51話 石兄弟の言い分
毎日更新する気はないんだけどね。
「おい、てめぇ黒田! 今までどこにいやがったんだ! 俺達がどれだけお前のせいで苦労した事か……」
転移して早々にこれである、一体俺が何をしたのか……逃げたことを言っているならシスコンも同罪だろう。
「知るかよ、俺はわざわざお前らを迎えに来てやったんだぞ、それでチャラにしろ」
嘘だけどな、本当に偶然見つけたんだけど丁度いいから元の世界に戻してやろう……そうすれば石川はともかく他の二人の溜飲は下がるだろう。
「迎えに……? ま、まさか! 俺達帰れるのか!?」
ひょろい石山は見た目通りちょっとひ弱だからな、この状況には堪えていたんだろう……素早く俺の肩を掴み泣きついてきた。
「お、おい……俺達は今から何をしに行くところだったか忘れたのか?」
少し躊躇いがちに石田は石山に詰め寄ってきた――――暑苦しいからそういうのは向こうでやってくれ……俺は二人から距離を取る為三メートル程後ろに転移した。
「黒田――――そうかてめぇの能力は瞬間移動か!」
「別にお前には関係ないだろ」
無謀にも俺に体当たりを仕掛けてくる石川に対して軽く進行方向を反転させて石田達を狙ってやると石田がしっかりとキャッチした。
「とりあえず落ち着けよお前ら、事情によっては手ぐらいかしてやるさ、俺はとっとと家に帰りたいんでね」
帰ってもやることないんだけどな……しかしこんな色素という存在がほとんど皆無な場所に長居してたら気が狂いそうだしさっさと帰りたいのは本当だ。
何かやらなきゃならん事があるなら一応勇者的な存在だった俺が協力することですぐに終わるだろう、こいつらの能力ははっきり言ってチート地味た領域には達していないと思うし。
「手伝ってくれるのか、それは有難い……実は――――」
以下略! 長い、こいつこんなに喋るのかってぐらい喋る、その上説明がどうにも下手くそで要領を得ない為に作文用紙三枚分ぐらいは喋りやがった……でも要約にすれば三行で終わる。
・俺たちを追いかけていたらこの世界に飛ばされてそこでこの国(今居るここら辺が領地らしい)の三人お姫様に出会い見初められて勇者になった。
・数週間ここで過ごした後にこの世界に魔王が現れその三人のお姫様が攫われてしまった。
・そしてこのスーパーストーンブラザーズはお姫様を救出するために果敢にも三人で城を飛び出し、今に至る。
全然何も話が進んではいなかった……ただ、城を飛び出して近くにいた魔王の手下の亀達を怒りに任せてぶっ倒しただけだという。
そんなことしている暇があったらさっさと先に進めばいいのに……そもそもどこにその魔王が居るかも分からないとか言っている始末。
「お前ら……前々から思ってたけど、馬鹿だろ」
俺は少し悲しくなった、今までこんな奴らと一緒にされていたのかと……あ、涙出てきた。
「テメェも変わらねぇだろ! バーカ、バーカ!」
ガキのように喚く石川……しかし俺は成績としては中の中、響也ですら下の上であるが、こいつらと来たら石田・石山は下の中だが石川に至っては下の下、学年最下位だ。
「で、石川はほって置くとして何か手掛かりはないのか? 例えば方角とか」
方角さえ分かれば俺の《サーチ》で大体分かる、色々な探索魔法に転用してきた俺の《サーチ》は今や通常のものでも地球全体を見通せるほどのチート魔法へと進化している。
ひたすら石ばかりの世界とは言え地球より広いとは思えない……いや思いたくない、こんな代わり映えしない風景が永遠と続いているとか悪夢だろ。
「ああ、方向だったら分かるぜ……亀どもがやってくる方向、それを辿っていけばいずれ魔王の城に辿り着く」
頭いいだろって顔している石山には悪いが、そんな事誰だって分かるし、それにもし魔王が俺みたいな召喚術を使えたとしたら? 亀がやってくる方向など宛にならなくなるが……こいつは召喚術なんてものを知らないんだろう。
話からするとこいつらは召喚されたというか、一種の神隠しに近い状態だと思う……俺達を探して近くにあった神社の裏にある鳥居がズラッとならんだ如何にもその段階で怪しいだろって感じの石段を登って行ったらいつの間にかこの世界に居たっていうんだから。
何にせよ何か情報が欲しいな……こいつらが飛び出していったっていう城に一度行って情報を聞いてくるべきと判断した俺は三人にここで待っているように指示を出してから奴らが飛び出して来たという国の城に転移した、場所も分からないが《サーチ》で生命反応を拾えばなんとかなるだろう。
なんとか間に合った?




