リオ様の、お説教 ...は?byメアリ
リオはメアリの侍女です ...一応
とりあえず知っている顔だったので声をかける。
一応、礼儀だからね。
「ユラ様、お手をおかしましょうか?
事の次第は聞いたのですが。」
「まあ、メアリ様。 大丈夫、です。
どうも、ありがとう、ございます。」
途切れ途切れに言葉がかえってきた。
そして、その声は弱々しい。
間違っても”大丈夫”そうには見えない。
どうしよう?
ここで「それでは」とか言って去ったら、さすがにいけないよね。
絶対アルトに睨まれるし。
そのとき、手首をぐっとつかまれた。
「えっ?」
誰?
ヒロトとアルトではないことはたしか。
こんなつかみ方しないから。
「メアリ様ぁ~?
お探ししましたよ。」
「り、リオ。」
リオからでてるオーラがハンパない。
「どちらにいらっしゃたんですか?
寮の手続きしてる間にどこかへ行ってしまって。」
うわぁ。 始まった。
リオのお説教長いのよね。
やっぱり今日も逃れられない?
「あら。ちゃんと言ったわ。
寮のお手伝いされている方?に
”用があるのでちょっと行ってきます、ってあそこの人に伝えてね。よろしく”って」
「それとこれでは話が違います。
ホント、どこに行っていたんですか?」
「え? 別に城内を散策してただけよ?」
侍女の服で。
そして、ヒロトの部屋にもいたけど。
「そうですか。 では、そういうことにしておきますが。
だいたいいつもあなたはそうでしょう。
どこへ行っても、いつのもにかいなくなってるじゃないですか。」
「そのなことないわよ。
家族で行ったときとか、ちゃんとみんなと一緒にいるわ」
家族で行ったときだけとも言うんだけどね。
「そのときだけでしょう。 くどくど くどくど......以下略」
「これからは気をつけます。はい、はい。絶対にしないから......」
そんなことをやっている間にユラ様たちはいなくなっていた。
声をかけてこなかったのは、まだショックから立ち直ってなかったからなのか。
近寄りがたい雰囲気を感じてしまったのかは、分からないけど。
「メアリ、また怒られてるし。
それで素行も改まればいいんだけどねぇ」
「いや、あいつの場合絶対改まらねえだろ。」
さっきも俺の部屋にいたし。
「でも、リオもだんだんバーベナさんに似てきてないか?」
「バーベナさんって、メアリの世話役の人だったよね。
まあメアリの傍にいればああなっちゃうのも分かる気がするよ。」
あの説教に巻き込まれるのは御免だというヒロトとアルトは、少し離れたところでそんな会話をしていたのでした。
なんかキャラが暴走し始めた気がする。
どうしよう?