表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生幼女アイリスと虹の女神  作者: 紺野たくみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/363

第2章 その36 黒竜(アーテル・ドラコー)の部屋

      36


 お師匠さまに抱っこされて、一息ついて。

 だけど緊張感はとれない。

 さっき、とうていスルーできないことを聞いた。

「あなたは精霊さま!?」


「もちろんだとも」

 満面の笑みで、胸を張って。

「こんなにも美しいわたしが、ただの人間なわけはないだろう」


 この瞬間、納得したわ。


 たとえ夢にも見たことのない、どんなに神々しく麗しい存在であっても、確かに、この精霊さまは、カルナックさまのお師匠さまに違いないって。


 あたしを腕に抱いて、ため息をつく、お師匠さま。

「この子が初めて出会う精霊があなただとは大いに残念ですよ、グラウケー」


 ちょっぴり皮肉?

 けれど精霊さまは、にやりと笑っただけ。

「この子は孫弟子というわけだな。よろしく、わたしは第一世代の精霊グラウケー。世界の大いなる意志に最も近しい存在である。ヒトは好まぬが中には美しい魂もあると知っている。歓迎しよう、孫弟子」


「ありがとうございます、お師匠さまのお師匠さま。アイリスです」


「ねぇ、仲間に入れてよ! ここはボクの巣だって忘れてないかな?」

 不満を訴えたのは、黒髪の、メイド服の少女だった。

「歓迎するよ、新しいお客様は久しぶりだ。ボクは、アーテル」


 鏡の中だと言われた部屋を眺めやる。


 散らかったワンルーム? という印象は変わらない。


「まあまあ、くつろいで。せっかく、ボクの『巣』へ来てくれたんだ。ボクって面倒くさがりだから。ずっと鏡の中に巣ごもりしてたんだよね」


 テーブルとソファの応接セット。

 大人の背丈ほどもありそうな……地球儀!?

 おまけに月球儀、それに、もうひとつ。


 ずいぶん海の面積が広い。でも、よく見れば大陸の形は、アメリカ大陸とヨーロッパをくっつけたような感じ。

 これって何なのかな?


 床に散乱してるのは、一番多いのは、おもちゃ。

 積み木や、チェス、まさかと思うけど、将棋盤!?

 動物ぬいぐるみ、カードゲーム、それに本……羊皮紙に手描きされた写本に、大判の絵本もあるわ。

 印刷された文庫本みたいなのまである。


 不思議なのは、テーブルに、どう見てもパソコンのモニターがあるってこと。


 洋服は、作られた時代も国もバラバラで、子供服もあれば男性向けも女性向けも揃っていて魔法使いのローブもあれば商人、戦士、剣士、貴族向けみたいなもの、そうかと思えば、まるで地球の……たとえば21世紀の日本、パリ、ミラノ、ニューヨークで人気があったブランドのもの。


 おかげで、今はアイリスを守るために表層に出ている意識、イリス・マクギリスが大興奮しちゃってるの。


「すごいすごい! なにこれ見本市!?」

 思わず叫んだイリス・マクギリス。


「なんか、わかんなあい。人間のものって、面白いから。いろいろ集めて、とっておいたのさ。ここでは、時間の経過はないようなものだしね」

 くすくすと笑う、黒髪の少女。


 あら?


 女の子じゃ、ない。

 それどころか、人間ではなくて。

 ドラゴンだった。

 さっきセラニス・アレム・ダルを背中に乗せていたルシファーはドラゴンとしては、小さかったんだなって思う。

 二階建ての家くらいの大きさで、ファンタジーRPGに登場したような姿で、全身は真っ黒。光を吸い込んでしまうみたいな、つやのない黒い鱗にびっしり覆われている。


「ありゃ」

 くすすっと。

「ボクの『本性』を見ちゃったね、きみ。アリス・月宮」

 笑ったのだろう。黒い竜が身震いして、鱗が、波打つようにさざめいた。


「この『コーディネート』気に入ってるんだよ?」

 もう一度、ぶるっと身震い。

 すると、黒いメイド服をまとった、十二歳くらいの少女になった。

 ……さっきより少し成長してるわ……


「初めまして、ボクはこの『巣』の主、黒竜アーテル・ドラコーだ。うふふふふふ! 知ってるかもしれないけど、カルナックに『黒曜の杖』を与えたのは、ボクなんだよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ