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二つのR ~ 守護霊にResistanceとReactionを与えられた  作者: サクラ近衛将監
第三章 大学生活

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3ー14 起業準備

 それから半年余り、学位論文も完成して担当教授には提出しているので、後は学内での審査待ちだな。

 俺としては、別に博士課程に行くつもりは無いよ。


 担当教授からは大学院への進学を勧められたけれど、俺にも将来構想が有る。

 今のところ学者になる気はないな。


 それよりも起業して町の研究家でいたいんだ。

 学者は、自由なようでいて、実は制限が多いんだ。


 ある意味でノルマが課された営業マンの様で、定期的に成果を上げなければ地位を保てないし、予算が削られるようだ。

 それよりは自由気ままな方が良い。


 あと半年足らずでK大学も卒業見込みだけれど、就活もせずに、今はどこで起業するかを検討しているところだよ。

 先ずは、起業するなら事業用地が必要だよね。


 近隣であちらこちらを探したけれど、都市部はかなり高いんだよね。

 俺の預金はかなり溜まっているけれど、それでも数億円規模だから例えばF市やK市内の工業団地辺りは高すぎて手が出ない感じ。


 仕方がないので、少し大都市圏から離れた場所で広めの土地を探してみたよ。

 工場の建屋だけで、500平米以上の敷地は必要かなと思っているんで、それに見合う土地で駅等が近くて交通に便利なところを探した。


 見つけたのはK市の隣になるA市内のN駅から徒歩10分圏内の土地だった。

 1600平米超の土地だから、敷地的にはちょっと狭いような気もするが、俺が考えている二階建ての事業所には十分に余裕があるな。


 N駅はJRの新快速や快速も止まるし、F駅からだと快速電車でわずかに20分程度の距離なんだ。

 K市内中心部の駅からだと25分以程度かな。


 但し、便利な土地だけに単価は高い。

 1平米当たり12万円を超すから、2億円程になる。


 俺のため込んだ預金がかなり減ることになるな。

 上物も見積もりではほぼ1億8千万円を超すことになりそうで、俺の預金でも間に合いそうではあるんだけれど、以後の運転資金も考えると銀行に借金をすることになるだろうね。


 尤も、俺の特許関連の年収が現状では1億5千万円を優に超えているから、銀行の融資もさほど面倒は無いと踏んでいる。

 上物を発注する段階で、土地を担保に銀行への融資を頼もうと思っているよ。


 当初はそんなにたくさんの従業員を雇わなくても済むと思っている。

 守衛、事務員、プログラマー、システムエンジニア&設計部門等を入れても、当初は8名前後でスタートするつもりでいる。


 守衛や事務員については、A市内等で募集しても差し支えないだろうけれど、ハードウェア部門の職員は広域での公募主体かな。

 正直なところ、単なる募集では田舎の中小都市にある新興企業では人が集まりにくいだろうから、(じか)当たりのヘッドハンティングを考えているところだよ。


 事業が軌道に乗れば、高額の給料だって支給できるだろうと踏んでいる。

 起業の準備のために、この10月からは国内外のハードウェア機器メーカーに対して試験製品としてのMPU及び関連の周辺部品を提供して、テストを行ってもらっている。


 勿論、大学でも可能なテストは行っているけれど、餅は餅屋で、実際の使用感、利便性、耐久性、将来性などを判断するのは、当該MPUを利用する可能性のあるメーカーだ。

 商売敵のMPUメーカーにはそれなりの情報が漏れることにもなるだろうけれど、これと似たものを開発するのは当面難しいだろうと思っている。


 また、それに先立って、相応の特許も申請しているよ。

 但し、特許に関しての審査が終わるのは一年ぐらい先じゃないのかな?


 仮に特許の審査が終わっていなくても、起業そのものは進めるつもりだよ。

 特許が無くても製品は作れるからね。


 特許については、一旦先鞭(せんべん)さえつけておけば、僕以外から類似の特許申請が出されても受理はされないはずだ。

 勿論、ハードウェア機器メーカーに支給したものは、大学のゼミ研究室で試作製造したMPUだから、性能は未だ良くないんだが、それでも従来品を駆逐するほどの製品と言うことはすぐにわかるはずだ。


 一応、OSについては、俺の作った導入プログラムをインストールすれば、これまでのPCと同様のOSも走るけれど、かなり性能は落ちるよね。

 それでも従来の2倍半の速度で動作する筈だから、テストを依頼したハードウェア機器メーカーからはすぐに相応の打診が来たよ。


 今のところは公式にはお茶を濁しているけれど、大学の研究室にまでわざわざ来てくれた人には、内々で俺が卒業後に起業する旨を伝えている。

 用地買収の方は、俺のひいきにしている弁護士さんを通じてすんなりと契約完了、登記まで済んでいる。


 取り敢えずは俺の名義で登記し、会社設立後に土地及び建造物の所有者を会社に変更することになる。

 社屋の設計も済んでおり、A市内の大手建設会社に発注済みだよ。


 単純に言えば事務所と工場なんだけれど、精密機器を扱う工場だし、ハードウェア機器メーカーの常として工場内環境の清浄性を保つ必要が有るので、ちょっと特殊な構造と設備機器を要することになるので高く付くんだ。

 MPU製造機器については、工場が出来上がってから俺が設置することになるから、内部には今のところ製造機器は何もないよ。


 従業員を雇うのは製造機器を設置し終えてからかな。

 因みにセキュリティは二重・三重の出入り口や最新の人物確認装置を導入しているから、事務室や応接室への入室ならばともかく、工場の枢要部に入るのは厳重なチェックを通過しなければならないようにしているよ。


 市販品とは別に、俺が追加した機器も取り付けてあるから、多分、原発施設よりもセキュリティは高い筈だと自負している。

 そんなこんなで、事業所の建設が始まってからは、大学の講義が無い時は、しばしば車でA市内に通っているよ。


 俺のマンションからだと交通状況にもよるけれど自動車で50分ほどはかかるね。


 むしろ電車に乗った方が時間的には早いぐらいだ。

 車で行く際には、偶にアズも連れて行って、A市でデートもしているんだぜ。


 アズには俺の事業計画は全部話してある。

 そうしてアズにも株主として参画してもらうように算段している。


 アズの出資額は当座百万円ほどかな。

 アズが金に不自由するようなら無利子で貸し付けるつもりでいる。


 同様に、俺の親族等にも出資を依頼する予定だ。

 一口十万円程度として、従兄弟(いとこ)(従姉妹)などにも声をかけ、金欠病の者には俺が無利子無担保で貸し付けるつもりでもいるんだ。


 無論絶対に損はさせないつもりだよ。

 多分、創立して二年以内には株の価値が上がるし、配当金が増えることになる。


 俺の出資分は、敷地と上屋だけでもおよそ4億円近くが出ていくからね。

 失敗したら大損だけれど、大丈夫。


 きっと成功させてみる。

 因みにアズへのプロポーズは、起業してから1年目にする予定で、アズにも予告しているよ。


 アズのOKを貰ったら、小林家への正式な挨拶もしなければならないな。

 そうして、俺の住居だけれど、K市内の俺が住んでいるマンションからは事業所予定地がちょっと遠すぎるんだよね。


 アズに貸しているマンションからなら車で30分以内になり、こっちの方が便利なんで、そこに住むのが一番良さそうだな。

 但し、通勤は車になるな。


 アズがこのまま仕事を続けるなら、アズのマンションが望ましいしね。

 だから、結婚したならアズに貸しているマンションに二人で住むことになりそうだけれど、将来的には、場合により新居を別のところへ求めるのもありかもね。


 結婚するまではN駅近くの賃貸マンションに取り敢えず住む予定だ。


 ◇◇◇◇


 2040年3月下旬、大学の卒業式と言うか学位授与式が行われた。

 これで晴れてK大学卒業生になれたわけだ。


 事業所の方も上屋はほぼできあがっており、設備関係の点検等最終調整に入っている。

 これが終わって4月初旬に建物を引き渡されてからいよいよ俺の仕事が始まるんだ。


 俺は、ヘンダーソン島でこれまで開発した製造機器等を工場に移転するとともに、関連の機器を据え付けねばならない。

 ついでに言うと、事務用の設備や機器の据え付けは納入業者が行うことになるけれど、秘密を守るために枢要部分の設備や機器は全て俺が行うことになる。


 既に必要と思われる機材は購入して貸倉庫に保管してあるから、そこから移動するだけなのでさほど面倒は無い。

 それでも、設置後の調整まで入れると結構な時間がかかったね。


 6月下旬には、一応の生産体制が整ったんだけれど、これから人材確保だよね。

 ハローワークにも依頼を出し、新しい事務所の応接室で面接を始めたよ。


 この時期は、既に就活が終わっている人が多いだろうから、より良い人材は望めないかもしれないが、残りモノにも福が有ると信じて面接を続けているよ。

 守衛さんは二名のみ、朝8時から17時までの勤務で二交代制を取ってもらう。


 夜の警備は警備会社にお任せだな。

 強盗さんが来ても、滅多なことでは工場の枢要部には入れないだろうね。


 RC構造の二階建てであり、所謂事務室と応接室を除くと一般の来客は出入りができない場所にある。

 しかも鉄筋及びコンクリートの材質を俺の能力で変化させているから、多分、大型のブルドーザーでも破壊できない構造になっている。


 この工場を売却するときには元に戻すけれど、僕が経営者である限りはこのハードコアになった枢要部に不審人物は侵入させないつもりだ。

 会社内部で使うPCの類は、外部との接続を断っているので、情報が漏れることは無い筈だ。


 因みに、職員の服装や持ち物は、非接触型探査機によりゲート通過時に毎日点検され、記憶媒体等は持ち込めないし、持ち出せないようになっているんだ。

 職員には、IDカードと構内PHSを支給する予定だが、ゲートでは顔認識ソフトも併用して別の人物が成りすましても入ることはできないようになっている。


 そんな話はともかく、守衛さんは60台の男性二人を雇用した。

 いずれもA市近辺に住む元サラリーマンで65歳で退職した人物であり、健康面でも問題が無い人物だ。


 彼らには事業所に来る人物等の応対と選別が主たる業務だけれど、場合により警備員の真似事もしなければならないので、市内にある合気道道場に通ってもらっているよ。

 事務員の方は、高卒や大卒のお嬢さん方と面接し、そのうち一名を採用した。


 就活に失敗し、一年ほど派遣会社に所属していた経歴がある23歳のN市在住の女性である。

 もう一人、俺の父方の叔父(父の弟)の長女が俺の一つ下で、O市内にある短大の経営学部卒なんだが、就活に失敗して、やはりF市内の派遣会社に一年勤めていた。


 秦山(はたやま)芽衣(めい)と言う子だが、元々まじめで気立てのよい子なんけれど、どちらかと言うと消極的な性格が災いしたのか、F市内の金融系の会社に就活し、面接段階で軒並み落とされたようだ。

 で、芽衣についてはウチの経理担当が適任と俺が判断し、直当たりして来てもらうことにしたんだ。


 但し、二人の女性は、うちの会社が2040年10月開業予定なので、それまでは現在の仕事で頑張ってもらうことにしている。

 因みに守衛のオジさん達も10月からの勤務になる。


 営業担当?

 そんなものは当座は居ないよ。


 社長の俺自ら営業をする予定だ。

 問題はプログラム作成ができる人材と、電子工学部卒業若しくは卒業見込みの人材だな。


 こいつばかりは、黄さんとそのお友達の協力を願って探してもらったよ。

 今の時代は、IT関連会社やハードウェア関連企業が隆盛だから優秀な人材はあまり残ってはいないんだが・・・。


 中にはネクラな奴が居て、出遅れている者もいるはずなんだ。

 K大学在学中にそんな変な先輩オタクが居ると聞いたこともあるんだ。



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