25話 ハーレム
今回ちょっと性的な? 表現があるような無いような、苦手な方は飛ばして結構です。
チュンチュン――――この世界に雀はいるのか? そんな疑問を浮かべる余裕が今の俺にはあった。
いや余裕ぶるのはよそう、そんな現実逃避したってしょうがないんだし。
俺の目の前……というかほとんど体に覆いかぶさるように伸し掛っている裸体が四つある。
誰かは言うまい、むしろ言わずとも四人と言えば四人としか言えないのだから。
ちなみに配置を言えば俺の右腕を枕にして抱きついている裸の幼女、密着しているのでその全容が見えないのが救いだ。
その反対側、左腕には同じようにしているアリサがこっちはその大量とも言える髪の毛で覆われていて大事なところは見えていない……まあ頭巾も脱いでいるのでオオカミ特有の耳と尻尾が見えてるけどそんな事より口元からはみ出して見える犬歯は吸血鬼のような雰囲気を醸し出しているので生理的に恐怖を覚える。
俺も上から下まで裸なわけで無防備な状態、早く服を着たいがご丁寧にもどっかに隠してあるようだ。
そんな俺の隠したい部位ナンバーワンな下半身はというと――――しっかり隠されていた、亜理子と富士さんの体でな……これ以上は目に毒だ。
俺は《ショールーム》を背面に開き中へストンと落ちると素早く空間を閉じ、更には俺の服で装備な運動部御用達にしか見えない黒の三点セットを《サモン》で取り出し早々に着替えた。
壁に耳有り正司とメアリー……ああ、ちなみに正司は俺の親父でメアリーは家で飼ってる犬の名前だが親父が口癖のように言ってるせいかたまに言ってしまう。
なんでそんな事口走ってんのかと言えば《ショールーム》の空間の壁に《ホール》で覗き穴を作って部屋の様子を伺っているからだ。
「んん……ん? 主殿? ――――はぁ、逃げられてしもうたか」
逃げられたか、逃げてももう遅かった気がするがな――――まず目覚めた富士さんが着替えるために立ち上がった、それに釣られてか他の三人も起き出したが寝ぼけているのか俺のことに関しては全く気にも止めてない様子でベッドから抜け出して服を着始めた。
俺は着替えを覗きたかった訳ではないので仕方なく誰も居なくなったベッドを方に覗き穴を向ける……そこにはところどころ赤く染まったシーツがあった。
見なかったことにしよう、責任を取らないというわけじゃないが――――生々しすぎるだろッ俺はあんなもん見てられんぞ。
俺はそっと覗き穴を閉じて着替え終わるのを待つことにした。
「さて、これからどうするんだ?」
宿屋を出てこれからの行動を話し合う事にした俺達は人気の少ないスラム街に居た。
「というかその子は誰なんですか?」
ミケネがアリサを指さしながら聞いてくるわけだが……。
「昨日のスリで名前はアリサだ、ちょっと色々あって連れて行くことにした。つーかそっちのも誰なんだよ」
俺は響也の背後にルリエル――――人魚なのに直立しているんだがどうにも腰のあたりに浮き輪のように水で出来たリングがぐるぐると回転していてそれによってどうやら浮いているらしいが、その隣にはもう一人見知らぬ少女が居たのでそのことについて聞いてみた。
見た感じは普通の女の子なんだが、あからさまに人外ですっていう雰囲気が出ていてどちらかといえば神々しい類の気配があった。
「えーとこちらは、倒れていたところをキョーヤが介抱してあげて、何故か一緒に行くことになった……自称天使様です」
「セラフィッテと申します、どうぞよろしく」
名乗りながらお辞儀をする自称天使は――――自分が天使だと言わんばかりにその背から白い翼を広げた、どうやら出し入れが自由にできるらしい。
出し入れというより突然翼が生えてきたようにしか見えなかったが。
「とりあえず何があったかは聞かないから話を進めよう」
「そうですね、まず初めにこの街から出る事なんですが、魔王軍側との最前線基地なのでおいそれと外に出ることができないんです、そこで戦いに行く兵士に紛れて行くことになるんですが……」
兵士というのはこの街のあちらこちらでたむろってるあのゴロツキどもの事らしく、兵士になるにはここの領主に取り入らねばならないのだとか。
「あー……俺さ、昨日領主の息子とかいうの殴り飛ばしたんだが、それって大丈夫なのか?」
「え? 殴り飛ばしたんですか……どうしてまたそんな事を……」
ミケネに非難するような視線を浴びせられたのでアリサについて少々話す事にした。
「なるほど、それは仕方ありませんね」
仕方ないで済むのか。
「とんだ下衆野郎だなそのガキ……そんな奴の親に頭下げる事はねぇだろ、俺たちなら強行突破で簡単に行けるさ」
響也は響也で相変わらず脳筋というか、力押しすればいいと思っているらしいが。
「いや別に、俺の召喚魔法で俺が外に行って、お前ら召喚するだけでいいんじゃねぇの?」
はっとした顔をするミケネと響也、二人揃ってその手があったかとか言っている、俺の魔法を見たことがない奴がそういう反応ならまだしもよく見ている響也や何回か見たミケネがその反応はないだろ。
そんなボケたやり取りをしている間に――――面倒事がやってきてしまったらしい。
「囲まれてるな――――」
最初にったのは響也だった《サーチ》を使って見てみると物陰に二十人は隠れていた、そしてその内一人がこちらにやってきた、噂をすればなんとやら……件の悪ガキである。
「見つけたぞ! お前ら覚悟はいいんだろうな?」
悪ガキがそう言い放つと物陰に隠れていた連中が姿を現す、そんな簡単に姿見せるなら最初から隠れなきゃいいのに……亜理子達女性陣に下品な視線を送るゴロツキ達を見て俺と響也は我慢できずに殴りかかった、今ここに俺と響也の負けられない戦いが始まる。
次回辺り、そろそろいい感じの喧嘩が始まる(予定)




