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襲撃
「痛む?」
美嘉が心配そうに俺に声をかける。
「ありがとう」
俺は美嘉を静かに抱きしめる。汗ばむ体温を感じた。
外に何か気配がした。ゾクゾクする嫌な感覚。
恐らく組織の人間だ。もうこの場所が割れているのか。
俺達が住んでいるのは海辺の街の離れの一軒家だ。
バレるのが早すぎる。引っ越ししたばかりなのに。
ドアを蹴破る音がした。かなり手荒い連中だ。
「美嘉!!隠れてろ、狙いは俺だ」
美嘉は何か言いたげだったが少し渋った顔で物置に隠れた。
玄関先から二人の足音がする。俺は拳銃を取り出すと額の汗を拭った。
敵は二人。俺一人で仕留めれるか。
だが目の前に現れたのはまだ若い青年一人だった。