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騎士様の気苦労

ヒロトver.です。

 「はぁ~...」

 「何? ヒロト。溜め息なんてついて。」

 俺の少し前を歩いているメアリがこっちを向いて聞く。

 一応、人が少ない道を選んでいるがここは城内だ。

 誰かに見られたら変は噂をたてられたら困る。


 何? おまえのせいだよ。よくもそんなことが言えるな。

 だいたい、なんで俺はこんなことになってんだ。

 そういって自分に問いかけて、少し前の記憶を呼び戻す。




 昼過ぎごろ、訓練が終わり、休憩をもらって寮に帰ってきた。

 俺の仕事は王子つきの騎士だが、日頃、訓練をかかしてはいない。

 そんなことで訓練で疲れた俺は、急いで部屋に帰ったのだが...

 な・ぜ・か、こいつが部屋にいたのだ。

 平然と人のベットに座り本を読んでいた。

 それにくわえ、のんきに「おかえり。」などと言われたこっちはたまったもんじゃない。


 __まあ、時々あることなんだが。

 それに馴染んでいる自分も怖い。

 こいつとは家の関係もあって小さいころからアルトも加えてよく会っていた。

 幼馴染というのか腐れ縁というのか、微妙なかんじだな。

 それは少し成長した今になっても変わらない。

 茶会の後や舞踏会の前に時々、来ては何かと面倒なことを言い出す。

 アルトがいるときは、だいだいアルトに何か言われて諦めるが。


 そして、ここは男子寮だ。

 正面から堂々と入ることなんか絶対にできない。

 ましてや貴族の令嬢なんかが。

 こいつが入ってくるところを見たことはないが多分そこらのしげみをぬって入ってくるんだろう。

 城に仕える者が住まう場所に警備はほとんどないからな。

 俺の部屋にしかこないのは、1階だからか。それともアルトだと小言を言われるからだろうか。

 アルトの部屋は2階だが木をつたっていけば入れないわけではない。


 聞かれることは何となくわかっていたが、こっちから言うこともないので黙っていた。

 黙々と隊服を脱いでいるとメアリが口を開いた。

 沈黙の時間が長いほど怒り度が高い。

 長いときは、半時くらい沈黙が続いたこともあった。

 さいわい今日はそこまで怒っていないらしい。

 「どうして今日、王女様の護衛についてたの?

  ヒロト、王子つきの騎士のはずじゃない。」

 口元は笑っているけど、目は完全に笑っていない。

 よほど、今日の茶会がやりにくかったらし。

 まあ、そんなのは俺のせいじゃないからな。

 「ああ、そうだよ。

  でも、昨日数人の騎士が体調を崩したんだ。

  それで今、食中毒じゃないかって調べてるとこ。

  で、非番だった俺が入った。」

 「ふ~ん。でも、騎士なら他にもいるじゃない。」

 「ああ、それは人手が今、少ないからな。

  密輸のタレコミがあって、そっちに人員つかってるから。」

 あまり部外者に言ってはいけないのだが、こいつなら大丈夫だろう。

 何も言い返さないところを見ると納得はしたらしい。

 こっちもこれ以上は部外者に言うわけにいかない。

 俺は、唐突だが話を変えた。

 「おまえ、明日から城に住むんだろ?

  こんなところにいていいのか?

  どうせおまえの家、家族そろって夕食とるんだろうしな。」

 「あ~、そうだけど。もうすぐ帰るわよ!

  それじゃあ。明日はお菓子でも持ってきてつまもうかな。」

 なぜか怒って返された。

 何気に明日も来るようなこと言ってるし。

 __まあ、いいんだけど。どちらかといえばうれしい。

   ここが男子寮でなければな・・・・・・。




 こんなところか。

 で、俺は流れでこいつを送りにきたってわけか。

 俺が先ほどのことをしんみり? と思い出している間にメアリはもう話を変えていた。

 「そういえば、うちにバーベナがいたじゃない?

  バーベナ、明日から実家に帰るんだ。」

 「バーベナって、おまえの世話役の人か?

  なにかあったのか?明日からって。」

 時々、メアリの家に行ったときにはだいたいいたような気がする。

 メアリのおてんばぶりのせいで大変そうだった。

 もっとも俺も一緒に遊んでいて、アルトとバーベナさん二人に怒られたが。

 それも、今となっては苦笑したくなる出来事だな。

 メアリにはしょっちゅう木に登るな、もっとお嬢様らしくしろとか言ってたな。

 それでも、よく小言をいうが、根は優しい人だった。

 「わたしが、明日から城に住むからだって。

  少し前から娘さんの調子が悪かったみたい。

  これを機会にって、父様と母様がバーベナの背中をおしたの。」

 「そうか、残念だな。生まれたときから傍にいた人だしな。

  でも、あれのことはいいのか? 表にでたら、まずいことだろ?」

 「ああ、それは大丈夫。

  ずっとグランテーヌの屋敷に仕えてくれた人だから信頼がおけるから。

  それにそのことはバーベナにもちゃんと言ってあるし。」

 「それなら心配ないな。

  バーベナさんがいなくなったらさびしいか?」

 後半は少しからかうような口調で問う。

 「べ、別に。そりゃ、少しはさみしいけど...

  でも、みんながいるから大丈夫。」

 ”みんな”のなかに俺も入ってんのかなと思いながら、いつのまにか隣に並んでいたメアリを少し見下ろす。

 そして、本来なら鮮やかな赤い髪、今は染め粉で染め、茶色になった髪を見つめる。


 先ほどの”あれ”とはこの髪のことだった。

 複雑な事情により赤い髪をもって生まれてきたメアリはその髪を隠している。

 まあ、この国でそんな髪色の人はいないのだからそのままにしていたら確実に目立つ。

 そしてメアリがもっているのはその髪だけでなく、ある力をもっていた、

 どちらかといえば、そちらの方が主だが。

 そのことが世間にバレるわけにはいかないので簡単に屋敷から人を出すわけにはいかなっかたのだ。


 このことを知ってるのは、メアリの両親・弟、古くからいるグランテーヌ家の屋敷の人、俺とアルト。

 多分俺の父もしっているだろう。


 「ヒロト、もうすぐ着くよ。」

 しばらく俺が思考をめぐらせていると、メアリが声をかけてきた。

 俺もああと頷き少しメアリから離れかけた。

 いろいろと面倒なことになっては困るのでいつもこうだった。

 が、何かむこうがざわついていた。

 この際何か口実を作ればいいと思い二人で、様々な馬車が並ぶ城の門先に歩を進めた。


 そこには何やら人だかりができていた。

 

 

  

 


 


 

  

 


 

 

微妙なとこで終って...ますよね。

この続きを書くとすごく長くなりそうで。


この次はヒロトかメアリ、どっちの目線にしようかと考えています。

なので、どうなるかわかりません

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