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不未助、神の存在を知る

『お前の怒りの気持ち、俺にも痛いほど分かるぞ。外交って下手なこと言ったら戦争に発展する可能性があるし、わざわざ仲良くもない国の偉い奴とも気を遣って仲いい振りをしたりするの本当に面倒だよな。俺は基本的に外交は部下に丸投げしているな。まあ、中には俺本人が行かないといけないことが』


 私の愚痴を聞いていたであろう彼も外交の経験があるらしく、私と同様に外交があまり好きではないようだ。


 そのため、彼は基本的に自分が外交を行うようなことはしないようで、自分自身が絶対に行かないといけないような時以外は全て部下に外交をお願いしているとのことであった。


 私も自分が行かなくても良い案件の時は私なんかと比べ物にならないほど優秀な外務大臣の森くんになるべく任せるようにしていたし、彼が外交を部下に任せている理由がよく分かる。


 まあ、私の場合は自分が行かなくても問題がないという案件がほとんど存在していなかったので、いつも森くんのアドバイスに従いながら外交を行なっていたのだがな。


 森くん......大丈夫かな......


母親の病気が悪化したから介護すると言って、実家がある秋田県に帰って行ったはずだから核弾頭の被害はあっていないはずだが.......


 まあ、JAPANとは国交が結ばれていない永遠と内戦や近隣の国と戦争を起こしているアフリカの国に護衛もつけずに単独で赴き、内戦に巻き込まれながらも無傷で帰ってきた森くんのことだ。


 きっと、連合軍相手でも上手く立ち回って、生き残っているだろう。


 私は無様に核弾頭で死んでしまったがな!!


 はっ!はっ!はっ!


 笑い事じゃないな。


 はぁ、まさか自分の最後が核弾頭で終わるとは思ってもいなかったな......


 おっと、いけないいけない。


 危うく話が再び逸れるところだった。


 ここは一旦、前世のことは置いておくことにしよう。


 それで、死んだはずの私を死後の世界に行かずに一時的に留めておくことができる世界を作り出し、私をこの暗闇の世界に連れてきた時点で大体察しはついているのですが、先ほどから私に語りかけている貴方は誰なんですか?


 私が先ほどから私に語りかけている人物に一体誰なのかと質問してみると、


『俺はお前の予想通り神という存在だよ。まあ、自己紹介をするついでにある程度の知識をお前に授けることにするか』


 先ほどから私に語りかけている人物は私の様子通り我々人類の上位存在であろう神であったようで、神である彼は私に自己紹介をしてくれるついでにさまざまな知識を授けてくれるとのことだった。


『俺の自己紹介の前知識として、神という存在について教えてやろう。神という存在はお前たちの世界で一番人気だった一神教の教えとは違い、数えきれないほど存在している。日本神話やギリシャ神話の世界観とでも思っておいてくれ。そして、神の世界にもお前たちの世界のように国というものが存在している。その中でも最も栄えている国の名が神国アヴァロンだ』


 神様の話によると、一神教のように世界に存在する神は一人ではなく、ギリシャ神話や日本神話のように神という存在は複数人存在しており、その数は我々人類のように膨大のようだ。 

 そして、神たちの世界にも我々の世界のように国がたくさん存在しており、その神たちの国の中で最も栄えているとされる国の名前が神国アヴァロンと言う。


 なるほど、神という存在が実在していたことにも驚いたが、それよりも神の世界にも国というものが存在していることに驚きを隠せなかった。


 実際、神である彼と話してみると、宗教の聖書に書かれているような完璧で完全な絶対的な存在としての神ではなく、ギリシャ神話や日本神話のように我々人類と近い存在なんだなと感じた。


 これ、世界で最も信仰されている宗教の信徒たちが聞いたら驚くような事実だろうな。


 私が神様から知らされた新事実に驚いていると、


『それで、俺はその神国アヴァロンの第三十一代目国王だ。それから、お前たちの世界で流行っていた一神教が崇めていた神という存在は全て俺のことだから』


 どうやら、私に話しかけていた神様は神の世界で最も繁栄している国である神国アヴァロンの国王様であられたようで、彼は第三十一代目とのことだった。


 そして、我々の世界では人口の半分以上が一神教と分別される一人の神を信仰する宗教に入っていたのだが、その複数ある一神教における神という存在は全て彼のことを指しているらしく、一神教徒の全てが彼の信者のようだ。


 こんな話、実際に本人である神様に会って話すまでは絶対に信じられなかっただろうな......


 私も良くこんな凄いお方の目に止まったものだな。


 そうして、私が神様と出会えたことに運を全て使い果たしてしまったのではないかと思っていると、


『俺が適当にカリスマ性があって騙しやすそうな奴に目をつけて、神託を授けるとか適当なことほざいて、その場で適当に考えたルールを教えたら、そいつらから世界に上手く伝染していき、世界各国で俺を讃える宗教が大流行りしたからびっくりしちまったよ。俺も適当に考えた内容に適当に宣伝してくれそうな人材を見つけただけだったから、ここまで世界に広まるとはちっとも思ってなかったぜ。やっぱ、人間は馬鹿で愚かな生き物だな!はっ!はっ!はっ!』


 私が神様と出会えたことを奇跡だなと感心している最中、神様の口から絶対に宗教を信じている人には聞かせられない残酷なことを言っていたのだが、私は聞かなかったことにしたのだった。




 


僕の代表作であるアヴァロンを読んでいる方はこの神が誰なのか一瞬で分かったと思いますが、創くんです。彼本編では敵と戦ってばかりなので、描写はないですが、ちゃんと神様らしい仕事も行っています。性格は相変わらず最悪ですがwこちらの作品を少しの間メインに投稿していく予定なので、ブックマークと星五評価で応援をお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  非常に面白く読ませていただきました!  検討士を風刺するパンチの効いた作風ですね。政府高官の名前のもじり方が秀逸で脳内補完しやすいです。  また、アヴァロンという神が作者様の代表作からゲ…
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