日焼け対策
夏のある日のこと。
暑い夏の日、窓の外では蝉が鳴いている。
私はクーラーの効いた部屋でアイスをかじっていた。
「あっつ〜地球温暖化やば〜い」
その時、スマホに通知が来た。
ゆっくりとスマホに手を伸ばし、確認した少女は慌てて飛び起きた。
「い…いと君?!」
男女共に好かれているクラスメート。少女が気になっていた男子だった。
「明日の夏祭り一緒に行かない?って…それって、それってつまり…!」
少女は了解の返信を済ませると身悶えしながらスマホを胸に抱きしめた。
その時、少女は浮かれた気持ちから一転し日焼け止めを切らしていたことを思い出した。
面倒だし、ベタつくから好きではないのだが少女の肌は日焼けに弱く、最悪水ぶくれのようになる可能性もあるのだ。
「買いに行かなきゃならないじゃん…」
暑い日差しを住宅街の陰で遮りながら歩く。
熱気は少女の体と気力を溶かすようだった。
しかし、少女はこんな事では止まらない。
全ては、いと君との夏祭りのためである。
店内に着くと、ひんやりとした冷房が火照った体を涼しくしてくれた。
日用品コーナーを眺める。
そこに日焼け止めはあった。
「種類メッチャあるよな…」
少女は、そのうちの1つを手に取った。
水色のパッケージで、いかにもひんやりしそう。ライムのさっぱりした香りがするらしい。
「…これにしようかな。」
少女はスーパーでそれを買うと、早速腕に塗ってみた。
夏にピッタリな淡い水色。
少女の嫌いなベタつき感はなく、むしろ肌にスッとなじんでいく。
後から爽やかなライムの香りがした。
(これ結構いいかも)
少女は家に向かって歩き出した。
すると、凄いことに全身が焼けるように暑かった外の日差しや熱気が気にならない。
まるで自分の周りだけ涼しい風が吹き抜けていくような爽快感だった。
大量に噴き出ていた汗も嘘のようだ。
「これ凄い!これなら…夏祭りもきっと…!」
次の日、待ちに待った夏祭りで少女は日焼け止めをつけていった。
暑さを全く気にせず、メイクが汗で崩れる心配もない。
いと君との楽しい時間を過ごし、少女の気分は幸せでいっぱいだった。
バーンッという音が夜の闇をきり裂く。
大きく光り輝く花が空中に咲き誇った。
少女は、ドキドキと心臓を高鳴らせながら花火を見上げる。
少女の手を、いと君は優しく握った。
少女は家に帰ると、真っ先に部屋へと戻った。
「いと君と手繋いじゃった〜!」
足をバタバタさせて喜ぶ少女はメイクを落とすことも忘れ、眠ってしまった。
「あ…ヤバッ」
朝になると、少女はボサボサの髪で目を覚ました。
汗やメイク、昨日塗った日焼け止めが混じりベタベタとする。
「お風呂に入ってスッキリしよ…」
少女は風呂場へと向かい、冷たいシャワーを出した。
シャワーを浴びると、ベタつきがみるみる無くなっていく。
(気持ちいい…)
ふと、その時流れる水の色が変なことに気づいた。
少し水色が混じったような濁った色。
シャワーがおかしくなったのかと思ったが、肌に触れた時に濁っているらしい。
(もしかしてメイク?)
少女は自分の顔を見ようと鏡を見る。
時間が止まったように感じた。
少女の頬にぽっかりと穴が空いていた。
血は出ていない。
それなのにドーナツのようにぽっかりと穴が空き奥の壁が見えている。
「な、何?!どういう…」
今度は額や腕が液体となって流れ落ちる。
足の感覚が無くなり、バランスを崩した少女は倒れた。
痛みすら感じない。
「嫌っ…!これ…!嫌…!」
残った片腕で少女は風呂場の扉に手を伸ばした。
助けて、誰か、誰でもいいから助け
風呂場の中からは、シャワーの音だけが聞こえた。
日焼け止めと同じ水色の液体が
シャワーの水と共に流れて消えた。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
日焼け止めという日常の中にホラーがあったらこんな感じかなと思いながら作成しましたφ(..)
もし気に入ってくださったら、他の作品も読んでくださると嬉しいです!(●´ω`●)




