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~2014年 1月11日~

 ~2014年 1月11日~


「はぁ、はぁ、はぁ」

 今朝から未羽の調子がよくない。

 浅い呼吸を繰り返しながら、不規則な脈拍を打っている。熱もあるようで、前髪が汗ではりついてしまうほどかいていた。

「未羽、俺の声が聞こえるか?」

「はぁ、はぁ」

 雨宮の問いかけにも返事がない。苦しそうに悶えながら、時折胸を掴むような仕草をする。体温と血圧を測り、抗生剤と解熱剤の準備をする。未羽の針金のように細い血管に点滴を打つと、ぽたぽたとゆっくり滴下する。

 三十分ほどしたところで、ようやく解熱剤が効いてきたのか、未羽の熱も下がりだした。表情もいくぶん穏やかなものになり、つかれきったように静かな寝息を立てている。

「……未羽」

 雨宮は未羽の手をとると、優しく握った。

 もう少し。

 あと、もう少しだけ。

 ほんのちょっとでいい。このまま未羽との時間を終わらせないでくれ。

 雨宮は祈るように目を閉じた。



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