現実は夢よりも奇なり
「お母さん!女神様から卵を預かったの。」
卵を預かった日、私はお母さんにお話しました。
「卵?ダメでしょ、生物だから冷蔵庫に入れなさい。」
「違うの!良く見て。」
私は卵をお母さんに見せました。
「あら?ないじゃないの。」
でも、お母さんには見えていませんでした。
女神様から貰ったに卵は私だけの秘密になりました。
でも、幼稚園のお友達は私と同じように女神様から卵を渡されていました。
幼稚園で仲良しのみーちゃんは太陽色の卵を女神様から貰いました。
まーちゃんは森色の卵を女神様から貰いました。
ちーちゃんはブドウ色の卵を貰いました。
みんな綺麗な色なのに何で私だけ真っ白なんだろう?
「それはきっと雪色なんだよ!」
ヒーロー色の卵を貰ったケン君が言いました。
ケン君は何時も格好良いです。
「知ってる?アンちゃんは空色でネネちゃんは海色だよ」
噂話に詳しいたっ君が教えてくれました。
「たっ君は何色?」
「お月様の色だよ」
たっ君が見せてくれました。
みんなバラバラの色なので見せあいっこしました。とても綺麗な色でした。
とても楽しかったです。
ずっとみんな一緒にいられると思っていました。
でも、ケン君が引っ越しました。
アンちゃんとは小学校が違います。
ネネちゃんとまーちゃんとはクラスが別になりました。
ちーちゃんとは中学校が別になりました。
みーちゃんとたっ君は高校が別になりました。
年齢が上がるにつれて私は1人になりました。
不思議な卵を貰ったのにいつの間にか消えていました。そして、いつの間にか不思議な卵の存在を忘れて居ました。