表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生幼女アイリスと虹の女神  作者: 紺野たくみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/363

第2章 その33 お師匠様がラスボス!?

         33


「失敗したな、セラニス・アレム・ダル。この、おれを起こすとは、バカなのか」


 その声を聞いた瞬間、あたしの意識の中で、歓声をあげたひとがいた。


「キャー! キタキタキターーーーーーー! お師匠ってばラスボス感はんぱないですぅ! ステキっ!」

「えっ!? いまの、あたしの声?」

「ごめんねアリスちゃん。ちょっと交代して! 面白そう……じゃなくて、すごく危険だから」


「マクギリス。非常事態だから君が表層に出るのを許可する。ただし、おとなしくしていること。きみはこの子たちの盾なのだから」

 渋る様子で、お師匠さまが言う。


「盾ですか!? うう、でも、いいですよ。間近でお師匠様の活躍を見られるんですもの! アリスちゃん、待っててね。今のお師匠はヤバいわよ。いろんな意味で」

 イリス・マクギリスは、楽しそうだ。


「どういうこと!?」

 あたし、月宮アリスはイリス・マクギリスさんに問いかけた。


「あなたも知ってるはずよ。レベルリセットされた、このひとは、正確にいえば、まだ『カルナックお師匠様』じゃない。誰よりも『闇』に近い存在。誰よりも、強いのよ」


「わかってますけど! でも、お師匠さまは、お師匠さまです! どんなときだって」



 やれやれ、と、お師匠様は肩をすくめ、苦笑いをした。


「やっぱり、きみたちは面白い」


 そして、小さな灰色のドラゴンに乗って降りてくる彼……セラニス・アレム・ダルに、向き直る。

 セラニスは、驚きを隠せないまま。

 まだ子供なのかしら?


「なんだよ! オマエは、なんだっていうんだ! レベルはリセットしたはずなのに! その魔力、力、ありえない数値だ!」


 するとお師匠様は。

 にやりと笑って、仁王立ち。


「確かにリセットしたよ。だが残念ながら、レベルなし、転生したばかりの魂が、おれは一番強いんだ。むしろこの世界で暮らして、弱くなったのさ。おまえは知らなかったようだが」


「そんなバカな!」


「あらためて名乗らせてもらおう。おれは『先祖還り』だ。これはこの世界セレナンに転生する直前の、前世の魂の姿。そうだな……五百年前の『別の』セラニスは、こう呼んだ」


 ものすごく悪そうな笑みですよ。

 ラスボス感、まじハンパない!


「このおれを……『闇の魔女カオリ』とね」


「お師匠! かっこいい!」


 イリス・マクギリスさんって、お師匠さまの大ファンなのよね。

 あたし、月宮アリスも、アイリス・リデル・ティス・ラゼルも、そうなんだけれど。


「やっぱり、並河香織さんだったんですね」

 あたし、月宮アリスは言った。


 やっと、はっきり思い出したわ!

 いつか見た夢かと思ってた。


 十五歳で車にひかれて死ぬ、という世界と、わずかな違いで分岐していた、月宮アリスが生存していた世界で出会った。

 高校の生徒会書記なのに生徒会長よりもラスボスみたいな迫力のあった、並河香織さんだ!


 ストーカーから助けてくれたの。

 生存している可能性は……香織さんに会ったかどうか、だったんだわ……きっと。


 長い黒髪に黒い目、けれど、その瞳はときおり、ブルームーンストーンのような青い光を浮かべていた。

 ……スーパーモデルかと思うような、すっごい美少女だったのです。


 一人称は、おれ、だったけれどね。


 縁って、不思議ね。

 転生してもまた、出会うなんて。

(あれ? そういえば、エステリオ・アウル叔父さまも? 前世で縁のあった人だわ……)


           ※


「……はぁ!? 闇の魔女?」

 きょとんとする、赤い髪の少年。

「なんだい、それ」


 いまにも「それっておいしいの?」って言いそう。


 すると。

 あたしをかばって側にいてくださってるお師匠様は、しばし考え込んで、ふっと、笑った。


「おや。五百年前に『魔の月』セラニス・アレム・ダルと戦い、退けた、このおれを知らないとは。おまえは『別のプログラム』だろう。しかも、本体とは数百年もの長い間、同期していないな。こんな深淵に、投げ落とされて、忘れられたのか。哀れな」


「うるさい!」

 少年は癇癪を起こしたように叫んだ。


「捨てられてない! このルシファーだって、五百年くらい前に、もらったんだから!」

 灰色のドラゴンを撫でる。


「それはよかったな」

 お師匠様も、どうしたのか、優しげに、微笑んだ。


「やあ、ルシファー。オリジナルには翼はなかったが。まあ、その姿も、悪くはない」

「お師匠様、知ってるの?」

「あいつは遺伝子操作されてるクローンだろう。オリジナルを知っていたんだ。田舎の友人が飼ってる騎龍でね」


 友達が飼ってる犬のポチが、みたいな気軽な感じで口にした。



「くえええ!」

 ルシファーは、抗議するように鳴いて、とがった口を開いた。



「危ない!」

「え?」


 お師匠さまが、あたしを抱いて横に飛んでよけた。

 その瞬間。




 ルシファーは口から、盛大な炎を吐いた。



 火炎放射器かっ!?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ