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プロローグ 獣狩り

深い森の、拓けた草地で私達は対立する。

「………貴方が……獣王の魔女……?」

「けけけ、どうした?随分と無口みてぇだが、怖じけずいたのかぁ?」

本人確認は取れた。どうやら依頼通りの魔女らしい。

「…更生する気は………?」

「こうせい?テメェ、あたしを舐めてるのか?」

獣王の魔女は指笛を吹くと、空に無数の魔法陣が現れ、そこからは未知の魔獣達が召喚された。

「テメェも向こうの国と一緒に滅んじまえよ!」

「………」

「そんなキョロキョロ見たって状況は変わんねえぜ!ケケケケケ!」

「ロック………オン……」

仕方ない…。私も気は長い方だ。

『ダダダダダン!』

「ほう。なかなか良い武器じゃねえか。」

今褒められたのは、多分私の持っているこれ。父の形見の砲剣のことだろう。

「ガチャリ。」

形状を剣に変え、獣王の魔女に向け構える。

「久し振りに本気が出せそうだなぁ!」

接近戦に入る。獣王の魔女は二本のサーベルを持ち、私の方に走る。

「カキン!カキン!」

連撃は、私の剣で阻まれるが、獣王の魔女は余裕そうだ。

「隙だらけだぜ!」

「台詞……取らないで………」

『ガチャリ……ドオン!』

砲剣は瞬時に形状を変え、目の前の魔女に拳大の爆発物を発射した。

「グアアアアア!?」

獣王の魔女は巨木に叩きつけられる。音から判断して、背骨の折れる音だ。

「卑怯じゃねえか…。」

「…………」

私達の鍔迫り合いの最中に後ろから迫って来ていた獣を叩き付ける。お互い様だ。

「ロック…」

私がそう唱えると、横たわった魔女は、障壁に包まれ、時期にそれは棺へと形を変えていく。

「あたしをどうするつもりだ?」

「……出来れば……良い人にしたいな……」

完璧に形が変わると、もう声は聞こえてこなくなった。私は棺の先端部分の鎖を持ち上げると、そのまま引きずりながら運び始めた。幸い、ここから歩けば翌朝までに帰れるだろう。月明かりに照らされながら、ゆっくりと歩み始めた。


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