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天使様と僕の夏休み  作者: おぺ
4/15

二周目9月


9月1日


栞「おっはよー。」

お、おはよう。

鮎川さんは今日もかわいいなぁ。


・・

・・・・


なんて思っていたらもう昼休みだよ!

進展らしい進展なんて全然ないし。

またジェミニさんに騙された?


「人聞き悪いわね。」


天使に人聞き悪いって言われた!


「人間だって失敗したら猿も木から落ちるって言うでしょ?」


まぁ・・動物を使った例えって多いよな。

豚に真珠とか、馬の耳に念仏とか。

ってそうじゃなくて、鮎川さんと全然いい感じになってないじゃないですか!


「じゃあ東校舎の方へ行ってみたら?」


東校舎?まぁお告げだと思って行ってみます。

東校舎といったら、最初の時に鮎川さんがトイレで便器になってた思い出が・・いやまさか・・

東校舎は特別教室ばかりだから、時間帯によっては誰もいなかったりするんだよね。

でもさすがに便器はちょっと・・(汗)


・・

・・・・


いた!

鮎川さん・・あれ、知らない男の人と一緒だ。

まさかあの男の便器に・・


栞「あ、梨本くんだー。」

てくてく小走りに僕のところへ来て・・突然抱きついてキスしてきた。


栞「ごめんね、キスしてると落ち着くの。」

いつでもキスしていいよ!


栞「ほんと?じゃあもっとしよ♪」

鮎川さんの唇がこんな近く・・というかキスしてるぅぅ。

うへへ天使様疑ってすみませんでした尊敬してます。

昼休み終わり近くまで、人目を無視してキスし続けた。


・・

・・・・


こんな幸せな気分で受ける5時間目って今までなかった!

今日の放課後は鮎川さん誘って、キ、キスだけじゃなくその先もお願いしてみよう。

股間にキスして♪とか、下の口同士でキスしよう♪とかね!もうね、こう、新学期万歳!


・・

・・・・


放課後だ!世界は今から始まる!

さあ鮎川さん!・・あ。

クラスの男子が鮎川さんと話してた。

邪魔するのもなんだし、話が終わるのを待つか。


・・

・・・・

・・・・・・


・・えーと・・鮎川さん、そのまま男子と出てった。

カバンはあるから戻ってくるだろうけど・・何の用だろう?

気になるからちょっとついていくことに。ストーカーじゃないよ!

なお部活動は諸事情で顧問がいないためお休み中です。まぁ僕と鮎川さんは事情を知っているけど。


・・

・・・・


どこへ行くんだろう?・・東校舎?

あれ、男子トイレに入っていった・・鮎川さんも。

???ちょっと意味がわかんないんだが。

なんか入りづらいなぁ。不良のたまり場って感じで。

中でたばこ吸ってたらどうしよう。鮎川さん、もしやキスだけじゃ我慢できずたばこの誘惑に・・?

未成年がたばこ吸っちゃいけないと思います!

もし吸ってたら・・先生に・・いや説得でなんとかできれば・・

こっそりトイレを覗いてみる。


鮎川さんは・・男たちに弄ばれていた。

マゾリちゃんとか呼ばれてる。

・・でも・・鮎川さん・・全然嫌がってない。むしろ楽しそう・・


・・

・・・・


男2人は終わったらさっさと帰ってしまった。

トイレには鮎川さんがひとり残された。

・・鮎川さん・・

僕は・・トイレに入った。

鮎川さんは、便器に座ってぐったりしていた。


栞「あは、梨本くんだ。」

鮎川さん・・


栞「していく?」

僕は・・僕は・・


・・

・・・・


僕はトイレから逃げ出した。

こんなの・・なんでこんな・・


「どう?気持ちよかった?」


ジェミニさん!

なんで!なんでこんなことするんですか!?

鮎川さんも・・それに姫宮さんも・・


「なんで?そんなのどうしようと私の自由でしょ?」


でも・・天使様なんでしょう?


「この世の生き物を見てごらんなさい。すべて自分か、ひいては自分の種族のための行動しかとらないわよ。」

「動物も魚も虫も植物も、みんな自分か、ひいては同種族のための行動しかとらない。」

「人間だってそう。人間のために土をアスファルトにして、人間のために川や海に廃水を流し、人間のために野良犬や野良猫を駆逐して、飼われるか殺処分するか強要する。」

「ねぇ、人間は犬や猫をペットにするけど、どうしてミミズをペットにしないの?ゴ○○リをペットにしないの?」


そりゃあ・・気持ち悪いから。


「お金のために魚を増やして売ったり、お金のために鶏や豚を増やして売ったり、お金のために人気の犬や猫を増やしていらなくなったら処分して・・」

「ねぇ、人間って気持ち悪いわ。自分勝手で、勝手に崇めたり勝手に非難したり。」

「昔ね、天使の姿で人間たちのところに降臨したことあるの。どうなったと思う?」


いきなりだとおっかなびっくりするんじゃないかと。


「近づくだけの人や、膝をつく人、触ってくる人もいたわ。どういう気分だったかわかる?」


さ、さぁ。


「蟻が群がってくる感じ。どう?蟻が群がってきて、体を登ってきたら。」

「気持ち悪いわよね?」


まぁ、はい。


「私も気持ち悪くてね、その場にいた人間をみんな殺したわ。」

「天使が人間を殺す気持ちって、人間が貝を味噌汁にするために茹で殺すくらいの感覚しかないのよ。」

「だって違う種族だもの。いくら死んだって平気よ。」

「知能も低すぎてかわいそうとも思わないわ。あなた、ミミズとアリがどれくらい知能に差があるかわかる?」


いえ、わかりません。


「人間からすればそんなに違いはわからないわよね。」

「私から見るとね、ミミズとアリと人間の知能にも差って殆どないの。誤差程度の違いなのよ。」


・・


「話を戻すけど、すべての生き物は、自分か、ひいては自分の種族のための行動しかとらないの。」

「それは天使も同じ。神様も同じ。」

「天使は自分か天使族のための行動しかしない。神様も自分か神族のための行動しかしない。」

「天使も神様も、人間なんかどうでもいいのよ。それが当たり前でしょ?」

「人間は自分たちのためにしか生きていないのに、どうして他の生き物が人間のためになにかしてくれるなんて傲慢なことを考えるのかしらね。」

「ああ、傲慢だからよね。」

「人間は20万年以上生きているけど、他の生き物のためにどれくらい年月を費やしたかしら?なにをしてあげたかしら?」

「好きに殺して、好きに増やして、好きに売り飛ばして、好きに住む場所を追いやって、好きに守って、ずいぶん好き放題しているけど?」

「それでいて、どうして天使や神様が人間を見ていてくれるなんて思えるのかしらね。不思議でしょうがないわ。」

「ちゃんと見ていたらこう思うでしょうね。人間は滅びろ・・ってね。ふふ、どう?楽しい?」


・・い、いえ・・


「でしょうね。こんな話を楽しそうに聞く人間なんかいないわ。あなたが”でも・・天使様なんでしょう?”なんて聞くからつい答えちゃった。」


はい・・すみません。


「私がどういう気持ちであなたと接しているかわかる?」


いえ・・


「亀がのそのそ歩いていたから棒でつついて遊んでる感じ。結構楽しいわよ。」


そ、そうですか・・


「でも反応が小さくなって飽きてきちゃったな。ねぇ、あなたはどう?つまんない?」


そ、そういうわけでは・・


「最初は反応が大きかったり珍しかったりして楽しいけど、単調になったり動きが鈍くなってつまんなくなるのよね。」

「ねぇ、もっと私を楽しませて。つまんないからひっくり返しちゃうわよ?」


いや僕は亀じゃないし・・

あの・・僕は・・僕じゃ鮎川さんにふさわしくないのでしょうか・・


「人間は、犬猫が盛っていても純愛かレイプかわからないでしょ?天使もね、人間が恋愛しててもレイプしててもそんな違いなんて感じないの。」

「ひとりと恋愛してても、大勢と快楽のためにエッチしてても好きにすればってしか思わない。」

「犯れればいいんでしょ?って感じ。でも人間は大きく違うって思うみたいね。」


は、はい。


「ふさわしいとか、ふさわしくないとかよく知らないけど、優秀なメスを手に入れるのは優秀なオスなんじゃない?」

「自分は無能だけど優秀なメスが欲しいですとか、もうちょっとまともに考えたらって思うわ。」


で、ですよね・・


「・・でもね、人間の違いなんて誤差でしかないわ。」

「目標もってやる気を出せば3年・・ううん、1年もあれば違う結果を出せるものよ。」

「それが50歳でも60歳でも同じ。やろうとしなければなにも得られない。他人に結果を委ねるだけじゃどうにもならない。」

「自分で行動するのよ。」


僕でもなんとかできますか!?


「80になっても、90になっても死ぬまで諦めないで。少しでも体が動くならやる前から諦めないで。」


僕は土下座をした。

あの、僕、僕、これからがんばります!精一杯やります!

だからその、間違った方向に進んでないか時々でいいんです、見てください!


「時々とか途中で飽きちゃいそう。」


そ、そうですか・・


「だから・・まぁ少しだけね。見ててあげる。」


あ・・ありがとうございます!


「飽きたらやめるけど。」


あ、はい。飽きさせないようがんばります。

・・というわけで、天使様監修の下で僕の人生は始まった。

あれ、でも鮎川さんの人生って・・


「気になるなら合宿前まで戻してあげてもいいわよ。」


さすが天使様!あ、でも同じルート辿ったら同じ結果になるんじゃ・・


「そこはあなたがなんとかしなさい。指示はしてあげるから。」

「私の言葉はあなただけにしか聞こえないから。」


がんばります!


「ああそうそう、がんばるのはいいけど恋愛はどうするの?」

「望むならハーレムでもセックスフレンドでもなんでも作ってあげるけど?」


・・僕は・・自分を成長させたいです。

僕が成長するまでは恋愛はしません!ストイックにいきます!!!


「おk」


よーしがんばるぞ!


・・

・・・・


時間は戻った。


「明日から合宿だから、保冷ボトル買いなさい。」


・・なんで?


「合宿で必要なのにあなたの家にないからよ。あと説明面倒だから指示は黙って受け入れなさい。」


は、はい。すぐ買います!


「500ミリペットボトルを冷やせるタイプがいいわね。」


おおせのままに!


言われた通り、ホームセンターで保冷ボトルを買った。

今は色々な種類が出てるんだな。値段も色々だった。


・・

・・・・


いざ、合宿!(明日から)

というか僕、陸上部で固定かな?


実理「おにーちゃんなにしてんの?」

実理みりか。明日の合宿に向けて気合入れてた。


実理「どうせレギュラーにはなれないんだし、諦めたら?」

おにーちゃんの辞書に、諦めるという文字はついさっきなくなったんだ。


実理「(悪)」

なにそれ?


実理「かっこ”()”と、わるい”悪い”で”かっこわるい”」

なんじゃそりゃ!


「ここは褒めてあげて」


え?天使様?あ、はい・・こほん。

おー確かにそう読める!お前すごいな!


実理「ふぇ?・・ん、まぁね。」

さすが僕の妹だ。僕に似てセンスある。


実理「血・・つながってないよね?」

・・はい。

義理の妹です。


・・

・・・・


さーてゲームして寝るかー。


「夏休み明けに向けて予習をして寝なさい。」


・・あれ?

いやこういう小さなところから変えていかないといけないんだな。

ほんのり涙を流しながら英語の予習をしてから寝た。

ゲームしたいお(´・ω・`)そろそろ挫折しそう。


「あと明日の準備だけど、下着は1枚多めに持っていきなさい。」


下着?ま、まさかなにかイベントが!

外でついやっちゃって、下着を汚したり?

超ハイテンションに下着を用意した。


「それと勉強道具も(にっこり)」


何の合宿だっけ?


・・

・・・・


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