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現 (うつつ)
幼い頃は時間が無限にあると思っていた。
夢は必ず叶うって信じていた。疑いもしなかった。何時も何かを願っていた。
無邪気に七夕の短冊に願い事を書いていたのはいつまでだったのだろうか?
流れ星に願い事を託したのはいつだろうか?
年齢を重ねるにつれて無邪気に信じることが出来なくなっていた。信じる事が怖くなっていた。
出来る事と出来ない事の境界線が見えてくる。
でも、一番自分自身を信じることが出来なくなっていた。
私が私を裏切り続けている。
夢と現を無意識に天秤にかけている私。夢はとても重くって、夢を叶えるためには現が乗っているお皿に何かを乗せる。
大人になると言う事は夢を捨てることなのだろうか?
でも、私は…