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怖恐 シーズン2(仮名)  作者: くきくん
序章 新たな恐怖
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淡路島に行くには明石海峡大橋を渡らなあかん。昔は車ごと載れるフェリーとか、色んな場所から出てたみたいやけど、明石海峡大橋が出来てからは徐々にその姿を消してしもたんや。


とりあえず、ここからやと、阪神高速から、第二神明経由と中国自動車道から山陽自動車道、明石海峡大橋というルートがある。


阪神高速は平日やし混んでるやろから、結構遠回りなんやけど、空いてるルートっちゅう事で下道で吹田インターを目指した。


ナビをセットしたから後は指示に従うだけや。高速道路に乗ってもうたら、事故渋滞とかに巻き込まれへん限りは、二時間くらいで淡路島に入ると思う。


後ろの座席では、心が順をイジって場を盛り上げとる。麻紀も体ごと振り返って、一緒に盛り上がってて、なんか楽しそうや。


悲しいかな、運転手の宿命。最終的には他の連中は疲れて眠るんやろけど、俺はそうはいかん。仮にも五人の命を預かってるんや!実際にはそこまで深く考えて運転してないとしても、それは事実や。


で、そういう事考え過ぎると、必ず睡魔が襲ってくるんや。だから、心の奥にそういう事は留めといて、運転に集中しつつ、他の事を考える・・・これが意外と難しいねん。


高速運転中は一瞬の油断が・・・だから、これがあかんねん!と、こんな事の繰り返しで、ホンマに必死なんや。


まあ、昨夜はいっぱい寝たから、今の所睡魔は無い。結局、後ろは盛り上がったまま明石海峡大橋に突入した。


明石海峡大橋にはサービスエリアがあるんやけど、一泊だけのプチ旅行っちゅう事で、あまり色々見てる時間も無いので、今回はスルーした。


誰かがトイレ行きたいって言うたら寄っても良かってんけど、多分後ろの連中は明石海峡大橋に突入してるんさえ気付いて無いやろ。心が必死で親密になろうとしてるんは、会話の内容から十分過ぎるくらい伝わってくるし・・・。


さて、淡路島には何回か家族で来た事あるけど、今回は心の親戚の旅館。もちろんそこへ行くのは初めてやから、心から聞いた住所をセットしたナビの案内だけが頼りや。


津名や洲本が有名やけど、今回目指すのは五色っちゅうとこや。まあ、洲本市は洲本市なんやけど、淡路島の真ん中よりちょっと下、西側の海岸沿いが目的地や。


一番近いインターで降りればええんやけど、せっかくやから下道でっちゅう事なって、とりあえず高速を降りることにした。


時間は間もなく午後五時。四月やからまだ辺りは明るかった。ナビの案内に従い車を走らせてると、時々ナビをからかいたくなる時がある。まさに今や・・・。


急にナビのルートを逸れて、その反応を見るんや。そしたらたまに訳のわからん場所に車がワープする事がある。で、いきなりその先右ですとか言うねんけど、実際にはそこに道は無かったりするねん。


・・・。なんか、俺って寂しいヤツなんかもしれへん・・・。でも、運転に集中してるせいもあって後ろの盛り上がりにも参加出来へんねんから、このくらいかまへんやろ。


俺はナビの案内に反して直進の所を左折した。さあ、どう出る?ナビちゃん。当然、会話に夢中な他の連中はそんな事気にする様子も無く、無反応。


そもそも外の景色すら見てへんはずや。


『ルートを変更しました。ルートを再検索します。』


よしよし、考えとる考えとる。虚しいのはわかってるんや。けど、ちょっとくらい道を逸れた所で方向は合ってるんやし、淡路島自体それほど広い島でもあらへん。


案内通りに走れば一時間以内に着いてまうし、横道に逸れてもせいぜい三十分上乗せされるくらいやろ。


しかし、これが大きな間違いやった・・・。この、ちょっとした出来心のせいで、俺らは再びとんでもない出来事に遭遇する事をこの時は誰一人として知る由も無かった・・・。

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