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怖恐 シーズン2(仮名)  作者: くきくん
第一章 神崎病院
6/36

1-1

左折してしばらくはゆるやかに左斜めに道が続いた。道路は片側一車線で、時々左手に緊急時や追い越してもらう時の為のスペースが姿を見せる。


しかし、後方から来る車も無いし横に寄る必要も無いから今は、必要ないやろ。


やがて、道は左に大きくカーブして、傾斜もキツくなった。どうやら山道に差し掛かったらしい。交差点などは無く、延々と一本道が続く。


ナビの案内も無く、ナビの画面をチラ見すると、周囲には何も無い所に一本道だけが表示されていて、面白くもなんとも無い・・・。


まあ、ナビは笑いを取るもんちゃうから、面白く無いのは当然なんやけど、ただの線だけが一本表示されてるのは、故障してるんちゃうか?と、さえ思えてくる。


相変わらず後方では笑い声と『それがし』が連呼されてて、詩音が順の事を『ガッシー』と呼んでた。


そろそろ周囲も薄暗くなってきて、そんな事もあってか俺は少し不安になって来た。運転中にナビの操作は危険やから、必要ないと思ってた避難スペースに車を寄せて停車させた。


「どうしたん?もう着いたん?」


停車した事に気付いた麻紀が呟きながら外を見て、


「なんや、ちゃうやん。トイレでも行きたいん?」


ナビをからかって道を逸れたら不安になって来たなんて口が裂けても言えへんし・・・。


「いや、なんかナビの調子がおかしいみたいなんや・・・。それで、ナビ操作しようと思って止まったんや。」


「そんなややこしい道ちゃうやろ?ほとんど道なりに直進で旅館の近くでちょっと入り組んだ所進むだけのはずなんやけど。」


運転させといて、無茶言いよる。とは、言え道を逸れたんは俺や・・・。こうなったら引き返した方が早いかもしれへん。とりあえずナビのせいにしといてUターンや。


「とりあえずUターンしてさっきの交差点まで引き返すわ。もしかしたら俺の聞き間違えかもしれへんし。」


避難スペースが広かったお陰で、Uターンは簡単やった。気を取り直して来た道を引き返す事数分・・・突然エンジンが停止した。慌てた俺は咄嗟に惰性を利用して、運良く左に避難スペースがあったので、そこへ車を寄せた。


「どないしたんや?また、道に迷ったんか?」


「いや、いきなりエンジンが止まってもうたんや。ガソリンはまだ半分は入ってるし、そもそも天下のヨトタ、マルファードの新型で買ってからまだ一年も経ってへん。って、買ったんは親父やけど・・・」


何度かエンジンをかけようと試みるも、空しくキュルキュル鳴るだけで、やり過ぎたらバッテリーまで無くなってしまうかもしれへんと思い、とりあえず全員で車外に出た。


エンジンルームを開けて覗き込んで見るけど、さっぱりわからへん・・・。順がこういうのは得意やろと思ったんやけど、車には興味が無いらしく、役に立てへん。こういう時はプロに任せるのが一番や・・・俺は財布からJEFのカードを取り出すと、その番号に電話した・・・が、繋がらへん・・・。


まさか、またこの展開?


「この暗くなるタイミングと言い、電話が繋がらへん状況と言い、これはまたパターンに入ってもうたな・・・。」


心お得意の、パターン分析が始まった。とは言うても先日も分析はするものの結局役には立たへんかったんやけど・・・。

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