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襲撃②
「よぉ、組織から逃げ切れるわけねぇだろ」
「こちらには拳銃がある。君は丸腰だ」
頼む。諦めてくれ。
青年は軽やかに宙を舞った。まるで白鳥のようだ。
俺は反応しきれなかった。肩を鋭利なナイフで切られた。痛みが広がり血が流れ落ちる。その青年はとにかく速かった。俺が拳銃を打ち放すと別の場所に移動し、さらに攻撃を仕掛けてきた。凄まじい勢いで俺を攻めてきた。
ついに血まみれになった俺は地面に這いつくばるほかなかった。
「君は何者だ?」
「俺はお前の敵だよ。それ以上でもそれ以下でもない。さぁ死を受け入れな」
最後になるのか。これで俺はおしまいなのか。
美嘉を守れなかった。