32話 森を目指して
ちょっと今日更新をしようと思ってたら寝過ごしまして、今日は休養日にでもしようかと思ってしまったので今日の更新はこれだけです、すみません。
「化物共がっこの街に何をしに来た!」
騎士団長と呼ばれるオッサンが吠える。
「あー俺は普通に人間なんだが……ちょっと向こうに行きたいんで通っていいっすかね?」
了解を得ようとしつつも歩みを止めない俺たちに、街の騎士達が槍を構えて威嚇してくるが――――バキッポキッバキバキベキ……《亜空分断》で全部へし折ってやった。
それを見た下っ端騎士達は顔を青くして後退していく。
「団長……そこを退いてください、我々は大精霊の森に行きたいだけですから」
俺の横から出てきたフランスは俺を静止するかのように一歩前に出てオッサンに向かって呼びかけるが。
「ふんっ裏切り者の化物の言うことなど聞かぬ……」
あからさまに強がってますよ感溢れる中年……いや俺達通り抜けしたいだけだし退いてさえくれればいいんだけど。
「ま、退かないって言うんなら格の違いってやつを見せてやらないとな」
そういって俺は右手を連中に向けて伸ばし、魔力を放つ――――奴らから見れば一瞬のこと何が何だか分からないがとりあえず……俺達が居なくなったように見えたはずだ。
「消えた……だと? 一体どこに……い、いや探せ! 探すのだ! なんとしても見つけ出せ」
消えた、というか何ていう事はないただの《ワープトンネル》だ、と言っても所詮街一つ分でしかないのでニ、三歩で通り抜けできる。
これで街の中に潜んだとか勘違いしてくれればいいんだがな。フランスはフランスで何か難しい顔をしてるがどうしたんだ?
「あの中にケインの姿がなかったのが妙に引っかかってな、面倒なことにならなければいいが」
「ケインってのはアレだろ、俺達のことを街に知らせに逃げたやつ」
「ああ、そのケインだが本人があの場に居なかった……もしかしたら本隊に連絡に行ったのかもしれないと思ってな」
「本隊?」
「ああ――――」以下略。
というのは冗談で、本隊ってのはどうやら最初に付いた港あったあそこに居る騎士達のことでありさっきのオッサンなんかよりも偉いオッサンがいるんだとか……団長じゃなかったのかよ。
「団長はあの街の騎士団長でな、本隊、つまり世界王直下の騎士団はまた別にいるんだ」
「という事はやつは本隊をあの街に呼ぶ為に報告に行ったと?」
「ああ、あいつの足の速さは尋常ではないからなそれに奴自身いつも出世したいと言っていた……もし未だ発見すら出来ていない魔王への手がかりが掴めさえすればあいつはさっきの団長よりは良い地位に就けるだろう」
魔王の手がかり……俺達ではなくルナの事だろうな、面倒な事だ。
「それで、大精霊の森ってのは後どのぐらいで着くんだ?」
喋りながらも歩いている俺達は今森の中に居るのだけど、森といっても大精霊の住む森の手前に広がっているただの森らしい。
「私自体森に踏みいったことはないのだが……」
となるとアテになるのは富士さんだけか……とても嫌そうな顔をしているけど。
「別に嫌というわけじゃないのだが……何分昔の事ゆえ、あちらがこっちのことを覚えていてくれているかどうか……」
なるほど、相手が覚えてるかどうかも怪しいほど昔の事なのか。
「そもそもちょっと顔を見た程度だ、それほど印象に残ってるとも思えんのだ」
やけに『ちょっと』を強く言う富士さん……別にそういった意味で考えてたわけじゃないんだけどな、もし相手が覚えていなかった場合は少なくとも戦闘になる可能性もあるわけだ。
勿論今更俺が精霊程度に負けるとは思ってないんだけど、出来るだけ戦いは避けたいんだよな、今ちゃんと戦えるのって俺とフランスぐらいなものだろう、富士さんは未知数って事にしてもいいが、ルナはまだ子供だしアリサもあの斧でどこまでやれるか……亜理子は論外っていうかあんまり戦わせたくない。
「見くびらないで欲しいなご主人、確かにルナは姿こそ幼いけど精霊如きに負けるほど弱くはない」
ない胸を張って、心外だと言わんばかりのルナではあるが俺の目から見てもちょっと不安だし。
「まあ、この子等の面倒程度私が見れなくもないのでな、主殿は戦いになったらそちらに集中してくださっても構わないのだぞ?」
富士さんのFUJIYAMAが憎たらしいほどに揺れる、これが格差と言うやつか、ルナなんかよりよっぽど期待できるぞ。
なんて不埒な事を考えてたら、ルナに後ろから飛び蹴りをされました……気配を一瞬で殺し死角に放たれたその蹴りは俺の後頭部を掠めた。
いや、危なかったね警戒のために常時を使ってなければ避けられなかった……掠ったけど。
「ま、主殿さえいればそもそも我々など不要だと思うがね」
つまり精霊は俺なら十分一人でなんとか出来るってことか。
「しょーご君、いくら考えてることが筒抜けになったからって一言も喋らないのはどうかと思うよ?」
「失礼な、何回か……は喋ったと思うぞ?」
ま、亜理子に指摘されるまで完全に喋ることを忘れてたんだが、これは後でどうにかしないとな。
などと思っていた矢先の事だった。ブチンッというような大きな音――――と共に俺の中にあった何かが切れた……これは――――響也との契約? 何者かによって俺達と響也達は完全に断たれてしまった瞬間であった。




