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夜散歩  作者: 高橋 紫苑
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1話

 空は暗く、月だけが輝いている。地上付近は街灯の明かりがあるので夜にしては明るい。いつもの夜だ。多少の変化はあるけど、よっぽど大きな変化がなければいつもの夜だ。

 そして、今日も私は夜の中を散歩する。


 私の趣味は夜に散歩することだ。夜に散歩しているからって夜遊びをしているわけではないよ? 本当に散歩するだけ。考え事をしながら夜歩くのは楽しくて止められない。

いつもどんなこと考えてるかって? それは色々。例えば美味しい飲食店のことや、今日自分で作った料理のこと、友達が作ってくれたお菓子のこと等々……もしかして今私のこと食いしん坊だと思った? 違うよ、たまたま最近食べ物のことに関して考えることが多かっただけで食いしん坊なわけでは決してない。確かに周りにいる女の子よりは食べるけど、食いしん坊ではない。……たぶん。

それで、今日はお菓子作りが趣味の友達について考えている。その子も私も大学生で、同じサークルに所属している。その子は定期的にお菓子を作ってきて、サークルのみんなに渡している。ただ、その行為にある意図が存在することを私は知っている。どうやら、そのサークルのある先輩に女子力アピールをするのが目的みたいだ。必ずその先輩に一番に感想を求めるからバレバレだね。知っているのは私だけじゃないかも。

そういえば、今日は個別に包装してみんなに渡していた。彼女が好きな先輩の分には手紙みたいのが入っていたから、そのためかな。あれぐらいバレバレだと、やっぱり私以外も知ってそう。後で聞いてみよう。それより、あの手紙らしきものがラブレターだとしたら、返事はどうなったのかな? まあ、明日からの彼女の様子を見ればわかりそうだけど。

私はそんな事を考えながら今日も静かな夜の街を孤独に歩いた。


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