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謎解かない爆裂魔法 作者:フェアリースキン
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第三話 受け継がれる復讐

 たどり着いたのは『大都市』の工業地帯で、細くて高いビルが立ち並ぶ、少々煙臭い地域である。
 一つのビルの窓を突き破って侵入、雑に雷太とクーラを吹っ飛ばして着地した。
「いてて、もっと優しく着地できなかったのかよ。って」
 シンセラティの体の周りからは漏れてる電気がビシビシ音を立て、苦しそうにある一方向だけを睨む。
 クーラが心配して近づこうとするも、雷太の指示で感電するかもしれないと思い止めた。
「ようこそ『我が工房へ』誠君と、お友達かな? 自分はドクター・グレーと申します」
「そうだがよ、何で誠を知ってるんだ」
 怪しいドクターのような恰好、モノクルをした男性は若干の機械音声混じりで、両手の平を天に向け肘を曲げる。
「そりゃ、誠君を改造した張本人ですからね。ただ『真実を伝えたら』未完成のまま逃げ出しましたよ」
「真実? どんな真実なんだ」
 途端に小型の機械をいじりだしながら、真実とやらを語り出す。
「誠君の母の兄弟が宇宙飛行士だったのは『知ってますか?』」
 雷太は黙って頷く。クーラは胸元に拳を置きながら、心配した表情でグレーを見つめた。
「あの、大気圏外でロケットがボロボロに崩れて、全員死亡したのも知ってそうですね。では、結論から『言いましょう』犯人は自分です」
 真実を聞いた瞬間雷太は拳を握りしめ、ただ歯を食いしばる。
 クーラはどこからともなく剣を出し、グレーに突き出す。
「『いいでしょう』武術は得意ですから」
 剣を前に突出しリーチを維持しながら前進、しかしギリギリで避けられ拳で握った手を弾き、剣を飛ばす。容赦なく頬すれすれで左ストレートを出す。
 そこで静止。数秒してクーラは膝を地につく。
「……分かりましたか? 君達に『力』などない!」
 右の拳を逆さに向け、力強く言い放つ。同時に、シンセラティの体内から出ていた電気は止まり、目の光を失っていた。
「帰ろう、クーラ」
 俯いたまま雷太が言うと、二人とぼとぼ、シンセラティのなきがらを担いでグレーの工房を出た。




 引き続いて工業地帯の海辺で、空と海は黄昏と暗闇が入り混じっている。
 今でもグレーの事を引きずってる雷太とクーラ、ただ砂浜の上から向こうに視線を飛ばす。
「私達、一生グレーに復讐できないで終わるのかしら」
「そうだな。せめて生きる事が誠への報い、そう思おう」
 そうやって絶望に伏せていると、背後からこあが雷太達に声をかける。
「こんばんは。お兄さんと、クーラ ミタマさん」
 隣にはもう一人、赤毛の20歳ほど女性が、得意げな表情でティーカップから紅茶を優雅に飲む。
「ああ、隣の人はですね」
「うちは猩々緋風音しょうじょうひかざね。謎解かない少女、と呼ばれてる人だよ」
 雷太が背中を曲げたまま再び海の方へ姿勢を戻す。
「殺し屋と謎解かない少女、二人して何の用だ。俺達はもう何もするつもりもない。やるならさっさとやってくれ」
 こあは雷太の前にぐるりと回り、両手を両肩に置く。
「お兄さん!」
「なんだよ、今更いい子ぶったって俺はお前が嫌いだ。そのつもりがないならお前を銃殺して俺も死ぬ」
「力、欲しいですか?」
「いらねぇよ」
 ただ沈黙が海に不法投棄されまくる。
 紅茶を飲み終えた風音は、地図を雷太に差し出した。
「これはうちのとこの家宝なの。何を手に入れるか分からないけど、行ってみる価値はあると思うよ!」
「一応受け取っておく」
 要件を済ませた二人組は、いつの間にか姿を消していた。
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