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story16


ザっ

 

 「こうして向き合うのはいつ以来だろうな?ウィル。」

 「さぁ、忘れましたよ。」

 

 向かい合うクラウディ・ウィル。

 余裕のある笑みなのかそれともイタズラの微笑みと言えるだろうか。

怒りを含む笑みが怖い。

 

 「それで?あの猫、僕にくれるんですか?」

 「まさか、あれは私のものだ。 誰にも渡さないさ。」

 「へぇ、ずるいね。 オジサン。」

 

 銃を構えながら、弾を装填しながら、普通に会話をするクラウディ・ウィル。

 じりじりと近づいていく。

 

 ザっ

 

 「では、始めるか。」

 「そうですね。」

 

 バっと離れ、ジャッカ 銃を構え、

 カチッ ババババババババババッ

 引き金と同時に銃弾が散弾になり流れ弾が部下に誰にも当たらないように配慮するクラウディ。だが、ウィルは……

 

 「  っ!くっそ!」

 

 ジャッカ 当たらないことに腹を立てたのかもう一つの銃を取り出す。カチッ

 ババババババババババババッ

 二丁の散弾銃がクラウディを襲うが、クラウディはひらりひらりとかわすがカチッカチッ、弾が尽きた。

 ウィルの銃弾を交わしながらクラウディはウィルへと近づく。

 

 「!、クラウディ!」 

 

 横目に見えるクラウディの姿。ジャックは呼ぶが、クラウディは進む。

 フッ ウィルの目の前にクラウディの姿が、

 

 「っ!」

 「相変わらず下手だな。  ウィルよ!!」

 

 「!」

 

 ぎらつく鋭い目、ウィルはゾッとする、「逃げられない、喰われる、殺される。」そう感じ取ったが……遅かった。

 

 「!、くっそ!」

 「これでお相子だ。」

 

 一瞬の隙にクラウディはウィルの銃を奪う。ガっシャン お互いの銃は弾切れ。

 

 「……チッ、本当にあんたが嫌いだよ。」

 「そうか、私もお前が嫌いだよ。ウィル。」

 

 武器も持たずにクラウディはウィルへと突っ込む。だが、

 

 ニッ

 「?」

 「残念だったね!バカクラウディ!!」

 

 「!、クラウディ!!!」

 

 ウィルは隠していた銃を取り出し、クラウディへと向ける。

 

 『クラウディ!!』

 「   !、  マ  」

 

 ガウン 一つの銃弾が ()にあたった。  ドサッ

 

 「!、ッ、う、嘘だろう?」

 

 「マリア!マリア!しっかりしてくれ!!」

 

 『「よかった………クラウディ……あ、り、が、と、う……」』

 

 朦朧とする意識の中、マリアはクラウディにお礼を言った。

 クラウディの頬には血に濡れたマリアの手の跡が残る。

 

 息はない 死 死んだというのか?

 もうあの 笑顔 はもう見れないのか?

 

 「マリア もう一度 私の名を 呼んでくれ! マリア。」

 

 「………そんな。」 

 「どうして……」

 

 「チッ!余計なことを、だが、死んでも王の前に捧げれば!」

 

 カチッ 


 「!」

 

 「クラウディ!!!」

 

 ガウン

 一つの銃声が  響いた。

 


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