47話 鹿子救出劇
今回あっさり短め、まあ後三百人とか無駄に多く設定した為に最初はあっさりとこんな感じですよーみたいな。
ここはアノレカデアの魔王城……魔王の間らしい――――そこには今六人の人間と無数の悪魔が居た。
六人のうち一人は悪魔側で小さな女の子だ、名前は霧島鹿子……響也の妹が悪魔を侍らして恐らく勇者……である緒方元気、俺のクラスメイトだ、そしてその隣に寄り添っているのは緒方の彼女、船橋茜だ、杖を持っている感じからして治癒術師だろうか。
後ろにはある意味お約束っぽいエルフ的な種族の弓使いと大男の剣士みたいなのがいる。
ちなみに緒方が持っているのは剣とかじゃなく黄金のバットだ、流石野球部員。
「魔王覚悟しろ!」
緒方が鹿子ちゃんにバットを向ける、まるでホームラン予告のようだ……それこそ鹿子ちゃんを葬らんとしてる訳だが。
「ふざけるなっ誰がアンタらなんかにやられるか」
鹿子ちゃんが右手を掲げるとその手のひらにスイカぐらいの大きさの火球が生まれ、それを緒方に投げつけた。
緒方はそれを見てからバットを構えた……まさか打ち返すつもりなのか?
「遅い、そんな球簡単に打ち返せるぜ!」
音こそしなかったが確かにそれはホームラン、真っ直ぐと鹿子ちゃんに向かって飛んでいった鹿子ちゃんは避ける訳もなく手で頭を抱えその場に座り込んでしまった、周りの悪魔も自分の命を惜しんで庇う様子がない。
なんでこんな事になっているか分からないが――――とにかく、出番だな。
「うぉおおおりゃぁぁ!」
そんな叫び声と共に鹿子ちゃんの前に立ちはだかり、打ち返された火球を拳で打ち砕いたのは……来る前に髪を黒く染め適当に俺が《カット》してやった無造作ヘアな響也だ。
「お、お兄ちゃん!?」
鹿子よ……後ろ姿だけで良くわかったな、他の家族からは白髪ってのもあったが肉質が変わっていたから初見で見破れたのは鹿子だけって事になるな。
「てめぇ、緒方! 俺の妹に何をしやがる!」
憤怒の響也は緒方に殴りかかるが、緒方はそれをバットで受け止めた。
「だ、誰だよお前は!」
流石に緒方じゃわからないか、船橋も似たような、しかしどっかで聞き覚えのある声だと思っているような感じだな……流石一度聞いたことのある音や声は忘れることがないとかいう特技持ちだ。
でも状況が状況だけに混乱しているんだろう、やっぱ俺が出て行くべきか、亜理子は船橋の方に向かわせておく、一応は修学旅行じゃ同じ班だったわけだしな。
「待て、緒方……それと響也も抑えろ、後そのへんの悪魔どもも動くな動いたら殺す」
俺が出てきた事によって鹿子、緒方、船橋は動きを止めた。
「しょー兄ちゃん?」
「鹿子ちゃんも無事そうでなによりだ、響也がうるさいから助けに来てやったよ」
「……しょー兄ちゃん」
なんか残念んそうな顔になった、言い方が悪かったか。
「黒田、お前どうやって……」
「そこは愚問だ、どうやってなんて聞くなよただ俺はそこにいる魔王とかにされてる響也の妹を探しに来たらお前ら居たからついでに連れて帰ろうと思って現れただけだよ」
果たして愚問だったのか? 自分で言って使い方に悩む……まあいいか、とりあえず連れて帰る旨は伝えた。
「帰れる、のか?」
「帰れるの?」
「そーだよ、帰れるんだよ、その為に私たち来たんだから」
船橋を背後から脅かすように飛びついた亜理子がそう言った……ま、足音でバレてたので船橋は大して驚かなかったが。多分足音を覚えてたんだな、きっと。
とりあえずは感動の再会って事で少し気が緩んでいたのかもしれない。
「キサマら動くな! 動けばこの娘の命はないぞ」
そんな小悪党なセリフを吐きムードをぶち壊してくれる流石悪魔みたいな、どっちかというと小学生向けの虫歯菌とかばい菌なんかを絵にした時の黒いアレみたないな黒の全身タイツの変態みたいな、言い表すのもめんどくさい悪魔が鹿子ちゃんの首筋にナイフを突きつけているが――――響也が跳んだ、それは同じ魔力量を持つ俺ぐらいにしか認識できないほどの刹那、響也の拳が変態黒タイツの顔面に突き刺さり、頭蓋を粉砕するというグロテスクな状況がしっかり見えちまった……勘弁して欲しいものである。
響也に顔面を砕かれた悪魔はその衝撃で壁を突き破りギャグ漫画みたいに空の彼方へと飛んでいった――――既に絶命してるがな。
「やれやれ……他も一掃しとこうか」
こうして俺は悪魔どもに死刑宣告を言い渡すのであった――――《ハートカットサモン》を使い、俺の周囲に脈動する赤い臓器を召喚する。
もちろんこれは悪魔どもの心臓だ――――《スペースプレス》俺が合掌することによって周囲の空間を潰せば、悪魔の心臓はトマトのごとく潰れる、と同時に悪魔どもは絶命した、《ハートカットサモン》はあくまで切り取りではなく心臓のある空間を分断して近くに召喚するだけなので実際には心臓は悪魔達と繋がっている状態で空間を歪ませ心臓がまるで俺の周囲に現れたように見せただけだ。
「はい、終了……さて、帰るぞ」
響也が鹿子ちゃんをお姫様抱っこして連れてきて、亜理子が船橋の背中を押して連れてきて俺達は緒方を中心にするように集まった。
「じゃ、そういうわけで《リターンホーム》」
どこにいても我が家、俺の自宅に戻れる画期的な魔法を用いてみんなで世界を越えた。
後に残された、緒方の仲間のエルフが「なんなのよ、一体!」とか叫んでたのが空間越しに俺の耳に届いたがやはり少し説明してから帰るべきだったかな。
こうして、俺達の救出劇の初陣はおよそ十分程度で幕を閉じた――――といってもこれで残りの行方不明者の数が三五五名に減っただけなんだよな、まだまた先は長そうである。
毎日更新をやめようかなって思ったけど継続してこその自分だと思い急遽書いた、ちょっと雑かもしれませんが後三百人以上いるのでそこら辺は勘弁してください。
だからといってひとつの世界に三百人とかはやらないのでご安心ください。




