしょ。今日は水曜だよ」

 はあ?と半ばあきれ気味にいった母は携帯の画面を見せつけてきた。昨日は確か五月二十三日だったから今日は五月二十四日水曜...日...のはず......

 そこに表示されていたのは、二〇〇四年十月七日だった。僕は思わず、は!?と言って自分の携帯の画面を確認した。二〇〇四年十月七日......。どういうことだ?僕は別に刺されていないし、死ぬような要素は一個もなかったはずだ。なんで戻っているんだ。

 僕の頭はほとんどパンク寸前だった。かろうじて僕ができる最大限の考えにたどり着いたが、落ち着くことはできなかった。まず、僕のタイムトラベルは毎日行われるというわけだ。昨日の行動を振り返ったが平凡という文字があてはまるほどなにもなかった。つまり、何もしなくても僕は寝るとタイムトラベルするようだ。厳密には寝るとそうなるのかはわからない。日付が変わる瞬間かもしれないがとにかく今はわからない。そしてトラベルする日付だが、これに関してもわからない。昨日の様子を見るとこれといった重要な出

来事は起きていなかった。つまり、僕が飛ぶ日付はきまっているわけではなく、無関係でランダムになるはず。

 偉そうに考えをまとめているけど、これは考察の一つでしかない。タイムスリップ二日目だから、絶対そうなの?と言われるとどうしようもない。しかし、いったいこの現象は何なのだろう。何かやり残したことがあると潜在意識で思っているのだろうか。僕の人生において後悔はもちろんあるが、そこまで深刻には考えたことはなかったし...

 僕は自分の今の状況、そして今後のことを考えると不安になっていく。自分の過去を飛び回り続けるのだろうか。僕はあの日より先に進めないのだろうか。正直こんなに誰かに相談したいと思ったことはなかった

。そう、すごく心寂しい...。

 僕は一人落ち着くために家をでた。落ち着くなら家のほうがいいという人もいるだろうが僕はカフェとかのほうが落ち着ける。昔はいていた靴をまじまじと眺め足を入れる。すんなりとはいったので、おそらく体は昔に戻っているのだろう。じゃあタイムスリップであってるのか。意識だけの時間旅行。財布、携帯だけを持ち家を出た。僕の心を映し出しているかのように空は曇っている。黒色と白色がぐちゃぐちゃに混ざりあった色。あまりいい気分にならないので空を見るのをやめたが、今度は地面のコンクリートがめにはいっ

た。同じく黒と白が混ざり合ったあまりいい気分にはならない色。今日に限ってやけにこういう色が目に入る。

 僕は今日この時間何をしていたっけな。不意に携帯から音がした。メールが届いた音だ。

 ――今何してる?――

 猛から短文のメッセージが来た。これはつまり今日遊べるか聞いてるのだろう。僕は暇してると返事をして遊ぶ約束をすることにした。猛とはなして少し気分を晴らしたい。

 待ち合わせは十二時にファーストフード店にした。ちょうど昼時だったし、どちらも昼を食べていなかったからいっしょにたべることにした。

「お、おーい。こっちこっち」

 時間前に来たはずだが、相変わらず時間前のさらに前に来る猛だった。

「いや~久しぶりだな遊ぶの」

「そ、そうだっけ?」

「そうだよ!中学に上がってからはテストとかで全然遊べなかったから」

 そういえば僕は今中学一年生か。この時期は環境が変わるから大変だったなと感傷に浸っている僕がいた。猛はいつも通り元気にしゃべっていて、僕はそれに少なからず安心感を得る。

 昼食を食べ終えた僕らは、いつものゲームセンターに向かうことにした。ゲームで気を紛らわすにしてもこのゲームセンターにいると、どうしてもあの日を思い出して仕方ない。ゲームに集中できないまま、時間は過ぎていった。外は少し暗くなり、オレンジ色の夕日が顔を沈めているころだった。夕食も猛とラーメンを食べることになった。

「瞬、なんかあった?」

「え、なんもないよ」

 一瞬ドキッとして顔を上げて猛のほうを見た。猛はいつもより真剣な顔をして僕を見ている。こんなこと相談できるはずがない。仮に話したとしても猛が困るだけだ。僕の心情を察したように猛が言った。

「相談して必ず解決できるかって言われるとそれは難しいと思う。でもお前とは違う見方、考え方をしてる俺のアイデアは何かしらの力になるかもしれないし、言っても損はないと思うぞ。ま、相談するかしないか

はお前次第だから俺は強要はしないよ」

 猛は親友だ。昔から遊んでいるし、よく相談事にも乗ってくれる。でも...親友だからこそ...僕はお前に心配かけたくなかったんだ。猛が悩んでる姿を見ると僕もつらくなる。猛だけじゃない、玲奈も梨花も、みんなが親身になってくれればくれるほど、僕は...。

「そんな重いことじゃないし、テストのことで鬱になってただけだよ」

 猛は本来うるさいし、厚かましい奴だけど根はいいやつだ。僕が困ってる時に助けてくれる。比べて僕は友達が手を差し伸べてくれる時にすら嘘をついてごまかす。なんてひどいやつなんだと自己嫌悪に陥る。

 この後も通常通りに振る舞い、そして別れた。僕は...いったいどうすればいいんだ.........。


 次の日、というのはおかしいかな、実際には日付は一日進んでいるわけではない。今日は何年の何月だろうか。携帯を取り出し、日付を確認する。二〇〇七年八月八日。高校一年生の頃か。さすがに三日目となればなれてしまう。ある程度考察も固まるだろうと紙とペンを取り出したが、書き出すことをやめた。どうせまたタイムスリップするのなら紙に書くのも意味がないだろう。それにしてもタイムスリップは過去だけではないのか、とややわかりきったような口調でぼそっとつぶやく。

 僕は手にあった携帯を使い、猛に連絡を取ることに決めた。一つ確認しておきたいことがあるからだ。猛からの返信はOKの二文字で文末に絵文字がついていた。

 時間は昨日...もとい二〇〇四年十月七日よりもはやい時間にしたが、集合場所は同じファーストフード店にした。二人とも店内にはいり、バーガーのセットのトレーを持っていき席に着いた。

「ほんで?聞きたいことって何?」

 猛がポテトをつまみながら聞いてくる。僕は猛に聞きたいことがあると要件はそれだけ入れ、時間と待ち合わせ場所を伝えた。

「うん。あのさ、覚えてるかわからないんだけど、二〇〇四年の十月七日の日ってなにしてた?」

「二〇〇四年十月七日?ん~何してたっけなあ」

 やっぱり覚えてないかとすこし残念にしていたところで猛があっと声を上げた。

「そうだ!サッカーの大会の二回戦の日だった..気がする」

 気がするとは言ってるものの、おそらくそれであっているのだろう。そう、僕の確かめたいことは昨日の猛の記憶だ。もし昨日おこった通りならサッカーではなく僕と遊んでいたことを思い出すだろう。つまりは僕が過ごしたタイムスリップの日はみんなの記憶には残らず、別のいわゆる僕が刺される人生の時の記憶になっている。現に僕はいつだったか忘れたけど、あの日にサッカーの大会の二回戦があったことを猛からきいている。確か、負けたはず...

「いや~あれは悔しかったなあ。PKで負けちゃったんだよな」

 このことから僕の推測だが、みんなの記憶は僕がタイムスリップした日に起こったことではなく、僕の記憶が反映されていることになる。少し混乱するかもしれないが、僕の記憶と言っても今の僕の記憶ではなく、刺された時のタイムスリップする前の記憶である。このタイムスリップがもし僕の頭で構成されているのなら僕の脳の記憶はあの日のまま止まっている。あの日の脳のままこうやって過去を見ているのはおそらく走馬灯と言われるやつなのだろう。ただ、少し走馬灯とは違って実際に一日をやり直しているような感覚に

なる。死んだあとっていうのはこういうことが起きるのだろうという結論で終わらせることにした。もちろん考えればまだまだ考察できるが実際この考え方でも間違っていないはずだ。人は死ぬ前に走馬灯をみるというが死んだ後にはこのような体験をするのだろうな。これが何の意味を持つのかはわからない。これは僕の推測なので僕が死んだということを証明できない。

 でも、考察で結論づけることしかできないのだからそれで納得するしかない。そうか、僕は死んだのか。このタイムスリップがいつまで続くかわからないが僕はおそらくもう高校二年生のあの日以降の猛や玲奈、梨花には会えないのだろう。会えないからこそこのような体験をして彼らにお別れをするのかな、となんとも言えない喪失感を覚えた。

「どうした?なんかすごい深刻な顔してたけど...」

「いやいや、深刻な顔してるけど考えてたのはゲームのことだよ」

 僕はその場をごまかし今後の時間を楽しむことにした。僕に残された時間はわからない。だからこそ、与えられた時間を楽しむことによう。

「なあ、玲奈と梨花も呼んでどっか遊びに行こうぜ」

「お、いいね。あいつらと遊ぶの久しぶりだな」

 僕の急で何の計画性のない提案に猛は迷いもなく乗ってくれた。刑務所とかで死刑が執行される前に、なにかやり残したことがないかと聞かれる場面をよくみるが、限られた条件で短時間でやり残したことなんか見つかるはずがない。

 猛が二人にメールを送ると二人ともすぐ返信をしてきた。遊ぶことが決まった僕たちは海に行くことにした。海と言ってもビーチなど砂浜がある場所ではなく、住んでる市の端っこにある海岸のことだ。僕たちは目の前にある残ったポテトと飲み物を食べ終え、すぐさま海岸へと直行した。

 実際僕はそんなやり残したことなどない。テレビの再放送や、家にあるお菓子の残りとか小さいことを言えばきりがないが、さほど重要なことではないのでやり残したことのうちには入らないだろう。僕はみんなと気兼ねなくしゃべって面白い話を聞き、冗談を言い合い、からかいあいをして友達とダのしく過ごしたかった。これが僕のやり残したこと、もといやりたいことでもある。

 自転車のサドルを思いっきりこいで海岸を目指した。海岸に着くと、二人はもうついていた。二人に案内してもらってみんなで固まって自転車を駐輪した。

 海は見渡す限り一面に広がっており、地平線を作っていた。昼間とかにみると青く澄み渡った色をしている水が夕日の光に反射されて、オレンジ色に輝いている。空は暗くなり、まるでスポットタイトにあてられたかのように夕日が僕たちを照らす。

 防波堤の上を海岸沿いに沿って歩いて行く。他愛のない会話、昔からの付き合いだから言える冗談、あいも変わらず恋愛話をしてその至福の時を十分に楽しんだ。僕はふと考える。物事には終わりがあるから一時を楽しめるんだ。人の性質である慣れと飽きを殺す、物事の終わり......。それを経て、飽きてしまった

時間を楽しかった一時に変えるようにこの世の中はできているのだろう。僕もその一つだ。僕というものに終わりが来たのだろう。みんなとのひと時を至高の時に変えるために.........。


 夕日が完全に沈みきり、空が真っ黒になったころ、僕たちはお別れをした。例のごとく僕は梨花と猛によって玲奈を送ることになった。あの日を連想させるが今日は大丈夫だろう。玲奈はどうも緊張してるようだ

。僕は別に恐れさせることもしてないはずなんだけど。どう接すればいいのか悩んでいたところで玲奈が口を開いた。

「あ、あのさ!瞬は今好きな人いる?」

 あの日に聞いた質問を聞いたとき、正直背筋が凍った。これは...大丈夫かな。だんまり決め込むのもよくないと思いとりあえず返事をしておいた。

「いないよ。玲奈は?」

「実はいるんだけど、その..」

 いることは知っていた、誰かは知らないがそんなに僕に知られたくないのか、と考えているとさすがの僕もピーンと来た。たぶん、玲奈の好きな人は...猛だな。人の好きな人をわかった僕はかなりニヤニヤしていただろう。玲奈もそれに気づいたようだ。

 玲奈は立ち止まり顔を赤らめてから僕に向かっていった。

「あ...えっと、前から好きでした!付き合ってください。」

 たぶん、というか実際に僕は一分近く固まっていただろう。一分後に発した言葉は、え、の一言だった。ちょっと待ってくれ、玲奈の好きな人は猛ってさっきわかったはずなんだけど、違うのか。この辺まで考えると今までの玲奈、梨花、猛の不可解な行動のすべてに合点がいった。ああ、さっきまで勝ち誇ったようにニヤニヤしていた自分を殴りたい。

僕は我に返り、現状を見つめなおした。はい、よろしくお願いします、と堅苦しい返事を返したとたんに玲奈の顔に笑顔がもどった。玲奈もこの返事には可笑しく感じたらしい。この後、僕の鈍感さを注意されていた。猛や梨花ですらわかっていた、と何度も言われ、しかもそのことに僕が気づいてないことをからかわれていたそうだ。説教されつつも玲奈は楽しそうにいっていた。僕も怒られるととらえるより、面白いととらえていた。そういえば、あの日も猛と梨花しってたのか。それでもからかってきたと理解したが、今はどんなことでも楽しく感じてしまう。僕と玲奈はそのまま談笑をしながら家に帰った。

 このタイムスリップは僕の脳によって構成されている。つまり、潜在意識では僕は玲奈が僕のことを好きだと気づいていたんだろうな。それでも、偏見などによる決めつけで僕のはずがないと意識下で思っていたんだろう。玲奈が家に入る直前まで見送っておく。あの日のようにはならないために。

 玲奈が最後に言った、また明日ね、という言葉が僕の胸に刺さった。玲奈にとって今日以降は楽しい日になると思っているのだろうが、僕はこの日が次のタイムスリップした日に反映されないことを知っている。僕は今さっきまで一緒にいた玲奈に対する罪悪感と、何もできない自分に対する嫌悪感で自分の胸はいっぱいになった。

 家に帰り、ご飯も食べずにベッドに寝っ転がる。これでいいのかな。僕は満足できたし、玲奈も今日という一日は幸せなものになっただろう。その日がなくなるとわかって悲しい思いをさせることもない。僕にできる最高の..最大の選択をしたはずだ。今日はいろんなことがあったから疲れた。普段の僕ならここで寝るのだが、いまの僕は今日を失いたくない。できる限り長く続けていたい。

 望んでいることとは反対にそれが不可能であることも理解している。今日ほど失いたくない日を感じたのは初めてだ...

 僕は知らず知らずのうちに涙を流していた。涙を流し、鼻水をたらし嗚咽する声がもれていた。感情をセーブすることもなく自分をさらけ出していた。そして僕は深い眠りに落ちていた。


 この暗闇において僕の意識ははっきりとある。明晰夢というものがあるがそれではないことは直感でわかってしまった。僕にはもう次の日はこない。タイムスリップもしない。おそらく僕自身がどんな状態か把握してしまったから、タイムスリップが終わったのだろう。僕はどうなるんだろうか。

 なんか眠くなってきたな。もう意識も薄くなってきた...考えるのがめんどくさいな......もう...いいや..................。


                                  to be continued

死んだ後についてみなさんも一度は考えたことがあると思います。一般的に言われている天国や地獄、輪廻の話などからそれた別の体験を書いてみました。死んだ後のことは誰にもわからない。ので僕の妄想をみなさんにお伝えしたいと思い書きました。この話は2部作で完結予定です。

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