日番
「気をつけ、礼」
「「さようなら」」
帰りのSHRが終わった私はリュックを背負い三階にある生徒会室に行くため階段に登ろうとした
「凜華掃除サボるな」
「今日掃除あるんだっけ?」
私のクラスは週交代で4つの掃除場所を回している
教官室、トイレ、教室、理科第1講義室の順番だ
今日は月曜日。先週は掃除がなかったから忘れてただけなのに
「千夏掃除どこ?」
「奏芽掃除表見てきて」
「教官室だったよ」
教官室…
体育教師の職員室みたいな場所だ
私は何故か体育教師にからかわれる
それになかなか終わらない
去年、1年生だった時も6組が教官室掃除だったのに今年も6組だなんて…
「なんで今年も私の学年なの」
「凜華好かれてるんじゃない?」
そう言って千夏は爆笑し始めた
「やめてよ絶対に嫌だからね」
「いいじゃん
先生と仲いいんだろ?」
「あれは違うって」
みんなすごいからかってくる
違うのに
「ほら、3人とも早く行こうよ
って優羽は?」
「ごめんごめん行こう
先生に怒られちゃう」
私たちはダッシュで教官室まで走った
体育館の横にある教官室は教室から結構遠い
「ほら、お前ら遅いぞ」
やっぱり怒られた
「違うんですよ先生」
私がすぐ先生に突っかかるのがいけないんだろけど
「何が違うんだ皆野」
「優羽が…」
「困ってるよ
皆野のせいだろ」
そう言って先生は笑い始めた
「ほら、早く掃除しろよ
帰らせないから」
「笑えない冗談やめてくださいよ
帰りますよ?今すぐ」
「掃除早く終わらせたら帰らせてあげる」
先生はすぐ私をからかってくる
いや、それを楽しんでる自分をいる
いい先生なんだよ
「ふぅ、やっと終わった」
結局掃除終わったのは16時すぎ
いつもより10分も長引いた
「お疲れ様
いやー皆野と同じ掃除とか可哀想だな」
「そんな事ないです!ねぇ、千夏」
「う、うん。楽しませてもらってます」
平和かよ
そう思いながら教官室をあとにした
「帰りたーい」
「うちも
あ、今日も部活か」
千夏はバスケ部に所属している
私は帰宅部だ
「千夏はすごいよね
足も速いし完璧じゃん」
「まだまだだよ」
そう言って苦笑いした
私の学校の女バスは強くないのだ
「バスケやりたい」
「凜華はほんとにバスケ好きだよね」
「うん、楽しいもん」
去年の3学期にバスケを体育でやってから虜になってしまった
「まだかなバスケ」
「水泳やりながらバスケじゃん」
男子のバスケ見るのがすごい好き
やるのも勿論好きだけど
すごいカッコいいんだよ男子達
そう思った時私の携帯のバイブがなった
ブーブー
「あ、電話
もしもし」
「あ、凜華?今どこ?」
「何処って…」
体育館前を歩いてるって言おうとした瞬間思い出した
「あ、今日もしかして」
「そのもしかしてです
本部会!早く戻ってらっしゃい」
「ごめん千夏。柚奈に、呼び出されたから先に帰るね」
そう早口に行ってダッシュで生徒会室まで行った
「ハァハァ」
めっちゃ息切れてる私を見て優羽はめっちゃ笑った
「アホだよな
先生と楽しそうに話してるから」
「それは関係ないし
優羽が教えてくれなかったから」
息切れながら話してるからまだはっきり話せてないけど
「じゃあみんな揃ったところで本部会を始めます」
会長の言葉を気にみんなレジメを見始めた
本部会というのは週に一回、先週の活動報告をする場所だ
なにか決め事とかあった時も本部会で決める
特にない時は開かれないんだけどね
「もうすぐで文化祭です」
あと4ヶ月もあるじゃん
そう心の中でつっこんだ
「あと4ヶ月もあるじゃんって思ってる人もいると思うのですが」
まさか、心の中読まれてる!?
「今年の主催は生徒会メンバーです
4ヶ月はあっという間に終わります
最高の文化祭になるように力を入れて」
なんか長いな
会長、そんなに語らなくても
欠伸が出そうなのを抑えてレジメを口元まであげ、いかにも集中してるオーラを出した
本当は眠いオーラ全開だと思うけど
「眠かったんでしょー?」
本部会終わった途端柚奈に言われた
バレバレだったらしい
「まぁ、ね
今日は折角のOFFだったのに…」
「いや、日番だよ」
あ、…
私は月曜日が日番だったの思いっきり忘れていた
「とっくに帰ってたかも」
「やっぱりアホですね凜華ちゃん」
突然優羽が入ってきた
「優羽は関係ないしアホじゃないし」
優羽が下の名前でちゃん付けする時は馬鹿にしてる時
そう学んだんだから
「相変わらず貴方達仲がいいね」
柚奈はいつもからかってくる
この3人で日番なんだけど
「「そんなことないから」」
声がハモるだけ仲がいいのかもしれないね
楽しいから日番が楽しみなのは秘密