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召喚術師の喧嘩殺法  作者: 噛み付き熊さん
第一章 異世界導入編
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37話 女神降臨

 それは防戦一方と言うより元から攻める気がないそんな感じだった。ただ、ルナの拳を避けたり受け止めたりするだけで一切手は出さない。


「どうしたっ魔王っていうのはそんな程度なのか!」


 多分頭に血が上っているルナでは今の魔王に戦う気がないっていうのは分からないだろう。いや分かっていても後に引けないってとこか?

 しかしあの肉体の何処にそんな力があるのか、ルナの拳が魔王に当たる度に衝撃はが生まれ魔王城を揺らし壁に亀裂を生む。


「ふむ、あの子の小さい頃にそっくりじゃな……私もああやって手こずらされたものよ」

「そういや今の魔王の前の魔王って富士さんなのか?」

「いや違うぞ、私はあくまで乳母じゃからな前魔王様にお仕えしていた」


 それでなんで乳母の富士さんが子供の頃の魔王と戦うっていう状況になるんだか。


「いやー昔の魔王様は本当にやんちゃでしてな、よくニーベルリユウム様に喧嘩を売っていたのですよ」


 と答えてくれたのは臣下の……。


「グスタムと申します、以後お見知りおきを」


 アンタも心を読むのか……。


「ええ、まあ嗜む程度にですが」


 嗜む程度で心読めるとか魔族はんぱねぇな。


「ふっ!」


 グスタムとの話に気を取られていて見てなかったがルナの渾身の一撃が魔王の鳩尾にクリーンヒットし、魔王はそのまま壁まで吹き飛ばされ城に風穴を開ける。


「あ、皆様お茶の支度ができましたよ」


 結構年配のメイドがポットとカップを持って現れた……こんな状況でお茶とか大丈夫なのか?


「いつでもどこでもお茶を楽しめる、上流魔族とはそういうものです」


 こちらが何も言ってないのに答えてくれるメイドさんはメイドの鑑かもしれないが。


「アンタも読心術を?」

「むしろ魔族なら大体は出来ますが貴方の場合そんなことしなくとも顔に出ていますよ?」


 そう言われて、富士さん達の方を見ると目を逸らされた……もしかして今までずっと顔に出てたのか? ちょっとショックだ、そうならそうと言って欲しかったな。


「そ、そう落ち込むことはないぞ主殿、分かりやすいという事ははっきりしていて良いということだ」


 それはちょっと無理があるのでは? と思わなくはないが富士さんのせっかくのフォローだ有り難く頂戴しておこう。良い事という割に褒められてる感ゼロだけど。


 ガラガラと音を立てながら埃まみれの魔王が瓦礫の山から起き上がってきた。


「強くなったなルナルナール」

「ふんっ今のわた……我の名はルナだ」

「いや、一人称は無理に変えなくとも良いのだぞ? 魔王だからといって態々そんな偉そうな喋りをする必要ない」

「え、そうなの? そっかじゃあルナはルナだよ」


 あれ、ルナの怒りも収まったのか?


「それでは改めて――――強くなった、ルナ」

「お父さん……ルナは魔王になりたい」

「どうしてだい?」

「緑の神様が言ってた大きくなりたかったら魔王になればいいって、不老不死の力を、『老い』の力をコントロールできるのは魔王だけだって」


 ここに来て緑の神様とか言われても誰だろう、あの桜色の神様ではないだろうけど。


「……葉桜様か、あの方にも困ったものだ」


 魔王の言う葉桜……なんかな、桜色の神様の親戚ですか?


「……その通り」


 誰だ――――そう思って振り返ると見覚えのある神とそれに瓜二つな奴が立っていた。


「葉桜様、それに桜様まで……何故ここに降臨なされたのですか!?」


 魔王がなんか焦っている、他のみんなも同様に、その中で何が何だか分かってないのが俺と亜理子だけだった。

 いや、俺は知ってるんだけどね、片方がこの世界の神様だって事ぐらいは――――ただ周りの反応から察するにあの緑色の方も神様らしいな。


「いやー僕だけ出番ないとかそれはないよねマスター」

「姉さま、それアウトです」

「えっ、そうなの?」


 どうやら桜色が妹で緑色が姉らしいが――――だらしのない姉にしっかりした妹って感じか。


「えーとですね、とりあえず私たちは魔王就任の儀式を執り行いに来たんですよ?」


 妹の方が説明しだした。

 なんでも魔王の器、今はルナのお父さん、めんどいから略してルナパパね――――がそろそろ魔王の力に耐え切れなくなってきたからそれを娘であるルナに譲渡する儀式を行わなければならなかったのでその連絡を兼ねてルナを魔王の元へ送り返そうとした姉神様はルナにそんな感じで伝えてそのまま港町にポイ捨てしたらしんだが、ルナは何を勘違いしたのか戦い始めちゃったから急いで止めに来たんだとか。


「ちなみにルナになって言って送り出したんだ?」

「……えーとね、確か『魔王にならないとおっぱい大きくならないよ、けど多分魔王は反対するだろうから少し痛い目に合わせたほうがいいよ』だったかな」

「思いっきりお前のせいじゃねぇか!」


 俺は姉神の頭に一発入れてやった。


「……あうっ痛ぁい……久しぶりなのにこの仕打ち、僕グレるよ?」

「姉さま、自業自得です、それに彼は覚えてないんですから仕方ないんです」

「それは仕方ないね」


 さっきから何を言っているのかさっぱりだけど、とりあえずその儀式ってのやってくれないだろか?


「相変わらずせっかちだなー君は……それじゃあとりあえず、始めようか」




 そういうと姉神は部屋の中央へと歩いて移動するとそこから草花が生い茂り、床一面が緑に包まれた――――それにしてもルナが魔王か、一体どんな風になるんだろうか?

空気とはどんなに足掻いても空気である。

その名をフランス――――次点で葉桜様だな、設定すら忘れててここに急遽降臨なさった

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