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召喚術師の喧嘩殺法  作者: 噛み付き熊さん
第一章 異世界導入編
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18話 お前の羊を数えろ

本日二度目の更新ですね。

今回は大して話は進みません、それとちょっとアレな表現があるような無いような感じですが主人公の身には何もありませんのでご安心を。

「……昨晩はお楽しみでしたね?」



 宿に泊まった翌日の朝……俺が響也に向かって言った言葉だ、ちなみに俺はほどんど眠れていなくて凄く機嫌が悪かった事を覚えている――――ここまで言えば分かるだろうが、あえて語ろう。




 それぞれの部屋と言っても部屋は隣同士であり壁もそんなに分厚いわけではないので壁に耳をつければ隣の部屋の話し声ぐらいは少し聞こえてしまうような感じだった。


「それじゃ後でね」


 亜理子は富士さんとミケネを連れて隣の部屋へと入っていった、ちなみに富士さんが「私は主殿と一緒が良い」なんて言ってたが亜理子が富士さんの耳元で何かを囁くと富士さんは悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべてそのまま黙って引き下がった。



 ――――この時点で何かあると予想は出来たはずなのに、俺は不慣れな旅の疲れで早く休みたかったので気にも留めなかった。



 部屋に入って俺は靴を脱ぎ、直ぐ様ベッドにダイブした、こういう子供っぽいところとか亜理子は知っていたんだろうな、俺がベッドに体を沈めたのと同時にドアをノックする音が。


「きょーや君、ミケネちゃんが呼んでるよー」


 と亜理子がドアの外で言っていたので――――。


「悪い、少し行ってくる」


 響也は部屋に荷物――――と言ってもリイヤさんに持たされたもので別に俺が預かっていてもいい響也が持たなくても《異空間収納》してればいいのだがあいつはこういうのを自分で持ちたがるから持たせていた



 ――――それを部屋の隅に置いてそのまま隣に出て行ってしまった……そして開け放たれたドアからは部屋に侵入する足音が二人分あったわけだ、ご丁寧に部屋の鍵を閉める音もした。



「しょーっご君!」


 背中に何かが――――というか亜理子がのしかかって来た、背中に柔らかい何かが触れ……そして。


「主殿……」


 耳元で囁くような、というか実際耳元で囁かれてるんだが、亜理子が背中と言っても俺より小柄でちょこんと乗ってるに等しい状態だったところに、左側から何かがのしかかって来た。

 そしてそののしかかって来た何かの何か柔らかい、それこそFUJIYAMAを彷彿とさせる何かが俺の左腕を包んだ。


 亜理子に関しては本当にガキの頃から一緒だったので大して意識していなかったが、富士さんは事情が違う、それこそさっき知り合ったばかりでまだお互い何も知らないというのに、いきなりこんな……俺はどっちかといえばそういう接触は亜理子以外なかったので思わずベッドから飛び上が――――ろうとしたのだが、う、動けない!?


 顔を左側に向けると鼻と鼻がくっつくぐらい近くに富士さんの顔があり、俺の左腕をがっちりホールドしていたしかもちゃっかり亜理子のやつがいつの間にか右側に回っていて右腕も左腕と同じ状態に至った。


 ――――まさに両手に華である。


 嬉しいと言えば嬉しいし別に悪い気はしない、男だから……けど、けれど……だからってッ!


 こ の ま ま 寝 る だ と か !


 巫山戯るなよ、男だから何かあっちゃうとか期待してたら二人してそのまま寝てしまったんだ、生殺しというやつである。


 そんな状態で正直悶々としていた俺に更に追い打ちをかけたのが―――――隣の二人である。


 最初は何かがベッドに倒れこむような音――――これは俺がさっきダイブした時同じ音が出てた――――その後に何か水がねちゃねちゃするような、まー言ってしまえば貪るようなそんな音ですね……それから俺は奇数を数えることにした、素数を数えると良いとよく聞くが俺は素数がなんなのか分からなかったのでとりあえず奇数で羊を数える事にした。


「羊が一匹、羊が三匹、羊が五匹……」


 まず孤独で可哀想な羊を想像し、そこにそれを見かねた可哀想な羊が二匹やってくる、しかしその二匹はすぐに寝てしまって最初の一匹は暇になる、そんな羊の元へまた二匹の羊がやってくる。

 しかしその二匹の羊は番だったので最初の一匹の近くで交尾を始め……最初の羊は再び孤独を得るのであった――――なんてのを想像しちまったじゃねぇか。

 しかも後からやってきた羊、一匹は白くて、もう一匹は何故か茶色と白と黒の三毛羊だった。

 三毛羊はギシギシという音に合わせて「にゃ、あ、にゃああ」とか鳴いている……正直眠れません。


 俺はどうにかこの事態を脱したかった、しかし体は二人に抑えられて身動きがとれない――――というか疲れているのか体が動いてくれない(・・・・・・・)魔法を使ってどうにかしようにも、その都度隣からタイミング良くというか悪く、「にゃああ」と艶やかな声が聞こえる始末……はっきり言って集中も何もできない。


 俺はひたすら耐えることにした、《シンキングストップ》でも出来れば良かったのだがどうにも接触されていると発動できないらしくてただひたすらに考えるのを辞め――――れないんだよな、腕に!胸がぁ!


 体感で言えばおおよそ十二時間、朝を迎えて二人が目覚めてくれるまでこの生き地獄は続いたのであった。




 そして現在に戻り――――俺は寝不足の目を擦りながら受付に向かい部屋の鍵を女将さんに返却して外で待つみんなのもとへ向かっていった――――鍵を返した時に女将さんがボソっと「昨夜はお楽しみでしたね」と言ったのを一生忘れることはないだろう。

そして響也とミケネの初夜は終わったのである。


ちなみにこの物語には正吾ハーレムと響也ハーレムが存在するとかしないとか。

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