50話 石兄弟
別に毎日更新するつもりはないんだ、とも思っていたけどそれでも書きたくなるのが熊の性
どうしてこうなった……そう言わずにはいられない。
三人から来た返信の内容はどれも芳しいものではなかった。
『悪い、これから鹿子と買い物に行くから無理』
『ごめんね、家族で海外旅行中なの』
『今、茜とデート中なんだ、邪魔しないでくれ』
だとさ――――みんな外出禁止なのではないのか?
響也はシスコンだから仕方ない。
亜理子は家族といるなら、まあいいだろう。
リア充は抜け出してデートするというスリル中毒なので文句言っても今更だ。
連中を誘った俺が馬鹿だった……というか悔しいじゃないか、なんで俺だけ真面目に自宅に引っ篭ってんの? むしろ俺ならあいつらよりも行動しようと思えばどこにだって行ける。
俺も出かけよう――――それこそ誰も知らない異世界へ!
そんなこんなで俺がやってきたのは……灰色の世界とでも言うべきところだった。
分厚い灰色の雲が一面を覆う空に、無機質な岩肌を見せる岩山、大地も緑や土色に縁遠い感じで所々に木の代わりとも言わんばかりの土管が生えていた。
そう、土管が生えていた……何も間違ったことは言っていない、石の大地に継ぎ目もなく無造作に生えた土管、真っ直ぐなものもあれば少し傾いているものもあるし、ぐにゃりと曲がった物まである。
更に更に、無数に枝分かれしたり、細かったり太かったりと全くもって使い道の分からないものばかりだ。
遠くに動く物体が見える……あれは亀か?
デカイ岩のようなリクガメがノッシノッシと行列を作って行進している、ここから見ると割と小さく見えるのでなんだかアリみたいだ。
『うおおぉぉぉ!!』
どこからともなく雄叫びを上げながら三人の男が走って来た、真っ直ぐ一直線に亀の行列に向かって真横に突っ込んでいく。
俺は様子を見るために《ディメンションスクリーン》を使い、空間に拡大して映した……そこには石の鎧を身にまとった三人の顔見知りが居た。
強いて言えばスーパーストーンブラザーズ、石田、石山、石川の三人……修学旅行先で俺と響也が全力で振り切った奴らがそこには居た。
雄叫びを上げながら三人の先頭を石田が、疾走しそのまま肩から岩亀に激突……亀を粉砕しながら突き進み、後方から右手を掲げた石山のその手から拳大の石が弾丸のように打ち出して石田が漏らした亀たちを砕いていく。
そして石川、奴はその二人の後方から飛び跳ねたかと思えば、鋭角に曲がって流星の如く突っ込み大地に巨大なクレーターを生み出す、これには多くの亀たちがコロコロと転げ落ちたくさん居たように見えた岩亀達は全滅した。
『ったく、いいところばっか持って行きやがって、少しは残しとけよな』
体についた岩亀の破片を払い落としながらそう愚痴る石田は柔道部にも負けない大きな身体を伸ばした。
『全くだぜ、石田はともかく俺は手から石ころが出るだけだぜ? 地味すぎて目立てねーだろ』
右手に弾丸にしていた石をお手玉のように上下に投げてカッコつけてるつもりの石山は少しひょろ長い。
『仕方ねーじゃん、俺が最強ってことで許せよ』
この三人の中で一番……といっても学年で言えば間違いなく底辺に当たる頭脳の持ち主、背の低い石川は画面から見切れていて姿が映っていない。
なんであいつらがこんなとこに居るかは分からないし探していたわけでもなく全く偶然であるが、今までのこいつらとの腐れ縁地味た因縁に嫌気が差しつつ俺は連中の元へ行くために転移した。
――――はぁ、どう考えても嫌な予感、というかこれは少し長い旅になる……そんな予感がした。
スーパーストーンブラザーズ編開始?




