いざ、第2の人生を
「天童冬夜さん、あなたは死にました。」
開口一番目の前にいる女性からそんなことを言われた。
「あの、どういうことですか?」
「あなたは、轢かれそうになっている少女を庇ったので死んだのです」
そう言われて、思い出した。信号無視した車から轢かれそうになっている女の子を助けようとしたのだ。
「なるほど、ところでその助けた女の子は無事ですか?」
「はい、あなたのおかげで軽傷ですみました。」
それなら良かった。
「あなたは自分のことよりも他人のことを心配できる素敵な心を持っていらっしゃいますね」と、目の前の女性に微笑みながら言われた。
「はい、昔から親に人に優しくするように言われたので。それよりもあなたは誰ですか、俺の名前も知ってるみたいですが?」
「これは失礼しました。私は天界の管理者のプレーナと申します。あなた達のところでいう、神という存在と同じ認識で大丈夫です。」
道理で名前や考えていることが分かるはずだ。
「ところで俺はなんでここに呼ばれたんですか?」
「それは、私の管理する世界にあなたに来て欲しいと思ったからです。」
「なるほど、それって行かなかった場合に何か罰があったりするんですか?」
「いえ、そのようなものはありません。その場合、ここに記憶を消してもう一度赤ちゃんから地球で暮らすだけです。」
なるほど、その時はそうなるのか。
「じゃあ、行った場合って何か優遇されたりするんですか?」
「はい、その場合は記憶を保持したままで私からいくつかの特典をつけて来て貰うことになります。」
「話を聞く限り、行った方がよさそうですけど、その世界ってどのようになってますか?凄く厳しい環境とかだったら断りますけど。」
「いえ、そのようなことはありません。冬夜さんに分かりやすく説明すると、あなたの好きなライトノベルにある剣と魔法の世界という所でしょうか。もう少し説明すると、時代で行ったら中世ヨーロッパくらいですかね。」
それを聞いた瞬間、俺はどちらにするかを決めた。
「はい、あなたの世界に行かせてください!」
俺は昔から異世界とかで過ごすのに憧れていたのだ。そのチャンスを逃す訳にはいかない。
「あら、喜んでいただいてるようで何よりです。では、行く前にいくつか決めておくことがあるのでそれを決めましょう。」
おっと、憧れの世界行けるので少し興奮してしまった。
「では、冬夜さんが何をしたいか教えて貰ってもいいでしょうか?それに伴ってつけるスキルとかも変わってくるので。」
そう言われて、俺は自分がずっとしたいと思っていた事を答えた。
「俺は、自分で農業や鍛治といったものづくりをしたいです!」
「なるほど、ではものづくりに必要そうなスキル全般とそれに必要な身体能力と戦闘系スキルもつけておきますね。」
「はい、ありがとうございます!」
それから、10分位が経って、
「あなたの新しい身体とスキルの付与が終わりました。年齢は今と同じ17歳にしておきました。」と、言われた。
良かった、また赤ちゃんからやり直しは少し恥ずかしいからありがたい。
「とりあえず、周りに人のいないところに送りますね。」
「はい、いきなり人のところに現れると驚かれると思うのでありがたいです。」
「最後に、冬夜さんには自分の好きなように生きて貰って大丈夫です。新しい世界を楽しんでください。」
そう言われて、新しい世界に俺は旅立った。