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もしかして無職

「…どこだここ」


辺り一面、見渡す限りの草。


「いや、そんなに草に詳しくないから俺」


こんなに草だけが生えてる光景は秋に田舎のばあちゃんちに行ったとき稲の畑を見たっきりな気がする。

その時と違うのは、1種類の草でなく様々な草花が咲いていることだが。


「…夢?」


草花の大半は膝下までの高さしかないが、中には背の高い草花もいて遠くに見たことのない山が見えている。


「…痛いな」


よくある一つとしてほほをつねる。鈍く痛みが残ることを確認すると夢じゃないのかと思いつく。


「…ベンチに座って、寝ている間に運ばれたのか?」


何かないかとあたりを見渡しても何もなく、自分がスーツ姿なのでやはり先ほどから続いているのだと思い当たる。

もしもこれが、異世界だとしたら。


「…あんまりにも雑すぎるだろ」


と、一人呟いた。



-----------------------------------------------------------------



その後、自分の持っている荷物がないか確認するも何もない。

時間を調べたい、そう思って腕を確認すると腕時計が巻かれていた。


「…?この腕時計は嫁にプレゼントで渡したやつだな?なんで俺がつけてるんだ?」


時間は15:30を指していた、先ほど屋上に上がる前は確か14時過ぎだったから、1時間程度茫然としていたのか、それともここにくるまでに1時間かかったのか。

考えてもわからないので考えるのを辞めた。


「もし異世界なら神様が出てくるとかないの。幼女神様が出てきて手違いですとか、功徳ポイントがたまってたので、とか。…ないか」


そんなことは一切なさそうな草原。

もう草原っていうのも飽きるくらい草原。


「…ほかになにか、ステータスカードとか。ん?」


またしても、なぜか持っていなかったはずの物を手に持っている。

いわゆるタブレットと呼ばれる、○○パッドみたいな奴を俺は手に持っていた。


「なんだ?」


これも確か家にある奴と同じだ、モニターの電源を入れる。

そこには [Different World]と大きく表示されたものが現れる。


「なんだこりゃ?…データ?」


そこに記載されていたのはDexやAgiなど、どこかのゲームで見たようなデータだった。

名前欄には何も入っていないようで、入力してほしそうに名前欄が点滅している。


「…ふむ、これがステータスカードみたいなもんか?」


名前には本名以外も入力できるようだ、一度本名を入れたがすべて消去し、スプーキーと入力した。

どんなゲームをするときにもこの名前を入れていたので、もしここが異世界なら本名入れる必要はないなと、思ったのだ。

入力方法はスマホとかと同じようだ、問題なく入力できた。


「えーと、俺の名前はスプーキー、と。続きはなんだ」


名前の下には能力値が続き、


Dex29

Agi30

Str28

Vit32

Int35

Men26


HP32

MP26


「Dexは器用、Agiは素早さ、Strは筋力、Vitは体力、Intは知力、Men…?メンタル?精神力か?HPMPはきっとそのまんまだな。これって多いのかすくねえのかわかんねーな。」


Menというのはあまりみない表記だがMPと連動していることからしてそうだろうと、スプーキーは画面にあったOKボタンを押す。


次に表記されたのはおそらく職業だ。


「戦士、軽戦士、格闘家、射撃士、魔術師、方術士か。なんか少なくないか。盗賊とか、レンジャーとかないのか。んでポイントは300ポイント?」


ポイントには300ポイントと表記されており、各能力を上げるのにポイントを消費するようだった。


「まあ、ここら辺はわかりやすいか。」


その辺りの石に座り画面を見直す。


「戦士と軽戦士の違いは、軽戦士のほうがポイントが少なくていい代わりに攻撃力とHPが低いのか。とりあえず戦士だな、戦士。戦士にポイントを…最大で300か…。」


少し考えた後、100ポイント戦士に割り振る。

戦士のLvは10と表記されている。


「最大で300ってことは、Lv30が上限か?だから説明書くらいくれよ。雑すぎるわ。ンで次は魔法か…、うお。魔術師に割り振るのと各種属性にも割り振るポイントが必要なのか。魔術師系重いな!方術士は回復系か…、ってこっちも解毒とかに割り振るのか」


少し考えて割り振りを終えて、OKボタンを押した。


HP149

MP139


「…これで魔法使えるのか?呪文とかいらないのかな。えーと、水魔法」


そうつぶやくと手のひらに60cmほどの大きさの水球が現れる。


「いや、でかいでかい。もっと小さくていい。」


小さくしようと思うと水球は小さくなっていき、10cmほどの大きさへと変わる。


「おお、便利だけどMP減ってないな?なんでだろう。…こうやって出している分には減らないのか?

射程距離ぎりぎりまで飛んで行ってとまれ。ってこんな指示で!うお、飛んだ!」


水球がすさまじいスピードで飛んでいく。あっという間に見えなくなったが、水球の通った後の撓り(しなり)の弱い枝はぽっきりと折れてしまっているようで追いかけるのは難しくなかった。


「以外と威力あるんだな、えーと、俺の足幅は80cm位だったよな。」


水球が止まっているところまで80歩だった。


「約640m位?すげえ飛ぶなこの弾、ああ、MPは減ってるな…132か。

 7しか消費してねえな、すごいなこれ。」


其のあと、水球を生み出しては打ち出すこと10回。

直径の大きさを最大から半分ほどの大きさにすれば、水球は2発でる、同じように1/3の大きさにすれば、3発とできるようになっていた。


「いや、こりゃ便利だな。いちいち考えなきゃいけないと最大のでかさで飛ばしちまうから面倒だけど。」


と、MPも70ほどになっていた為か、少し足元がふらつく。

歩き疲れたというよりも、気分がだるくなっていた。


「…MPってどれぐらい回復するんだろうな。

 まあ魔法使えたってことで、これが夢だろうと何だろうと全然気にしないでいいや。

 あー、でも俺ってあっちの世界ではどうなったんだろう。死んだのかな?


 …あれ?今俺って無職状態?」


寝転がって空を見上げる。

空はあっちの世界と同じで太陽は一つ、真っ青に澄み渡っていた。

気が付くと、うとうとしはじめたので「あ、やべ眠ったらあかんわ」とか思いタブレットを再度見返す。

OKを押したはずが、次の画面に進んでいなかった、どうやらポイント割り振りを間違えたらしい。

魔術師Lvを下げた。するとMPが下がり、魔法の大きさ・射程も短くなったようだ。

仕方がないな、と次の項目に進む。


項目の一つにユニークスキルを見つけた。


「おー、ユニークスキル。よくある!

 んで、俺のは…?なにこれ、パームアイテムクリエイト?

 パーム?ヤシ?

 それとお金が、300000C?Cってなんだコインか?」


そんなことを思っていると、女性の悲鳴が響いて聞こえた。






名前スプーキー


Dex:29

Agi:30

Str:28

Vit:32

Int:35

Men:26

HP:149

MP:131



戦士(現在Lv:消費ポイント)Lv10:100ポイント消費

命中:22

回避:21

打撃点:22

体力補正:112

            

魔術師(現在Lv:消費ポイント)Lv3:45消費

火(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費

水(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費

風(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費

岩(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費

雷(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費


方術士(現在Lv:消費ポイント)Lv3:45ポイント消費

癒し(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費

解毒(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費

解呪(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費

生命力強化(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費

精神力強化(現在Lv:消費ポイント)Lv2:11ポイント消費


全ての技能のLvは最大Lv30と書かれている。

残りポイント:0


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