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プロローグ
ありとあらゆる文化を吸収発展させたローマ帝国。
エメンドゥス・アエミリウス・ラボリウス (Emendus Aemilius Laborius)はその帝国で最も尊敬される料理人の一人であったが、この日は特別な悩みを抱えていた。
目の前にあるは、フラミンゴの舌。
伝承によれば、この舌を一口食すと天国の慈しみに包まれるが、その後三日三晩の痛みと共に地獄の業火に焼かれるという。
それを知っても蠱惑的な魅力に抵抗できない。
遠く東方の地では、毒のある魚を特定の方法で調理することで、その危険を乗り越え、美味として食する文化があるとのこと。
料理に人生を捧げてきた彼は、このフラミンゴの舌という挑戦を決意する。
彼の試みは、歴史に燦然と輝くダイヤモンドとなるか、あるいは忘れられる路傍の石となるか、、、