story9
「それで、ここに何の用だ?テンペラ―女王。」
「別にお前には用はない。そこのミミに用があるのだから。」
前回、派手な集団が押しかけてきたのは、「クリス・ドン・テンペラ―」女王と……いや王とその付き人達だ。(……なんか主人公とゆかいな仲間たちみたいだな……)
ただいま彼らがいるのは大型客間。
王を囲むように……ゲフッ
「先ほどから王と言うな!女王と呼べ。」
は、はい、すみません。
『何?何かあったの?』
えー、気を取り直して、女王を囲むように彼らは座っている。もちろんマリアも一緒だ。
『ねぇー、何があったの~?』
君は知らなくていいの。話を聞きなさい。
「なに、何故貴様らがその猫を連れているのか、それと。」
スッとクラウディ・ブルックを指さす、クリス女王。
「貴様らが同盟を組んでいる理由を知りに来た。」
「「……」」
「そいうことアルか。」
「ならば後者の方が簡単だ。……女王、貴方が彼らと同盟を組んだのと同じ理由ですよ。」
「後者」。クリス女王が言った・同盟を組んでいる理由。二つの勢力でかかれば一つは潰せる力を得られるが………裏切れば苦しい思いもする。
「それでも構わない。弱点はもう掴んでいるんだ。」
「確かに、何も怖くないし、それに裏切る気もないしね。」
『うん、もしこれで逃げようもんなら確実に命はないわね。』
「……そうか。」
あっけないというよりも少しばかり怖い理由だ。
「それでこの猫は?」
「あぁ、……そのことか……。」
「そういえば、どうしてこの猫を?」
やっと話し終えたと思ったら、今度は“マリア”の事。
「部下が拾った元・捨て猫だ。」
「ほう?」
「ふーん、それにしてはよくその猫と話してるよね?クラウディ。」
「 」
『え?き、聞こえてるの?』
「うん、聞こえてるよ。」
「妾は少しばかりだがな。」
クラウディはベタなことを話すが、ブルックはさらりとクラウディとマリアの事を見抜く。
クラウディは黙ってしまうが、マリアはそれを見て見ぬふりをして、思ったことを話す。
『へぇー、そう。』
「あれ?驚かないの?」
『クラウディの時に驚いたから。もう驚かないわ。』
「へぇー、強いねー。」
さらりと言葉を交わす、ブルックとマリア。
だが、女王は笑いながら
「変わったのう、クラウディ。」
「……褒め言葉として受け取っておきますよ。女王様。」
「そうか、さて本題に入ろうか。」
「「 」」
『え?今のって本題じゃなかったの?!すっごく意外だわ!!』
切り替えるように女王は話を戻す。
マリアはものすっごくベタなツッコミを入れた。
「無論じゃ。妾はそのためにここにいるのじゃから。」
「んーとはいっても……!!、クラウディ!!」
「?、なんだ?ブルック。」
「次の作戦にこの猫を使ってもいいかい?」
『・・・・・・・・・・え?』
ブルックはマリアを抱っこしながら可愛くいったが、クラウディと女王の顔が……変わった。
「今」
「なんと言った?ブルックよ。」
「だから 」
大事な話をしているというのにブルックは何か思いついたらしい……“作戦”というのは・・・
以前から考えていたのだろうか、彼のやり方は好きなのだが、とても共感できない部分もあるが……
「この猫ちゃんを使って、あいつを脅かしてやろうと思ってんの!だから、
猫貸して!!」
「「 ダメだ!!!!! 」」
多分、この二人は予想していたのだろう、クラウディと女王は声をそろえて言った。
「え?」
「ダメだ!駄目だ!確かにあいつは私と同じで……いや、“マキシン”はいいかもしれないが、“ソニー”はダメだ!あいつは………」
「……」
『?クラウディ?』
クラウディは、何を考えているのだろう?
マリアには分らなかった。
ただ、わかるのは これから
彼が 何を考えて 生きてきたか
それよりも
『この二人、止めなくていいの?』
「かまわん、このままにしておけ。」
その後、部下によって喧嘩は収まりました。とさ。




