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召喚術師の喧嘩殺法  作者: 噛み付き熊さん
第一章 異世界導入編
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36話 魔王の封印

「こちらが魔王様が居られます謁見の間でございます」


 物々しくどデカイ扉の前に立たされてこちらですとか言われてもな。


「今お開けしますので少々お待ちください。」


 そう言って魔王の臣下の方々はその馬鹿デカくて重い扉を十人掛りで押すのであった……ビクともしてねぇけどな。

 俺は右手を掲げ《ディメンションプレッシャー》空間に圧力をかける……イメージとしては見えない壁で押しつぶす魔法だ、それを用いて扉を押すとゆっくりと扉は開きだした。


「こ、こちらです……どうぞお入りください」


 ほとんど虫の息の臣下の方々が人一人通れる程度の隙間が空いた扉の間を指差し、今のうちに入れって事らしいけど、そこまで開けてやったのは俺だからな?

 そしてゾロゾロと部屋の中に入っていく俺達がまず最初に目にして驚いたのが――――アレだけ大きな扉だったのにも関わらず部屋の中が狭かった事と、正面の壁が水晶だった事、それとその水晶の中に巨大な悪魔や竜を混ぜたような化物が閉じ込められていたことだった。


「魔王陛下、ニーベルリユウム様並びに御息女のルナルナール様、それからお供の方々がお見えになりました」


(うむ――――よくぞ参られた……この様な姿で申し訳ないが、歓迎しよう義母上、ルナルナール、それから勇者殿よ)


 なんだ? 頭の中に直接話しかけてくるようなこの感じは。


(念話のようなものだ勇者殿、貴殿が勇者であると配下の者が知ると騒ぎになるのでなこういう形式を取らせてもらっている――――というのは建前で私が最近自分の力をコントロール出来なくなり私が放つ『不老不死の呪い』を抑える為にこうして自らを封印したのでこうのような話し方しか出来ないというのが本当のところだ)


 不老不死の呪い?


(そうだ、それがあり私は幼いルナルナールを遠い土地に追いやらねばならなかったのだが……どうやらダメだったらしいな、ほとんど成長が止まりかけている)


 それはルナの幼女確定宣言に他ならなかった――――その場に崩れ落ち「一生幼女、一生幼女……」と呟きながら虚ろな目で床のタイルの枚数を数え始めた、多分一生幼女一回で一カウントだろう。


(それに義母上も来てくださったか、この様な無様な姿は晒したくはなかったのですが)


「良い、我が子がどのような姿になっていようとも子は子だからな……今まで苦労したのだな。」


 慈しみの表情を浮かべる富士さん、こうして見るとやっぱ年上なんだなーって思う、勿論いい意味でだ。


「それで、魔王の封印っていうのはどうしてこんなに、ちぐはぐなんだ?」


 とりあえず思ったことは口にしておこう、そんなつもりで俺は言ってみたんだが。


「ちぐはぐ? どこがじゃ、主殿にはこの水晶がそう見えるのかの?」

「いや、まあーそういうわけじゃないんだけどさ、封じたいっていうより抑えたいって言うんならさ」


 俺は魔王に右手を掲げ《空間歪曲》《空間圧縮》《ディメンションコート》《カット》《空間固定》を素早く組み合わせた《移動式空間封印》を使ってやった。

 俺の魔法によって徐々に縮んでいく魔王、その大きさは身長二メートルほどまで縮み、体を覆っていた水晶は砕け散り、魔王は自由に体を動かせるようになった――――勿論力は抑えられている何せ魔王自体がこの空間に存在しないんだからな。

 空間というのは個であり全だったりする、一見つながっている空間に見えてそうじゃないってことだ。

 俺も詳しくは理解していないがガラス張りの部屋がいくつもあってその一つに魔王を閉じ込めていて尚且つその部屋が魔王の動きに合わせて動くようになっている状態にしたって感じかな。

 形としては部屋じゃなく全身を覆うようにコーティングしてあるけど。


「お、おお……なんという、なんという事だ、まさかこのようなことが可能とは!」

「可能だけど、一回固定しちゃったから一生そのままになるけど別にいいよね」

「……良い、自由に動けるようになったのだからこれ以上の事は望まん」


 ちっさくなった魔王はその見た目がちょっと人よりになっていた、真紅の髪に黄金の瞳浅黒い肌、なのは首から上だけ、後の下半身は龍とか獣とかを混ぜたような、それでも人の形をしている。

 まあ首から下は着ぐるみ、あるいはそういう服なんだって思えばなんてことはないが。


「お……父さん?」


 放心状態から復活したルナは縮んだ魔王に気づき顔を上げる。


「ルナルナール……今まで苦労をかけたな」

「おとうさーん!」



 魔王に駆け寄るルナ……感動の再会である――――ルナの拳が魔王の腹を強打さえしなければ。




「なんで、なんで私は大きくなれないんだよっ!」

「す、すまないこれも私のふっ、痛い、ちょっとやっ辞めなさい」


 ルナは魔王をタコ殴りにする、殴られ続ける魔王は防戦一方と言った感じだ、無理もないさっきまで封印されて身動きがとれなかったんだから――――ま、今も封印状態ではあるけどな。


「このまま成長できないっていうのならここでお父さんを倒してルナが――――いや我が魔王になってやる!」




 ルナは本気らしい……巻き込まれたくないので俺達と臣下の皆さんは部屋の隅まで避難した――――今ここに、父と娘の最終決戦が始まろうとしていた。

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