54話 魔王カッパ
結果だけ言えば石田が残った部屋以外の二つの部屋にも似たような大きさのそれぞれ色違いになる宝石のような石があったので、二番目の部屋には赤色の石がありそこには石山を置き、次の三番目の部屋には緑色の石があったので石川を置き、俺はその先にある大きな空間へと転移した。
広さは先ほどの部屋より更に広く、完全に異次元と化していた……悪趣味な事にその広間の中央に必要性がない天まで届きそうな背もたれを有する玉座に全く不釣り合いな魔王カッパが鎮座していた。
カッパ……河童だった、それも二頭身のゆるいキャラクターにしか見えない物体がいる……黄金の皿というか恐らく平たい王冠にそのしたから見える髪の毛――――と思わしきうねうね動く触手モドキに、どこを見ているかわからない虚ろな瞳はビー玉かなにかじゃないかと思われ……嘴に牙が生えどう考えても閉まらない仕組みになっているらしくヨダレがダラダラ垂れている、後肌の色は石のような灰色。
ゆる+狂気……ないなぁ、ちょっとキモい。
「ぐぇえ? 誰ッパ?」
前半の奇声の高さと後半の低い声のギャップに俺は後退る、こんな物体世の中に存在していいのか?
「あー……えーと、攫われたお姫様を助けに来た勇者の知り合いだ」
ここに居るにしては全く関係ない人間である。
「ぐぇえ? 皿割れたッパ? そいつはマズイ、今すぐ修理するッパ」
妙な聞き間違いをするカッパはその頭の触手をうねらせながら俺に向かって伸ばしてきた――――勿論キモいので俺に到達する前に次元をずらして切断してやったけど特にダメージはないらしいが少し警戒はしてくれたようで玉座から立ち上がった。
「ぐぇえ! キサマ、敵ッパ!」
カッパは憤慨したのか、肌の色が赤みを帯び目も血走っている……そしてカッパの怒りに呼応するかのように城が揺れ始める。
俺は一応石田達を気にかけ三つの画面を生み出してそれぞれの状況を映し出す。
この揺れはカッパが原因じゃないっぽいな――――画面に映し出されていた光景はそれぞれ似たようなものでありながら赤、青、緑の三色に分かれていた。
巨大な宝石のようなものがそれぞれの色で発光しながら表面に亀裂が走り、砕け散った……そしてその中から現れたのは三体の化物。
石田の前には半月型の模様が青いラインで描かれた灰色のゴリラ、石山の前にはV字に横一文字の入った模様が赤いラインで描かれた白骨のキツネ、そして石川の前にはCCCとCを繋げたような模様が緑色のラインで描かれた黒い蛇に女の身体……所謂メデューサという奴だ、カッパよりよっぽどボスっぽい姿のモンスターと対峙する三人。
正直少しだけ後悔した……やっぱり置いてくるべきじゃなかった、しかし行きたいのは山々だがカッパの様子がおかしい、多分アレをどうにかしておかないと俺はここから出られない……事もないがここまで手順を踏んできたのだから相手してやらないとかわいそうだ。
俺は空間鎧を全身に纏う……と言ってみたが実際のところ厚さ一ミリ程度の空間を身体の周りに展開しているだけだ。
この程度の事でも空間を切り裂くような能力でもなければ俺に触れることすら出来なくなる、つまりいつも通りである……安全地帯から余裕を持って殴り合い、一方的な単純作業。
カッパは相変わらず動きは見せないが、それでも段々と色が赤く染まり微々たるものだが少しずつ大きくなっている気がするのでとりあえず殴っとこうかな。
俺は前方転移でカッパの正面に躍り出る、やはり無反応なので手刀で片目を狙い突き出したが……それでも無反応、目玉を抉る嫌な感触が実際に触れているわけでもないのに突き出した手に絡みつくような感覚に素早く手を引っ込めて後方転移で距離をとって奴を見ると――――無傷だと!?
確かに俺は奴の目を抉ったはずだったのにやつにはその痕跡すらなかった、もしかしたらあれは幻覚だったのだろうかとにかくあちらからは何もしてこないんだしもうしばらく様子見しつつ石田達の様子でも見といてやるかな。
しばらく更新が遅れる可能性があります。
カッパさんの方向性がまだよくわからないので。




