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ヒーローロード  作者: MrR
ブレン編
54/72

第四十七話「ジェネシスの意志」


【現在の状況】


 天照学園:迎撃態勢準備中


 世界各国:戦闘態勢に移行


 日本政府:政権機能麻痺状態


 地球連邦軍:ブレンに対して反攻作戦を準備中。


 地球連邦軍日本支部:戦闘中。苦戦しながらも自衛隊との共同戦線で持ち堪えている。


 自衛隊:独自に戦闘を展開。地球連邦軍日本支部と共に防衛線を構築し、苦戦しながらも持ち堪えている。


 天野 猛たち:学校を拠点としている自衛隊と合流して行動を共にしている。


 姫路 凜たち:グレースや春龍、春龍の配下達や天村 志郎直属の天村財閥のスタッフなどとともに巨大飛行機・蒼翼で発進。ブレンの滞空迎撃から逃れるために低空飛行かつ遠回りのルートを選択している。


 森口 沙耶:同業者(魔法少女)を召集中。


 ハヤテ:同業者(忍者)を召集中。



   

 Side of 黒崎 カイト



(まさかこんな事になるとはな・・・・・・)


 漆黒のコートを羽織って、黒い大型のバイクを走らせながらカイトは荒れ果てた道を行く。

 たったの一日で日本はまるで別の国になったかのように様変わりしていた。

 紛争地帯とやらに足を運んだ事はないが、きっと今自分が見ている光景を言うのだろうと思った。


 ひび割れたアスファルト。

 焼け焦げてそこら辺に放置された車。

 そこら辺に転がっている遺体。

 ひび割れた建物。

 窓ガラスが散乱してガラスの破片が散乱している。

 ガソリン、産業廃棄物などが燃えたせいで様々な異臭が入り交じった臭いがバイクのヘルメット越しでも伝わってくる。


 人気が少ない場所で警戒しながら一夜を明かし、そこらのコンビニで食料を調達し、黒崎 カイトは最初、どうするべきか迷った。

 

 そもそも黒崎 カイトは学園島にはおらず、学園島外でのデザイアメダルの――より正確にはブラックスカルの痕跡を辿っていた。


 理由は様々だ。アサギの仇を討つのもあるし、アサギ達の研究を悪用させないためもある。何より裏切り者の海堂達とは決着を付けなければならない。許すわけにはいかなかった。


 そしてジェネシスの、アサギの名誉を守るためでもあった。


 だがこうして宇宙人が侵略者として来訪していると言う、B級映画当然の状況で自分は悩みながらもがむしゃらに戦った。

 

 その戦いもどうにか一段落して、想うのはあの日の、天野 猛との戦いだった。 

 より正確には戦う前に話したとある理由が「今の」自分の信念を揺るがしている。


(ジェネシスの本当の目的?)


(ジェネシスはそもそも発見されたオーバーテクノロジーや学園で産み出された超科学技術などの平和利用を目的とした団体じゃない。お前のスーツや俺の変身アイテムを見れば分かるだろう? どう見ても戦闘用だ)


(じゃあ本当の目的は?)


(ジェネシスの人間は地球外生命体の存在・・・・・・平たく言えば宇宙人の存在を信じているのさ。そして接触し、万が一対抗する事態に陥った時の為にお前や俺のスーツを開発したんだ。少なくとも今の様な状況のためじゃない)

 

(誰から聞いたの?)


(ジェネシスの関係者からだ・・・・・・もしこれが暴露されれば世間はどう思う? 下手をすれば道化の集団だ)


(だから証拠隠滅の為に破壊して回ろうとしたの?)


(そうだ。それが表沙汰になる前に全て一人で決着を付けようと思った。今でもその気持ちは変わらない)


 そう。その筈だった。

 だがアサギやその仲間達を道化にしない筈が、今や自分が道化になってしまった。

 苦笑してしまう。


 正直どうすれば良いのか分からなかった。


 謎の異星人、「ブレン軍」達は今も様々な媒体を通じてメッセージを延々と送り続けている。

 本来ならばブレン軍と戦わなければならないのだろうが、どうにもそう言う気にもなれない。

 そんな時にあのマスクコマンダーと合流した。 



 マスクコマンダーと出会ったのはバイクを背中にして立ちながらコンビニの飯を食べている時だった。


『探したぞ』


 相変わらずの黒装束の格好で忍者の様に突然前に現れた。

 何時もの事なのでカイトは「らしいな」と皮肉下に返した。


「で? 俺を笑いに来たのか?」


『何を笑う必要がある?』


「俺が戦う理由を話した事はあるだろう? こうして宇宙人の侵略が行われた――ジェネシスは正しかった事が証明された」


『それで道化になってしまった自分と向き合えないわけか』


 フンッとそっぽ向いてしまう。


『君の復讐の旅路をどうするかは勝手だが、このまま奴達を放置しておけばこの国どころか全世界が支配下に置かれてしまう』


「で? 俺の手も借りたいと言うところか?」


『異星人の攻撃対象に子供も女もない。アサギの気持ちを尊重したいなら――今の自分の気持ちにケジメを付けたいのならばブレンと戦った方がいい』


「カラーギャング相手にするのとはワケが違うぞ?」


『場所を指示する。そこに行けば事態はある程度好転する』


 そう言うとカイトのスマフォに着信音が鳴り響いた。

 見るとそこにはMAPが表示されていた。

 マスクコマンダーはそれを見届けると立ち去ろうとする。


「待て。まだ協力すると言ったつもりは――」


『なら無視すればいい。今度の戦いはカラーギャングを相手にするのとはワケが違うのだからな』


 カイトのセリフを返してマスクコマンダーは空高く跳躍。

 近くの雑居ビルの屋上に飛び移り、そのまま目にも止まらぬ高速移動で姿を消した。

 相変わらず忍者みたいな奴だ。

 

 正直ブラックスカルの最終決戦、ムクロの戦いの時に自分が足を引っ張らなければ一人でも勝てたんじゃないかとカイトは思う時があるが・・・・・・まあ過ぎた話である。


☆ 

    

 そうしてカイトは特に使命感とか、闘志が湧いたとかそう言うわけでもなく、ただただ気分的に目的地まで走らせた。

 場所は航空自衛隊の基地の一つらしい。

 

 そこで今はとても顔を合わせにくい天野 猛達が仲間と一緒に待っているそうだが・・・・・・


「戦闘になってるな・・・・・・」


 辿り着いてみるとブレン軍の円盤やら巨大ロボットやらが大挙して押し寄せていた。

 その群れの中には明らかに地球側の兵器も混じっている。

 コピーでもしたのだろうか。

 

(ともかく戦うしかないか)


 バイクに乗りながら変身態勢を整える。

 昨日から激戦続きで少々疲れているが、だからと言って逃げるわけにも行かない。

 てか今の状況で逃げたら延々と追い回されて最悪追い詰められる可能性もある。

 それにここで見捨てるのは情けないし、後味が悪い。

 

 流れ弾に当たらないようにバイクを置いて、空中へと飛翔した。  

 ブラックセイバーは空中戦闘型のスーツだ。

 その気になれば戦闘機以上の速さを出せるスーツである。

 それに敵の戦力も航空戦力が主だ。


 飛んでいった方が良いだろう。 

  

 カイトは先を急いだ。 

本当にお待たせしました。

にも関わらず短くてすいません。

次回は出来る限り早く投稿します。

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