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不未助、各国の首相たちへの不満が爆発し、ブチギレる

『おうおう、その言葉が聞きたかったぜ』


 私が誰の耳にも届かないことが分かっていながらも諦めきれずに最後の願いを呟いた後、この自分以外誰も存在していないはずの暗闇の世界に明らかに自分とは違う声が響き渡った。


 自分とは明らかに違う声が耳に入ってきた私であったが、時間も場所も移動した距離など何もかもが分からない暗闇の世界に居続けたことでとうとう自我を保つことが難しくなり、幻聴が聞こえ始めたのかと思った。


 それも仕方ないだろう。


 私は某4000年の歴史を持つ思想が真っ赤な国が発射した核弾頭によって命を落としており、今自分がいる世界は死後の世界であることは確かなのだから、自分以外の誰かがいるとはどう考えてもあり得ないと思うのが普通である。


 そんなふうに私が先ほど聞こえてきた声が幻聴であると決めつけ、ついに自分の精神がおかしくなってきたのだなと思っていると、


『いや、俺の声をお前の幻聴にして聞こえてないふりするのはやめろよ。クソ忙しい中お前のためにわざわざ時間を取ってやってるんだぞ?良いから俺の話を聞け』


 再び私以外誰もいないはずの暗闇の世界に自分とは明らかに違う声が響き渡り、その声の主人は私が聞こえてきた声を自分の幻聴にしたことに呆れているらしく、私に話しかける時の口調が気だるげであった。


 そして、この声の主人は忙しい中でこんな無能で役立たずの私のためにわざわざ時間を作ってきてくれたらしく、声の主人はこんな無能で何も出来ない私に何か用事があるようで、話を聞くようと気だるげな口調で言われた。


 彼は一体こんな無能な私にどんな用事があるのだろうかと思ったのだが、それよりも私は彼の声を自分の幻聴にしたことは口に出していないのにどうして、このことが彼にバレたのかが不思議だった。


 そのように私が口に出していないのに彼に伝わったことを不思議に思っていると、


『俺がお前の思考を読み取ってるからだよ。この世界はお前をあの世に行かないよう世界に留めるために俺が一時的に作り出した世界だ。この世界にいると思考が俺にダダ漏れになってしまうように設定している。だから、お前が今考えていることが全て分かるんだ』


 彼によると、今私がいる世界は自分とは違う声の主人が生み出した世界のようで、この世界にいると彼に自分の思考がダダ漏れになってしまい、今自分が考えていることが全てバレてしまうようだ。


 そして、私の思考を読み取った彼は自分の考えていたことがバレてしまったのかと不思議がっていた私にわざわざ説明を行ってくれた。


 なるほど。


 この世界にいる間はわざわざ口を開いて言葉を発しなくてもこの世界を生み出したと言う声の主人とやりとりをすることが出来るのか。


 それに、相手が考えていることが筒抜けになるということはこの世界で嘘をついたとしても一瞬で見破られてしまうのか。


 なんて、便利な能力なんだ。


 私も総理大臣に就任していた時にこの能力が欲しかった。


 この能力があったらとしたら、我が国JAPANに核弾頭をぶっ放し、攻め込んできたあの国の首相との会合の際に彼の本当の思惑を知ることができ、未然にJAPANに核弾頭が飛んでくることを防ぐことができたかもしれない。


 きっと我が国を滅ぼした真っ赤な国の代表である彼は表ではニコニコしながら仲良くするフリをしていたが、裏では私のことを騙しやすい無能とでも蔑んで利用していたに違いない。


 そう思うと、彼との会合では私が強く出れないからと言って少々横暴な態度をとっていたり、自分が気づいていないだろうと私のことを蔑むような目を向けていたり、私の温厚な態度にあやかって言い返せないよう上手いこと私のことを丸め込もうとしていたりもしたな.....


そうして、某国の彼のことを思い出すと今まで一度も感じたことのない彼への怒りの感情が湧き上がってきた。


 あの胡散臭い細目パンダジジィめ!!


 今度会った時はJAPANを滅ぼしたことへの報復として殴り飛ばしてパンダのサンドバッグにでもしてやる!!


 他にもお隣の半島にある我が国の海域に何度も核弾頭を飛ばしてきた黒電話野郎や、いつまで経っても第二の世界大戦時に我が国から奪った領土を返さないハゲ野郎などいざ、死んだことで総理大臣という重しがなくなったことで、各国の首相たちに抱いていた怒りの感情が湧いてきた。


 それだけではない。


 同盟国という立ち位置でありながら、一々我が国JAPANの周りにある国を挑発するようなことを言いまくる世界の警察を自称している国の代表であるカードゲームみたいな名前の野郎め!!


 お前のせいで戦争が起こったらどうするんだ!!


 巻き込まれるのは私たちなんだぞ!!


 もっと頭くらい使えや!!


 アヒル野郎!!


 それに、同盟国でありながら、100年以上前のことを今でもぐちぐち文句を垂れ流しながら損害賠償をいまだに徴収しようと暴論を展開したり、JAPANへ敵意を向けさせるように教育しているあの国の奴らも許せねぇ!!


 確かに過去の私たちは酷い行為を行なったかもしれない。


 その行為は決して許されないだろう。


 しかし!!


 それは100年以上前の私たちの祖先が行ったことであって、今の私たちには迫害などの差別的な行為や貿易規制などの経済的制裁などの酷いことを行なっていないだろう!!


 いつまで過去のことを引きずっているんだ!!


 他の仲の悪かった国たちは仲直りしているんだぞ!?


 私たちともいい加減仲直りしてくれよ!!


 クソ!!


 クソ!!


 あいつらのことを思い出すとイライラしてくる!!


 今度会った時は全員ぶん殴ってやる!!


 おっと、いけないいけない。


 ついつい怒りの感情が爆発してさまざまな愚痴をこぼしてをしてしまったが、この世界にいる間は私の思ったことは全て彼に伝わってしまうのだから、愚痴をこぼすのはやめなければ。


 そうして、私がいきなり溢れ出してきた怒りの感情を抑え込むと、今私のいる暗闇の世界を作ったという彼が再び話しかけてきたのだった。


 


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