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求むチョロイン

俺は樹を背にして座っている、目の前には蟷螂から切り落とされた鎌二つと魔角が転がっていた。

これは一緒に戦った(?)少女が蟷螂から剥ぎ取った結果だ、ちなみに少女はすでにこの場にいない、剥ぎ取り品だけおいていってしまった。

チョロインではなかった、そういうことだろう。

俺はつい先ほどの事を思い出していた。


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暗い、そして臭い。辺りにモノが焦げる匂いが充満している。

気絶から目覚めた俺の感想はそれだった。

とりあえず体を起こすと、先ほど戦っていた巨大な蟷螂が焦げて匂いを放っていた。


もう動かないだろうと判断しおもむろにタブレットを取り出す。タブレットに表示されていた時間は13:54、タブレットのロックを解除しアプリを開く。

MPが26/138になっている、最後に蟷螂の内部から燃やした炎の魔術(ファイア)にはかなり(りき)を入れたからだろうか。

タブレットの画面をスワイプしてスキルの項目を見ると、ユニークスキルが追加されていた。


スキル:“MP消費限界突破”と表示された項目に触れると説明が浮かんび、本来定まっている消費MPに対して追加でMPを消費ことで効果を上げることができると表示された。

効果を上げるというのが具体的にどれぐらいなのかが判らないが、今回気絶したのも蟷螂を倒せたのもこのスキルのおかげだろう。


「スキルって増えるんだな…、いや魔法も勝手に増えてたし不思議じゃあないか」


ぼそっとつぶやき今一度蟷螂を見てみる。

蟷螂の頭部は大きく開かれていて、鎌があった両手の部分は切り落とされている。先ほどの少女が剥ぎ取って行ったのだろうか、-------------まあ、いいんだが。

また寝転んでタブレットを見てみると、炎の魔術(ファイア)がレベル2からレベル3になっていた。特に呪文(放出型(・バーナー)等)は増えていない。


がさがさと音がする、そちらに視線を向けると隻腕の猫耳少女が立っていた。

彼女は鞄から水晶を取り出し、水晶から鈍色の板を二つと、少し大きな魔角を俺の前に置いた。


「こちら、あのクアリング・マンティスから剥ぎ取った素材です」


そういうと彼女は立ち去ろうというのか、がさがさと森の中に戻っていく。

俺は急いで彼女に話しかける。


「ちょっと待ってくれ!片腕じゃ大変だろう、俺も一緒にいくよ」

「結構です」


あっさりと、だがはっきりと断られたのだった。


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「…何が悪いって、下心まるだしだったんだろうな」


俺は一人つぶやいた、"漫画"の読みすぎだなんて嫁によく言われていたが、まさにそれだ。

剣と魔法のファンタジー世界だから、助けたらころっと惚れてくれるなんて思ってたのだろう、きっと。

だから、今がっかりしているんだ。

そして、そんなチョロインなんだろうと思う気持ちが出ていたんだろう。


「はあ。」


誰かの考察で読んだが、異世界においてチョロインなのは異世界ヒロインの恋愛経験値が少ないせいではないか、という考察だ。

その考察に付け加えていてほしい、ヒロインにも行うべき役割があるのだ、と。

さっきの彼女、そういえば名前も聞いていないが、あの子にも何かやることがあって行ってしまったのだ、そうでなければもう少し話位はできただろう。


「それか、見た目がオークみたいだから、かね」


俺はタブレットを操作しながら小さく呟く。

タブレットの項目のMPが39/138となっていた、時計は先ほど確認した時間から10分ほど経過している。

10分で10%のMP回復になるんだろうか、画面を動かしていると、残ポイントが1点表示されている。

全体的に挙げた際に、残ポイントは0だったはずだ。この世界のシステムがよくわからん、いつ増えたんだ。

思い当たる節と言えば敵を倒した事なんだが、あの蟷螂とゴブリンを合わせて1じゃあ少なくないか。


「うーむ、その辺りもよくわからんが。」


謎が深まるばかりだ、もういいやはり一度戻ってあの受付嬢さんにもう一度説明してもらおう。

俺は立ち上がり、蟷螂の遺該と剥ぎ取り品をアイテムボックスに入れて、来た道から戻る。その方向は、少女がどこかへと言ってしまった向きと反対方向であった。

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