これこれで、面白いかもな
「プロローグ1」
「 何故だ・・?」
俺は落下している最中、それに頭が支配されていた。
わからない、なぜ、俺は突き落とされたのか、なぜ、あいつらは笑っているのか。
・・・ 一体、どこで間違えたのか
反感を買わないようにはしてきた。
クラスメートの思考パターンだって理解してた。
意味が分からない。
もう一度考察する必要があるな。
「・・・こんな時でも、おれはこんなか。」
自嘲げにわらった。
俺は死んだ。
しかし、ドン、という音は何時までたっても聞こえなかった。
「っっっっ・・・・!!!!」
言葉にならない痛みが全身を貫いた。落下の痛みなどではないことが瞬時に分かった。この痛みには覚えがある。電気だろう。
「おきたか」
おっさんのような、機械のような声が聞こえてきた。
いてぇなくそじじい!!・・とは言わない。
状況が分からない現状でそれができるのは、よほどの自信がある馬鹿か、考えなしのあほだけだ。
「ええおはようございます」
と、必死に笑顔を作る。そして同時に、あたりを見回す。真っ白い狭いなにもない部屋に、俺はいるようだ。ここに72時間いれば、確実に発狂するだろう。
・・ん、何もない?
そう、声の主すらいないのだ。
・・・ふむ、状況を確認しよう。
気づいたらここにいた。何らかの方法で電気を流された。そして、声の主はいない。
・・・・・間違いなく誘拐だな。
しかし、気がかりな点もある。
俺の家はそれほど裕福ではないのだ。わざわざねらうだろうか?
ならば、金目的ではないと考えるのが自然か・・・?よし、かまをかけよう。
「貴君に命令す・・」
「誘拐犯さん、ちょっといいですか?」
「・・・なんだ?」
「俺よりも金になる相手を知ってるんですよ。協力するのでそいつをさらいませんか?」
「・・・・・・」
考えている・・・金目的か・・?
「あとでリストを作りますね。作戦立案にはかかわらせてください。報酬は1割を・・」
「まて、なにか勘違いしているぞ」
金目的ではない・・・と。
「では、なにをするために俺をさらったんですか?」
「そこが違うのだ。我は貴君をさらったりなどしていない」
いや、それはないだろう。あんたが俺を誘拐したのは確実だ。
「じゃあ、なんで俺はここにいるんですか?」
「それは、貴君が死亡しているからだ。」
・・・・・は?
「覚えていないのか。貴君は窓から突き飛ばされ、死亡している。」
覚えていないわけではない。しかし、学校の3階からだ。いくらなんでも死なないだろう。
「冗談やめてくださいよ。」
「冗談ではない」
「・・・・百歩譲って、そうだとしましょう。なら、あなたは何なんですか?」
「神に決まっておろう」
さも当然かのように言った。
「・・・・」
「なんだ、信用できないのか?」
「私は無神論者です。神など、物理的にも、生物学的にもありえません」
数秒の沈黙が訪れた。
「・・・・・」
「・・・・・どうしました?」
「もう、よい」
仕方ない、と自称神は付け足した。
「・・なにがです?」
「魔王を倒せ」
「はい?」
やばい、なんだか嫌な予感がする。
「では、頑張り給え」
プツっと、視界が途切れた。
真っ黒になり、真っ白になり。
それが何度か繰り返された。
「うっ・・」
目がちかちかするのをこらえ、周りを見渡した。
見渡す限りの平原。
「ふむ」
俺の声には、困惑が混じっていたと思う。
平原自体には、特に、なにもなかった。一般的な、ただの平原だ。THE平原だ。
困惑したのはそのうえ。
青ければならないものが、そうではなかった。
変わってはいけないものが変わっていた。
空が、緑だったのだ。
「・・・・・・」
竜ケ崎竜也は、それを見つめ、苦笑し、微笑し、爆笑した。
「これもこれで、楽しそうだな」
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