金魚と血
解答は本文の下に書いてあります。満足しない人もいると思いますが、これで勘弁してくださればと思っています。
解答を見ずに推理してみたい方は、感想として投稿してください。お待ちしております。
その事件はとある大学の生物準備室で起きた。
教授は撲殺。頭からは出血しているが、その他に外傷は見当たらない。そばの金魚鉢には真っ赤な大きい金魚が泳いでいた。また、周囲にホルマリン漬けの瓶やからの水槽、植木鉢などが置いてあるが、その全てに殺害された教授の血は付着していなかった。
この部屋には監視カメラはついておらず、目撃者もいない。化学の教授がお茶をしに水筒を持っていったと供述していたが、その大型の水筒など教授の持ち物を全てチェックしたが、全く血が付いていなかった。どういう事だろうか。
悩む探偵がふと金魚を見た。金魚はまるで嗤っているかのようだった。
解答編(本文を読んでいない方は、先にそちらを読んでください)
化学の教授が犯人。教授は撲殺のため、鈍器を使ったとしか考えられない。また、金魚が最後に意味ありげに嗤っていたため、金魚が犯行に関わっていることが推定される。
金魚は生きているので、唯一考えられるのは金魚を一時的に固める事。勿論、金魚はその後蘇生しなくてはならない。よって、そこから考えられるのは液体窒素である。
液体窒素で金魚を凍らせて、隠し持っていた紐か何かに結び付けて勢いよく教授の頭に叩きつけたのだろう。瞬間的に冷却した生物は、水につけると蘇生する。犯行後に金魚を急いで金魚鉢に戻し、蘇生させたのだろう。警察もまさか金魚に血が付いていたとは思わない。
液体窒素を持ち込まなければ犯行を行うことができないが、恐らくは化学の教授が持って行った水筒の中に、あらかじめ入れておいたのだろう。
また、金魚を凍らせた時、凶器として十分な硬さがあったとする。